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『人生が輝く!片づけストレスからの解放 暮らしにゆとりが生まれる質問メソッド50』第1章・無料全文公開
10月9日発売の書籍『人生が輝く!片づけストレスからの解放 暮らしにゆとりが生まれる質問メソッド50』から、第1章「片づけストレスの原因って?」を全文公開!
片づけが後まわしになる理由
突然ですが、あなたは片づけが好きですか?
「はい」と自信をもって答えられる方は、この本を手に取っていないかもしれません。
ではなぜ片づけが好きではないのでしょう?
●モノがたくさんあるので手をつけるのが面倒
●捨てるのが苦手でやってもあまり効果を感じない
●減らしてもまたすぐ増えるので、おわりが見えない
●片づけても家族がすぐ散らかすので疲れる
●子どものころから「片づけなさい」と親に叱られてきたトラウマで嫌なイメージ
このようなところでしょうか。
いずれにしても、片づけに対してマイナスなイメージをもっている人が多いと感じています。マイナスイメージをもっていて好きになるのはなかなか難しい話です。
好きではないことに時間を割き、積極的に行動を起こせる人は少ないため、片づけは後まわしになりがちなのです。
また、片づけは緊急性がないのも原因のひとつだと考えられます。1日のなかで「食事の支度」「洗濯」「掃除」に比べると、「片づけ」は明日明後日と先伸ばしにしてもすぐには困りません。
さらに、人間にもともと備わっている心理的作用として、習慣付いたことを変えたくない、ということも考えられます。慣れないことをして失敗するより、現状維持したいと潜在的にブレーキをかけているのです。
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このように、「好きではない、緊急性のないこと」に対し、習慣を変えてまでチャレンジすることは、よほど強い意志がない限り重い腰が上がらず、なかなか行動できないもの。ですから片づけは後まわしになりやすいのです。
クライアントさんや友人から、「私は性格的に片づけが苦手なんです」というお話を普段から伺います。そういう方は決まって「ダメな自分」と自分にレッテルを貼っているように感じます。しかし片づけができないのは、あなたの性格のせいではありません。大雑把なら大雑把なりに、捨てられないならそれなりに、それぞれ自分にあった習慣システムをつくればよいのです。そもそも片づけの方法は学校でも習っていませんし、親からも「モノを大切にしなさい」とか「片づけなさい」とか抽象的な教えしか受けておらず、具体的な方法については多くの人が習ってきていないのですから、できなくても仕方がないのです。
「忙しくて片づけられない」ともよく伺います。前述したとおり、片づけは日常のなかで緊急性がないため、忙しくなるとすぐに後まわしになりがちです。仕事が忙しく残業続きで部屋が散らかっていく、ということはありませんか? 「そろそろ片づけなきゃ」と思っているときに限って、楽しいお誘いがきたりするもので、つい出かけてしまい、また後まわし……。そうこうしているうちに短時間で片づけられるはずが、まとまった時間が必要になるのです。
忙しい人にとって、まとまった時間を確保することは至難の技でしょう。ですから忙しい人ほど早急に、簡単に片づけられるシステムをつくることが必要なのです。
「散らかっているほうが落ち着く」って本当?
「私、片づけのプロに頼んで部屋を片づけようと思っているの」
「えー? 片づけのプロって何? テレビで観たけど、どんどん捨てていくアレやろ? 俺、何もない部屋とか落ち着かんし。片づけって人にお金払ってまでやること? 週末に俺がやってやるよ」
片づけようとしている人と片づけにマイナスイメージをもっているご夫婦の会話です。
私にご依頼いただく方は、散々悩んで意を決してご連絡してくれることが多いのですが、まわりの方はそこまで深刻な悩みだとは気づいていないこともしばしば。片づけのアドバイスを人に頼むことがまだ浸透していない現在、それもわからなくもないですが、果たしてそのままで悩みは解決するでしょうか?
私の住む九州では、とくに40代以降の世代で、「家のなかのことは女性がするもの」という意識がまだ残っています。家事分担とはいえ、男性は保育園の送り迎えや洗いものを「手伝っている」だけで褒められ、まだまだ女性の負担が大きいのが現状です。家事代行サービスやお掃除をプロに頼むことは、やや浸透しつつあると感じていますが、それでも裕福な人やフルタイムで働く人が頼むもの、という意識があるように感じます。まして私のような浸透していない仕事は反対されても仕方がありません。
ですから、「家事代行サービスの方は元に戻すことはしてくださいますが、私はその前の段階を一緒にやることで片づけやすい部屋にしていきます。ご家族のモノを勝手に捨てることはありませんし、これだけたくさんのモノをおもちなので、何もない部屋にはなかなかなりませんよ。どんな部屋が落ち着くのかお聞かせくださいますか?」と説明をし、ようやくスタート、となることも少なくありません。
人によって居心地のいい部屋は違います。生活感があるモノを見せない部屋が好みだとか、カフェのようにオシャレに飾って見せる収納がお好みだとか、色がカラフル、またはモノトーン、素材もガラスや大理石、木製、ファブリック、などさまざまです。見せる収納にしても、色がカラフルで賑やかな部屋にしても、計算された配置や組み合わせがあるもの。モノがごちゃごちゃとなんとなく置いてある部屋とは大きく違うのです。
カリフォルニア大学の心理学名誉教授アルバート・メラビアン氏が発表した「メラビアンの法則」でも提唱されているとおり、人とのコミュニケーションにおいて視覚情報が大きな影響を及ばすのはご存知の方も多いと思います。このことは、第一印象をよくするためのファッションアドバイスの際によくお伝えしていて、対人コミュニケーション以外でも視覚情報は私たちに大きな影響を及ぼしているのです。
人間の五感による知覚認識の割合は、視覚80%、聴覚11%、嗅覚3・5%、触覚1・5%、味覚1%、といわれています。日常生活において80%もの情報を視覚から得ているのですから、昼間に比べ夜道が怖い、というのも納得です。ほかにも、料理を素敵な器と盛りつけでいただくと普段よりおいしく感じるのも視覚効果かもしれませんね。
このようにありがたい視覚情報ですが、現代人の脳は「情報過多シンドローム」という状態で、あふれる情報を処理しきれずにいるとのこと。もしあなたの家のなか中にたくさんのモノがあふれているならば、脳はそれだけで疲れてしまっているのです。「集中力がない」「やるべきことを忘れてしまう」という現象があるとしたら、脳の疲労が原因かもしれません。先のご主人のように、散らかっているほうが落ち着くという方は「見慣れた環境を変えたくない」「習慣を変えたくない」といった心理から現状維持を望んでいるのかもしれません。人は変化を恐れる生きものですから。ですが、家のなかを見直して視覚情報をコントロールできれば、聴覚、嗅覚、触覚、味覚がさらに研ぎ澄まされ、音楽や料理を楽しむなど豊かに暮らせるのではと思います。
「割れ窓理論」という理論があるのはご存知でしょうか?
建物の窓が割れているのを放置していると誰も注意を払っていない、という象徴となり、やがてほかの窓もすべて壊される、という考えから名付けられました。これは、もともとは軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できる、といった環境犯罪上の理論です。1つの窓が割られたことで凶悪犯罪とは大袈裟なようですが、続きはこうです。割れた窓を放置していると建物が荒れはじめる、それを放置すれば町全体に関心や注意が払われていないと思われる、やがて落書きやゴミのポイ捨てが増え治安は悪くなる、結果犯罪が起きやすくなる。刑事ドラマでよく出てくる犯罪の現場が、使われていない荒れた雑居ビルだったりするのも納得です。
これを家のなかに置き換えると、誰かがテーブルの上に飲みかけのペットボトルを置きっぱなしにしたとします。そうすると、また別の誰かがおやつを食べたあと放置。そして読みかけの雑誌や新聞が集まり、あっという間にテーブルの上が散らかります。潜在的に「ここに置いてもいいんだな」という雰囲気になるのです。やがてテーブルから床へと広がり家中に伝染していく、というわけです。
一方で、高級ホテルのトイレを想像してみてください。「キレイに使いましょう」といった張り紙は一切ないのに、自然とキレイに使おうとしませんか? 水道で手を洗ったあとに、水がちょっと飛んだのが目立ち、拭いたりするのは私だけでしょうか。ディズニーランドもそうです。小さなゴミを素早くなくすことでゴミのポイ捨てを防止しているようです。もちろん、高級ホテルもディズニーランドも、スタッフの方がマメに巡回しているおかげだと思いますが、客人としてもキレイなところは汚さないように使い、キレイな状態を保つことに一役買っている気がします。
片づかない部屋の共通点
片づかないお悩みに向き合うなかで、散らかりやすい部屋には共通点があることがわかってきました。大きく分けると次のようなことが挙げられます。
●モノの量と種類が収納スペースに合っていない
圧倒的に多い現象です。日本は国土面積に対して人口密度が多いため、家屋のスペースも狭くなりがちです。戦後「モノを大切にしなさい」と教えられてきた私たちは、モノを捨てることに抵抗があります。豊かな日本になり、モノが手に入りやすくなっても、相変わらず捨てることは苦手な人が多いため、スペースに対してモノがあふれています。家を借りたり購入したりする際のアンケートでは、「収納が広い」というのが常に上位にランクインするようです。しかし収納の広さに頼るのは、やや危険。広い家に引っ越したり新築時に収納を多くつくったりしたとしても一時的解決になるだけで、取捨選択をしなければ、またすぐにモノはあふれるからです。
また、収納スペースの場所や形式が入れたいモノと合っていないことも散らかりやすいポイントです。家を建てたり、リフォームをしたりする際は、どのようなモノを、どのくらいもっていて、どこに、どのように収めたいかを考えて収納をつくることをおすすめします。
●自分の動きと収める場所が合っていない
モノの量が増えたこと以外にも、収める場所が原因で散らかりやすくなっていることもあります。クライアントさんのお宅では、「なぜそこにあるのですか?」と伺うことがよくあります。住んでいる方は、そこにあるのが当たり前で慣れてしまっているのだと思いますが、客観的に見ると、「大変そうだな」と思うことが度々あります。わざわざ取りに行ったり戻したりが面倒だと無駄な動きができてしまい時間も労力もかかるので、そのうち戻さなくなり、散らかりやすくなるのです。モノの場所に合わせて私たちが動くのではなく、人の動きに合わせてモノを配置すると格段に散らかりにくくなります。詳しくは第4章でお伝えします。
●常識にとらわれたグループ分けと戻しにくい収納法
こちらもよく見る現象です。収納グッズに詳しい人や、「いざ、片づけよう!」と収納の情報を集めてみた人に多いパターンです。アイテム別や色別などに分けてキレイに並んでいると気持ちがいいものです。しかしあまり見た目にこだわりすぎて無理をすると、結局戻せずリバウンドしてしまったり、収納を工夫するあまり、余計面倒にしてしまったりしている人も。ほかの人の事例や便利グッズにとらわれず、自身に合った収納を考えることで散らかりにくくなります。こちらも第4章で詳しく解説いたします。
あなたはどのタイプ?
片づかない部屋の共通点に思い当たることはありましたか?
この節では、自身の傾向を知っていただきましょう。
次の項目のうち当てはまることがあればチェックしてみましょう。
1.サイズが合わなくなった洋服でもなかなか捨てられない
2.家電や家具の説明書や付属品は、とりあえずそのまま取ってある
3.お菓子が入っていた箱や缶、リボンなど素敵なモノは何かに使えるかも、と取っておく
4.使っていない食器や鍋でも、壊れていないモノはまた使うかも、ととりあえず取ってある
5.3年以上使っていないブランドバッグや小物を手放せないでいる
6.お得なセットや複数買いなどお得に弱い
7.限定品や残りわずかと聞くとほしくなる
8.ネットサーフィンをしているとき、ついポチッとしてしまうことがある
9.お店で買うとき、勧められると断りにくい
10.「〇〇円以上で送料無料」やプレゼントが付くと追加の品を探す
11.スマホや鍵を探すことが度々ある
12.ソファや椅子に洋服がかかっている
13.モノを避けながら掃除機をかける
14.玄関に3日前に履いていた靴がある
15.机の上に1週間以上放置しているDMがある
いかがでしたか?
1〜5が多かった方は、モノを捨てるのが苦手な「捨てられない症候群」。
6〜10が多かった方は、モノが増えやすい「買う買う星人」。
11〜15が多かった方は、モノを戻せない「ポイポイマン」と名付けて解説していきます。
●捨てられない症候群
捨てようとすると「もったいない」とよぎり、片づけが進まないあなた。何に縛られているか自分と向き合い、過去ではなく、いまの暮らしに必要かを考えてみましょう。どうしても捨てられないモノは、いつでも見られる状態にすることや期限を決めて取っておきましょう。ただし、いまの暮らしを圧迫しない量を心がけて。もったいないのはしまっておくスペースです。
●買う買う星人
興味が湧いたらほしくなりやすく、つい買ってしまうあなた。お得感、希少価値、その場の雰囲気、などに流されていませんか。そうして買ったモノ、使っていますか? たくさんのモノを使いこなせる人は意外と少ないものです。本当に使うか、一旦冷静になって考えてみましょう。お得に買っても使わなければ本末転倒です。使わないモノのためにお金を使うことがもったいないです。
●ポイポイマン
ほかに興味を引くことがあるとモノを放置してその方向にいってしまう、片づけ先送りタイプのあなた。どこに置いたか忘れてしまったり、あとでやるのが面倒になったりしていませんか。先送りにすると、すぐにやるときよりも時間がかかります。頻度の多いモノから簡単に戻せる定位置を決め、元に戻す習慣をつけましょう。探しモノをしたり片づけたりする時間がもったいないです。
このように、片づけが苦手といっても、いろいろなタイプの方がいます。自身の傾向を知っておくことは、片づけが進むだけでなく、その後の生活においてもリバウンドを防げるのです。
すべてのタイプに共通するワードは「とりあえず」です。
「また使うかもしれないから、とりあえず取っておこう」
「いるかもしれないから、とりあえず買っておこう」
「面倒だから、とりあえずここに置いておこう」
このような言葉が出てきたら要注意です。
やりがちNG行為
ここまで、片づかない原因や自身の傾向を知っていただきましたが、第1章の最後に、片づける前にやりがちなNG行為をご紹介しましょう。
片づけようとして次のことをやっていませんか?
①引き出しを開けて、不要なモノを取り除く
②既存の収納で足りなくなったら収納棚や家具の追加を検討する
③やる気を出すために先に収納用品を揃える
④収納上手な人の真似をしてみる
これらは一時的には片づいたようになりますが、根本的解決には至りません。理由は次のとおりです。
①引きき出しを開けて、不要なモノを取り除く
クローゼットを開けて整理するとしましょう。散々着た毛玉があるニット、くたびれたTシャツ、探しても出てこなかった片方だけの靴下など、もういいかと思えるモノは数点減らせるかもしれません。
しかし、通販で買った、サイズや色が微妙だった新しめの失敗の洋服、昔好きだったけどなぜか最近着ていない洋服、3足1000円の最後に悩んで選んだほぼ履いていない一足、これらはなんとなく減らせずそのままになりがちです。もしあなたのクローゼットがパンパンだったとしたら、またあっという間にパンパンになるでしょう。
ですから、度々見直しをするのが面倒なら思い切ってすべて出してみましょう。そして、できるだけ家中から集めてみてください。「こんなにあったんだ!」「ここにあったんだ!」「こんなのあったんだ!」と自分のモノなのにおもしろい発見があるはずです。すべて集めたら、そこから必要なモノを選び、数が多い場合は、いまのライフスタイルでいくつあればいいかを考えてみましょう。どのくらいの数までなら着こなせるかと、自分のキャパと相談しながら選抜していくのです。はじめは少し面倒に感じるかもしれませんが、客観視することで判断しやすくなり、不要なモノをつまみ出すよりも格段に効果的で近道です。
【正解】不要なモノではなく、必要なモノを選ぶ
②既存の収納で足りなくなってきたら収納棚や家具を検討する
引っ越して間もなくは既存のクローゼットや押し入れに入りきれていたはずなのに、長く住んでいたり、家族が増えたり、子どもの成長などにより、既存の収納では足りなくなることも。そのようなとき、収納棚や家具を置こうとして床のサイズを測ったりしていませんか? これも一時的には片づきますが、そこがまたいっぱいになるのは時間の問題。その場合は、また家具を増やしますか? そうしていると、そのうち部屋は収納家具に占領され、狭いスペースで小さくなって過ごすことに。
その時々のライフスタイルによってモノの種類は変わっても、全体の量は収まるだけに保つよう心がけましょう。そうすることで管理がしやすくなります。
【正解】収納家具は安易に増やさない
③やる気を出すために先に収納用品を揃える
「さあ、片づけよう!」と思ったとき、早速、棚のサイズを測り、100円ショップに出かけたり、ネットで揃えたりしていませんか? 先に収納を考えるのは、実はNGです。理由は「何を」「どのくらい」「どのように入れたいか」によって収納を選ぶほうが、そのあと使いやすいからです。「入れたいモノのサイズは?」「何分割したいのか?」「入れものはカゴなのか? 引き出しなのか?」「見た目は透明がいいか? 見えないほうがいいか?」など考えることは多くあります。たとえ100円ショップのモノでも、合わなかったらと即捨てする方は少ないのではないでしょうか。合わない収納を無理やりどこかで使おうとする、などとならないためにも、はじめが肝心です。
【正解】先に収納用品を買わないようにする
④収納上手な人の真似をする
簡単に情報が集められる現代、本屋さんに足を運ばなくても、お金をかけなくても、手軽に無料でさまざまな情報が手に入る時代です。収納に関しても、素敵な収納法が多く紹介されています。しかし、そのまま取り入れられることは大変少ないと感じています。よほど似たような間取り、もちもの、ライフスタイル、価値観、などでない限り、しっくりくることは少なく、アレンジ力が必要です。
【正解】アレンジ力を身につける
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これらはすべて収納に頼ろうとしています。モノと向き合い取捨選択をすることは面倒だったり疲れたりする作業なので、そこを飛ばして考えるほうが楽しいのもわかります。しかしそこをなおざりにして先に収納を考えると失敗しやすいのです。「整理収納アドバイザー」のような言葉があるように、「整理収納」といいますが、「収納整理」とは聞きませんよね。ですから、モノを整理してから収納を考えることが成功へのカギなのです。
【コラム①】引っ越し屋さんを困らせた収納上手な私の引っ越し
転勤族の家庭に生まれた私は、子どものころからこれまでに多くの家に住んできました。数えてみたらなんと16軒! 当然、家が変われば収納も変わるわけですから、その度に出したり入れたりを繰り返し、いつの間にか私の収納力は鍛えられてきました。ところが、そのせいで引っ越し屋さんを困らせたことがあります。
子ども時代の転勤は急に知らされましたし、大人になってからの引っ越しも、仕事をしていたり子どもの世話をしながらだったりで、引っ越しまでに時間のゆとりはあまりありませんでした。
「これを機に減らしてから行こう」と思いつつ、以前の私は前述したNG行為①をしていましたので、たいして減りませんでした。そのうち気がつけば引っ越しの日が迫り、「とりあえず」とどんどん段ボールに詰め込んでみたものの、見積もりの際にもってきてもらった段ボールでは足りず、追加することもしば。いよいよ引っ越し当日を迎え、トラックに積みながら、途中で業者さんから困った様子で聞かれました。
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「お客さん、荷物増えました?」「いいえ、すべてなかに入っていたモノですよ」「そうですか……、トラックに入りきれないのですが、きょうは大きいトラックがすべて出てしまっているようなんです。2往復していいですか?」
幸い後ろにお客さんが入っていなかったこと、同じ区内での移動だったことで、その日のうちにおわりましたが、おわるころにはすっかり日が暮れていました。見積もりが甘かったとして追加料金も発生しませんでしたが「いや〜、お客さん、見た目以上にモノありましたね。参りました。どこにしまっていたのか不思議です」と苦笑いをされてしまいました。
【コラム②】10万円の靴と1万円の靴、どちらが安い?
手放せないモノのなかで多くの人が悩むのが「高かったモノ」。取捨選択をしているときに出くわし、手放すかどうか躊躇する高かったモノは、たいていの場合、最近使っていないモノだと思います。
そのときちょっと考えてもらいたいのが、その「高かったモノ」は置いておけば安くなるか? ということです。もし手放すときに売る場合は、よほどのモノでない限り確実に安くなります。ここでの「安くなる」とは、「あなたにとって」です。つまり、いつまで置いておけば元が取れるか、ということです。
たとえば10万円で買った靴があるとしましょう。一度も履かないまま所有しているだけでは、あなたのなかでは10万円のままではないか? ということです。私は十数年前から「クリスチャンルブタン」というフランスのメーカーの靴を愛用しています。私にとって買うときは決して安いお値段ではないのですが、甲の薄い私の足に合うことや、惚れ惚れする美しいフォルム、ファッション全体がキマることに惹かれ、以来虜です。そそっかしいのでヒールが溝にハマったり、長年愛用していると中敷が汚れたりするので、メンテナンスをしながら初代のモノは10年以上愛用しています。つまり10万円の靴も10年履けば1年で1万円です。さらに月に換算すると……もうおわかりでしょう。これまで靴ジプシーだったころは、店頭で見てちょっと試して買った1万円台の靴を、ほとんど履かずに手放したこともあります。
モノの値段は買ったあとに何回使うか次第で決まります。本当に好きか、使う自信があるかを考えて迎え入れましょう。
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【コラム③】デジタル化が進んでも
近年デジタル化が進み、これまで形あるモノとして場所を取っていたモノが少なくなってきています。とくに紙類は減ってきつつあります。送られてくるカタログや請求書はウェブへ、メンバーズカードはアプリへ、景品・プレゼントは割引クーポンやポイント進呈などへ、なんでもスマホひとつでできる時代です。
先日は名刺をデジタルでいただきましたし、資料はクラウドで共有、捺印は電子、仕事でもパソコン内でのやり取りが多くなっています。とても便利な世の中ですが、昭和育ちのアナログな私はそのスピードについていくのに、やや息切れ気味です。
ダウンロードや登録は手軽ですが、その分その後の整理や管理をしっかりしておかないと、あっという間に増えてしまいます。メールひとつとっても、一度買っただけのショップからの案内やプロモーションなど、毎日意図せぬメールがどんどん届きます。紙に比べ場所を取らないので、うっかりしていると大量に溜まってしまうのです。届かないようにするにも、登録の手軽さのわりに解約や配信停止はわかりにくくなっていたりするので、減らすのが追いつきません。また、形が見えなかったり、似たような見た目だったりで迷子になりやすく探しにくいのです。
お店でも「どんな色のアプリでしたっけ?」と聞くことはしばしばですし、クラウドのシステムがわかっていないために、書類が入れたはずのところになかったりします。しかも名前を覚えていないと検索もできません。スマホのなかでも、クラウド上でも、容量は使っているわけですから、整理しなければいつかストレージがいっぱいになってしまいます。どこのフォルダにどんな名前で入れるか、時代が変わってもやはり取捨選択と整理は必要なのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1728462564-hAKTc5lWRpSdQgGqX2DjMzVx.jpg)
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第1章はここまで!
続きを読みたい方は、各電子ストアにて10月9日より随時発売になります。ぜひお買い求めください。
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書籍『人生が輝く!片づけストレスからの解放 暮らしにゆとりが生まれる質問メソッド50』
■ペーパーバック版(紙)
■Kindle版(電子書籍)
■書籍情報
“元捨てられない主婦”が、リバウンドしない方法で
あなたの片づけストレスを解放します。
本書は、片づけなきゃと思いつつ、日々の暮らしに追われ重い腰が上がらない人が無理なく片づけられる方法をお伝えしています。
こんな片づけストレス抱えていませんか?
・仕事と家事で毎日くたくた。日々の暮らしに追われて片づける余力がない。
・いざやろうとして情報を集めてみるも、理想と現実のギャップにため息をつきやる気が出ない。
・どうにかやる気を出して手をつけてみてもすぐに元どおり、もう嫌!
そんな皆様に、私がこれまで、捨てるのが苦手なクライアントさんに投げかけてきた、効果てきめんな取捨選択の方法を紹介。
質問を投げかけながら行なう方法は、自らが自然に気づき無理なく取捨選択の力がつくためリバウンドしにくいのです。そこをクリアすれば片づけは意外と簡単!
また、私自身が片づけにより人生を取り戻した経験と、整理収納の現場で触れてきた数々の多様な価値観、クライアントさんの変化を踏まえて、現実的に取り入れやすいポイントもお伝えしています。
ぜひ本書からヒントを見つけていただき、ぜひ自問自答しながら、あなたにとっての答えを見つけてみてください。片づけは誰にでもできること、少しずつでもやれば必ず変わること、このようにハードルを低くしてはじめてみましょう。
読みおわるときには片づけに対するイメージがプラスに変わり、早速片づけたくなっていただけるとうれしいです。
片づけストレスを解放し、時間と心のゆとりを手に入れ、あなたが輝く暮らしを手に入れられますように。
【目次】
第1章 片づけストレスの原因って?
第2章 片づけストレスから解放するスイッチを押そう
第3章 片づけの最初の一歩は「選ぶ」からはじめる 〜選ぶ力は一生もの〜
第4章 リバウンドしない収納にはワケがある
第5章 キレイをキープして理想の暮らしへ
■著者プロフィール
田中綾子
国内外の大手化粧品会社に15年間勤務後、仕事と家事の両立に 悩み自分を見失いかけたことをきっかけに整理収納を学ぶ。家を整え 再び自分を取り戻したことから、整理収納サービス「Radiant room」を立ち上げる。これまで百貨店にて述べ7 万人以上の人の悩みに寄り添ってきた経験から「使っている、いない」だけではなく、使う人にフォーカスしたアドバイスと「似合う」を取り入れるアドバイスが好評で、「手放す、入れる」が分かり片付けが楽しくなると評判に。
自身が“元捨てられない主婦”であったことから、使う人の価値観に寄り添い、質問を投げかけながら行なう、「伴走型」の片づけ法は、自らの取捨選択力がつきリバウンドしないと口コミで広がる。新規顧客の90%は紹介によるもの。個別コンサルティングのほか、メディア出演、企業セミナーなどで「住む人が輝く片付け術」を提唱している。
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