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おすすめの短編集#2

1つの本で色々な物語が楽しめる短編集。
通勤中の電車の中や病院での待ち時間などちょっとしたスキマ時間にちょうどよくて、よく読んでいます。
今回はおすすめの短編集を紹介します。

名探偵コナンの主人公である江戸川コナンの名前の由来である江戸川乱歩。
映画の冒頭でその説明が毎回出てくるので、名前はご存じの方も多いと思います。
特異な暗号コードによる巧妙なトリックを用いた処女作「二銭銅貨」、苦痛と快楽と惨劇を描いて著者の怪奇趣味の極限を代表する「芋虫」をはじめとする初期の乱歩を代表する9編の傑作集です。
読み終わった後にただの推理小説では味わえない狂気や恐怖を感じました。

すいかの匂いを読んでから自分の中で江國さんブームが来ています。
きらきらひかるやホリーガーデンが有名ですが、個人的には恋愛要素が少な目の「すいかの匂い」や「ぼくの小鳥ちゃん」今回紹介する「つめたいよるに」が好きです。お洒落な雰囲気と丁寧な暮らしぶりがどの作品でも感じられます。
「つめたいよるに」は21遍の短編から構成されており、比較的一つ一つのお話が短めですがクオリティーが高かったです。特に愛犬の死によって悲しみにくれていた主人公の女性が、その後出会った少年との楽しい1日を描いた「デューク」が感動的で読み終わった後に優しい気持ちになれました。

私の衝動的なプロポーズに対して、長い沈黙の後とかげはこう言った。「秘密があるの」――。幼い頃遭遇したある事件がもとで、長い間目の見えなかったことのあるとかげ。そのとかげにどうしようもなく惹かれてゆく私。心に刻まれた痛みを抱えながら生きてきたカップルの再生の物語「とかげ」。運命的な出会いと別れの中に、ゆるやかな癒しの時間が流れる6編のショート・ストーリー。
「時間」と「癒し」、「宿命」と「運命」がテーマになっているそうで、何か事件が起こるわけでないけれど、ずっと心に残っているようなそんな短編集です。
題名にもなっている「とかげ」は小学生の時に読んで、自分の中ですごく印象に残っていたけれど、題名が思い出せなくてたまたま手に取ったこの短編集で再会できた思い出の本です。
他人の痛みを治すことができるという特殊な能力を持っているちょっと不思議なとかげに私も惹かれていきました。

「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。
短編集の中でも、本当に一つのお話が短いショートショート。
「殺し屋ですのよ」が一番好きでした。
世にも奇妙な物語や笑ゥせぇるすまんみたいな不思議でちょっと奇妙な感じの世界観が楽しめるおすすめのSF短篇です。


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