息をのむ紅葉絶景|「滋賀」3泊4日琵琶湖一周旅③
今回の記事は【「滋賀」3泊4日琵琶湖一周旅 3日目】となり、「比叡山延暦寺」、「西教寺」と「旧竹林院」のご紹介です。
前夜に体験した石山寺での紅葉ライトアップの絶景があまりに素晴らしく、その名残をとどめる中、比叡山に向け車を走らせます。
この日は「日本仏教の母山」に圧倒され、ふたたび紅葉絶景とライトアップにも魅了された1日となりました。
見所満載の内容なので、ぜひご一読ください。
【1日目&2日目の記事は↓からどうぞ】
【夢見が丘展望台】琵琶湖の絶景スポット
大津方面から比叡山延暦寺へ車で行くなら、ドライブ中に紅葉絶景が楽しめる有料道路の「比叡山ドライブウェイ」を通ります。
その途中で立ち寄れるのが、琵琶湖の絶景が見れる「夢見が丘展望台」です。
駐車場に車を停めて道路の反対側に渡ると、琵琶湖と大津市街を一望できる絶景スポットがあります。
カーブの多い山道を走るため、車酔いしやすい方はここで一息つくのも良いでしょう。
なお、公共交通機関を利用する場合はケーブルカーで山頂まで登り、シャトルバスを利用して観光できます。
【天台宗総本山 比叡山延暦寺】世界に誇る日本仏教の母山
788年に最澄によって開創された比叡山延暦寺は、日本仏教各宗各派の祖師高僧を数多く輩出してきた「日本仏教の母山」と呼ばれています。
天台宗の総本山であり、1,200年以上もの歴史を持つ世界文化遺産として、日本が世界に誇る聖地です。
「延暦寺」の名称は、比叡山内で甲子園500個分相当の広大な境内に点在するお堂の総称で、延暦寺というお寺があるわけではありません。
そのため、三塔と呼ばれる「東塔(とうとう)」、「西塔(さいとう)」そして「横川(よかわ)」の3つにエリアを区分しています。
私はランチを含め4時間かけて三塔を回りましたが、すべてをしっかり見て回る方なら丸1日必要となるでしょう。
なお、比叡山の紅葉は11月初旬に見頃を迎えるため、11月下旬の今回はほぼ落ち葉となっていました。
紅葉と同時に楽しみたいなら、比叡山だけ時期をずらすのも良いでしょう。
【東塔】延暦寺発祥の地
【東塔エリアを動画で見るならこちらから↓】
■根本中堂
比叡山延暦寺の三塔それぞれの中心となる仏堂「中堂」のうち、東塔にある「根本中堂」が最大の仏堂かつ延暦寺の総本堂となっています。
しかし、この根本中堂は約60年ぶりの大改修中で巨大な幕に覆われ、2026年の改修終了まで外からその姿を目にすることができません。
改修の様子は公開されているので、興味がある方は間近で屋根などを見学できます。
■大講堂
824年の建立以来、何度も火災に遭いながら再建されてきた、国指定の重要文化財である「大講堂」。
現在の大講堂は、山麓坂本の讃仏堂を1963年に移築したものとなります。
「開運の鐘 世界平和の鐘」を鳴らしてみよう!
大講堂の脇にあるのが1回50円で鳴らせる「開運の鐘 世界平和の鐘」です。
順番待ちの列ができていたので、私たち夫婦も並んで順番に鐘を鳴らして拝んできました。
鐘をつく棒のことを「撞木(しゅもく)」と呼ぶのですが、撞木から垂れ下がっている縄を両手で持ってつきます。
コツは縄の上の方を持つこと。
力が入りやすくなるので、比叡山中にものすごい鐘の音を響かせられるでしょう。
みなさん楽しみながら慣らしていたので、機会がある方は是非やってみてください。
■阿弥陀堂と法華総持院東塔
1937年に建立された「阿弥陀堂」は、檀信徒の先祖回向の道場です。
阿弥陀堂の前にある鐘楼は国重要文化財に指定されています。
阿弥陀堂の左隣にあるのが、国宝的人材づくりの旗じるしとして名高い「法華総持院東塔」。
開祖である伝教大師「最澄」が、日本を護る計画の一環として全国6箇所の聖地に建立した宝塔を総括するのが法華総持院東塔です。
■戒壇院
「戒壇院(かいだんいん)」は、最澄の志を継ぐ決意をした天台宗の僧侶が、戒律を受けて正式な僧侶となるための儀式が執り行われる特別な場所です。
この堂に入れるのは、天台宗の僧侶でも一生に一度だけとされているほど。
そう聞くととても厳粛な気持ちでお堂を見上げてしまいます。
■文珠楼
根本中堂正面にある長い石段の上に建てられているのが、国の重要文化財に指定されている「文珠楼(もんじゅろう)」です。
延暦寺の山門であり比叡山の総門となる文珠楼には、知恵の象徴とされる「文殊菩薩」が祀られています。
せっかくなので、足腰に問題がない方は根本中堂前の石段を登り、下から見上げてみましょう。
【西塔】杉並木が荘厳な雰囲気を演出
【西塔エリアを動画で見るならこちらから↓】
■箕淵弁財天
西塔に入って進むと左手に見えてくるのが、西塔エリアの鎮守社「箕淵弁財天(みのぶちべんざいてん)」です。
箕淵弁財天の前には、親鸞聖人が住持していたと言われる「聖光院跡」の碑があり、自然と気が引き締まります。
とても雰囲気のある一角で、吸い寄せられるように自然と鳥居をくぐっていました。
■にない堂(常行堂・法華堂)
杉並木の中を進み西塔本堂の「釈迦堂(転法輪堂)」へ向かう途中に姿を現すのが重要文化財の「にない堂」です。
正面向かって左が「常行堂」、右が「法華堂」で、二堂を合わせた名称の「にない堂」は、「弁慶が両堂をつなぐ廊下に肩を入れて担った」との言い伝えが由来だそう。
■釈迦堂(転法輪堂)
にない堂の廊下をくぐり長い石段を下ると見えてくるのが、西塔本堂の釈迦堂(転法輪堂)です。
最澄自作の「本尊釈迦如来」が安置されていることから釈迦堂と名付けられました。
延暦寺の最古の建物である釈迦堂は、1595年に豊臣秀吉が三井寺から移築したもので、国の重要文化財にも指定されています。
■浄土院
国の重要文化財に指定されているこの「浄土院」こそ、延暦寺の開祖・伝教大師「最澄」の遺骸が眠る御廟です。
比叡山の中で「最も清浄な聖域』と呼ばれ、現在は「十二年籠山行(じゅうにねんろうざんぎょう)」の僧侶が毎日仕えています。
静かに佇む浄土院を目の前にしたら、心が洗われていくかのような感覚を覚えました。
【横川】景観の美しさに魅了される
【横川エリアを動画で見るならこちらから↓】
■横川中堂
横川の本堂である「横川中堂』は、遣唐使船をモデルにした舞台造りという特徴的な建物です。
例年11月初旬に迎える紅葉の見頃では、鮮やかな色彩に包まれる絶景が楽しめます。
私が訪れた11月末でも、落ちた赤い葉とお堂を囲む緑で美しい光景を見せてくれました。
■横川鐘楼
横川中堂の正面から杉並木の坂道を登っていくと見えてくるのが「横川鐘楼』です。
国の重要文化財として境内に建つその姿を、杉並木の散策と合わせて楽しみましょう。
■元三大師堂
重要文化財の「元三大師堂」は慈恵大師良源(元三大師)がかつて住んだ場所でした。
実は、現代の私たちが神社やお寺でひく「おみくじ」を考案したのが元三大師と言われています。
そのため、元三大師堂はおみくじ発祥の地とされ親しまれているのです。
■恵心堂
11月末でも美しい紅葉に囲まれた「恵心堂」は、恵心僧都「源信」の旧跡です。
源信は日本の浄土教の礎を築き、後に法然上人、親鸞聖人、真盛上人といった名僧を輩出するもととなった人物。
恵心堂を取り囲むように広がる紅葉と、地面に敷かれたもみじはまるで源信の功績を讃えるかのように輝きを放っていました。
【ランチ】比叡山峰道レストラン
比叡山でのランチは東塔エリアにある数件か、西塔から横川へ向かう途中にある「道峰レストラン」のいずれかになるでしょう。
道峰レストランでは窓際席に座れれば、琵琶湖の絶景を眺めて食事ができるのでおすすめです。
ただ、窓際席は人気なので少し待つ可能性が高いでしょう。
レストランの横も展望台になっているので、私たちは無理に待つことはしませんでした。
店内入り口横で先に食券を購入してから席に案内されます。
メニューはそれなりにあり、「山の御膳」と「湖の御膳」をいただきました。
【西教寺】もみじ参道通り抜け
比叡山の横川を15:00頃に出発し、25分ほど車で山を降り向かったのが西教寺です。
西教寺は聖徳太子による創建で、「もみじ参道通り抜け」が紅葉絶景スポットとして人気を集めています。
見頃には総門から約150mに渡り参道が、紅葉で真っ赤に染まる光景は必見です。
明智光秀の墓がある菩提寺でもあり、本堂や客殿などの重要文化財は自由になかを見て回れます。
特に客殿は、歴史を感じる内観や小堀遠州作の庭園なども見れるため、西教寺だけで1時間を要しました。
【元里坊旧竹林院庭園】ライトアップの幻想空間
「旧竹林院」は比叡山の麓に残されている、僧侶の隠居所・里坊の1つです。
邸内には約3,300㎡の広い庭園があり、天正年間に建てられた2棟の茶室と四阿(あずまや)があります。
紅葉の時期はライトアップが行われますが、混雑防止のため事前予約制で人数と時間が制限されています。
私は17:30からの予約で入り、テーブルを利用したリフレクション写真を撮りました。
50人ずつを40分で入れ替える形になったおかげで、譲りあって撮影しても時間が余るくらいです。
幻想的な写真が録れて皆さん大変満足していました。
朝から見所盛りだくさんだった3日目の観光もここで終了。
この日宿泊する「ホテル琵琶レイクオーツカ」に向かう途中で、焼肉ディナーをいただくことに。
【ディナー】焼肉酒場 まほろば
旧竹林院から車で10分ほど琵琶湖を北に走ると、小さなアパートの1階にあるのが「焼肉酒場 まほろば」です。
とても小さなお店で、お店の駐車場は店舗入り口前に2台だけ停められます。
運良く1台空いていたので、こちらで近江牛を味わうことにしました。
1日目の「近江牛レストラン ティファニー」のフルコースも良かったですが、焼肉でいただく特上ロースも口の中でとろける極上の一品です。
3日目は比叡山がメインとなり、日中の竹林院や日吉大社は回れませんでしたが、どちらもライトアップを十分楽しめたので良しとします。
もし時間に余裕がある方で、日中の紅葉とライトアプどちらも楽しみたいなら、もう1日増やして4泊5日にするのがベストでしょう。
さて、この日の宿泊先の「ホテル琵琶レイクオーツカ」は、琵琶湖がすぐ目の前にあり絶景が望めるホテルです。
翌日に早朝の朝日を見たいと思い予約したので、睡眠不足を覚悟で準備を整えこの日は就寝。
次回の記事は最終日となる4日目になります。
最終日にして「これぞ紅葉!」と、思わず声を上げたくなる絶景が待っていましたので、ぜひお楽しみに。
【4日目の記事はこちらから↓】