バクラク事業部の事業開発部「羅針盤」
どうも、すべての経済活動を、デジタル化したい後神(@gokan_yu)です。
LayerXでは2020年から「羅針盤」という新しい文化があります。
LayerX羅針盤とは
事業開発部でもメンバーが増えてきたこともあり事業開発部の「羅針盤」をチームメンバーと話して作成しました。
今後、チームメンバーが増加していく中で目線を合わせるためのものとして使っていきたいと思っています。
それでは事業開発部の「羅針盤」について記載させていただきます。
1.実行と戦略を分けない
ーー戦略立案と実行を分けない。これはなぜですか?
バクラクの事業開発では、上の図でいうフェーズ0〜2のプロジェクトを手掛けることがほとんどです。我々は自身で戦略を立て、やり切ることまでコミットする必要があります。
ーーこれにはどのような利点がありますか?
実行までに責任を持ち、お客様のニーズ探索にディープダイブすることで、手触り感を持って事業づくり・プロダクトづくりができます。
当然、将来的にフェーズ3・4のプロジェクトに関わることも増えていくとは思いますが、フェーズ0・1を立ち上げていくことが主体です。
そのため、「戦略と実行を分けない」ことにやりがいを感じる人が集まる部署になっています。
2.顕在ファクトで決めず、潜在ニーズを探索する
ーーなぜ潜在ニーズの探索に重点を置くのですか?
LayerX羅針盤に、「裏のニーズを探る」というものがあります。
事業開発においてもファクトだけでなく、「本質的な課題は何か」を問い探索し続け、それを解決するプロダクトをつくることを目指しています。
ーー具体的な方法はありますか?
これはシンプルで、顧客インタビューや市場分析を通じて、お客様の真の課題を発見し、それをプロダクトにに反映させることです。
顧客インタビューや商談同席を繰り返し、仮説を立てていきます。
代表の福島自身も言っていることであり、全社のカルチャーとも言えます。
3.短期利益を追求せず、中長期にフォーカスする
ーー中長期的な視点にフォーカスすることの重要性は?
短期的な利益追求・リスク対応は他部署が担っていることが多いです。事業開発としては、「競合にやられて嫌なことを先にやる」「数年先を見据えた仕込み」などに重きを置くようにしています。
ーーそのために具体的にどのような戦略を取っていますか?
過去に行ったこととしては、
エンプラ企業向けの営業チーム組成プロジェクト(その後、部署として独立)
エリア拡大プロジェクト(福岡、大阪、名古屋支社を設立し各エリアでの展開を拡大中)
パートナーアライアンスプロジェクト(その後、チームとして独立)
などがあります。中長期的な視点という意味では、「TheModel型組織の外に目を向ける」というのもひとつです。
4.上手くいったら権限委譲する
ーープロジェクト成功後の権限委譲の重要性について教えてください。
プロジェクト開始時に成果点を決めておき、成果点をクリアしたら権限委譲し、新たなイシューに移ります。これにより、組織全体の成長と革新を促進します。
LayerX羅針盤に、「信じて任せる」という内容があります。
まず自身の強みを活かし、他プロジェクト・他部署に実装できるくらいの「型」をつくる。そして他のメンバーに「信じて任せる」。そうして事業をスケールさせていきます。
また、信じて任せられる人を増やすためにも、我々よりも優秀な人にjoinいただく必要があると考えています。
ーー委譲の事例を教えていただけますか
新規プロダクトを立ち上げるプロジェクトでビジネス側(事業責任者)とプロダクト開発(PdM)を兼務しつつ探索するフェーズのミッションをもっていたメンバーがいました。
特定ターゲットでPMF先を見つけて、組織を大きくするタイミングを作れた際に、どちらの業務もそれぞれ既存のメンバーに渡していくシーンがまさに具体例です。
新規プロダクトのPMFや既存プロダクトの次のPMFを事業開発が担当することでしっかり既存組織に渡していくことのほうが事業を伸ばすのに最適なケースも多いです。
5.守りだけの意思決定はしない
ーー「守りだけの意思決定はしない」の真意を教えていただけますか
事業開発では、事業計画からさらに飛躍することはできないか?を考えています。
事業計画はもちろん高いものを掲げていますが、沿いすぎると「それなりの成長」になってしまいます。達成は当然として、そこから更に飛躍したい。非連続成長を作れたほうが面白い!と考える人が集まっています。
6.リソースを言い訳にしない
ーーリソースの制限がある中で、どのようにして挑戦を続けていますか?
*ここでいうリソースは人に絞っています。
成長しているスタートアップにおいて、リソースが満足するほどあるということはないと思っています。限られたリソースの中で、優先順位をつけ最大限の成果を出すために、工夫と効率化を常に追求しています。
ビジネスにおいて「リソースを追加すれば伸びる」状態はひとつの理想だと思っています。その状態を創るのが事業開発の一つの役目だと思っています。
7.定量と定性、合理と直感のバランスを追求する
ーー合理性と直感のバランスをどのように取っていますか?
データと実績に基づく分析と共に、お客様の声を通じた市場の変化や隣接領域の事業を理解することで先読みする直感も重視しています。この両輪で判断をするようにしています。
8.howを限定しない
ーーこれはどのような意味ですか?
ひとつの方法や、自身の成功体験だけに固執するのではなく、常に最良の解決策を模索することです。創造性と柔軟性が、進化し続けるバクラク事業開発の鍵です。
ーーそれによってどのような成果がありましたか?
直近では、インボイス制度にまつわるプロジェクトで「howを限定しない」が活かされていました。今まで、事業開発はPRとの連携をあまりしていませんでした。プロジェクトオーナーが主体となりPR部署との連携を強め、マスへの露出を目指した施策を続けた結果、TVや新聞での取り扱いが発生し、社内外にモメンタムを形成することができました。
これは、従来のやり方や各人の専門領域にこだわっていたら達成し得なかったでことしょう。
9.徳が低いことはしない
ーー「徳が低いこと」とは具体的にどのような行為を指しますか?
短期的な成功を求めて不誠実な行動をとることです。我々は常に長期的な信頼と社会的責任を重んじ、正直さを貫いています。
「徳が低い状態」の例:
社会や顧客の長期発展よりも、売上が大事
危機感を煽るようなコミュニケーション
LayerXの行動指針にも「徳」というものがあり、メンバーの共通言語となっています。
10.固執せず、変化を許容する
ーー事業開発において、変化を許容することの意味は何ですか?
市場や技術の進化に柔軟に対応し、最適な道を追求する姿勢が重要です。過去の成功に固執せず、常に進化し続ける必要があります。
ーー変化を許容することに関して、具体的にどんな特徴がありますか? ChatGPTなどの新しい技術やツールに早くトライすることを推奨しています。年齢関係なく、お互いのバックグラウンドや成功体験をリスペクトし積極的に取り入れるカルチャーもあります。
11.担当領域に閉じない
ーーこれはどんな状態ですか?
「自分のプロジェクトを止めて、他のプロジェクトを優先した方が会社全体として顧客に価値を最大化できる」という判断ができるくらい、他プロジェクト・他部署を俯瞰して見れている状態が理想です。
事業ポートフォリオ・施策ポートフォリオを俯瞰し、全体最適で判断できるような、いわゆる経営者視点を持っている人が集まる事業開発組織でありたいと思っています。
12.他組織への協力と尊重を重視する
ーー他組織との協力が事業開発においてなぜ重要なのですか?
異なる専門性を持つ組織と協力することで、より幅広い視野と知識を事業開発に取り入れることができます。これが革新的なアイデアを生む土壌となります。
ーーその協力体制を作る上での課題は?
部署・チーム・個人OKR(Q・半期目標)で目標設定をしています。どのような目標になっているのか?を理解することが重要になります。事業開発として目指したい目標と歪みが発生することも多いので理解した上でコミュニケーション取ることが求められます。お互い快適に目標に向き合えるように調整をすることも重要です。
最後に
これから事業成長していく中で、事業開発部の「羅針盤」も進化させていただければと思っています。
事業成長と事業開発部の「羅針盤」も進化を一緒に推進してくれる方を募集してますので、少しでも気になった方は下記よりお気軽にご連絡ください。
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