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徒然なる僕。
2019年9月26日 19:37
ベルトコンベア、こんべあんべあがたがた、ここは工場じょう情状酌量つぎから次へとものが流れる、はい、次、はいつぎ、這い這い、はいつぎぃ次、つぎ継ぎつぎつぎはぎだらけどいつもこいつも、なんなのよあなたは素敵な人だけれど、どれ裏を返してみましょ真正面あらあら、なんだ、ただの塵じゃないはい、ごみ、ゴミ、護民官、醍醐味ねえわたしとことりとりとすずしいねみんなち
2019年9月25日 16:47
※ボツ作品です。最近駄目なものばっかなので、取り敢えず出してみよう、と思った。春は佐保、秋は竜田ぞろぞろあまたのお人折々織り織り、からくれないない暑きが過ぎ、佐向のまだ来ざる時なり。おい、きいたか、あっちのね、西の山、ついに出やがった出たって、一体何がでたのさ見りゃわかる、行ってみやがれねえあんた、出たってねそうよ、あたしなんか、手握ってもらいました。
2019年9月23日 16:10
あら、きれいなおもちゃねえいやだわ、なんて失礼な、あたしゃにんげんよ、あなたこそ、なんて形をしているの、玩具ね見にくい、醜い、見にくい区域、悔い改めて、このブリキめあなたばかなの、あたしこそ、玩具なんかじゃあありませんブリキなんかついていりゃしませんついているのは血と骨と肉じゃあないの。それがブリキだっつってんのよあなたのめは節穴?不幸せねえおもちゃ
2019年9月21日 20:27
おまわりさん、おまわりさん、御廻離散なぜ、なぜ、わたしなの、信濃のわたしわたしはふびんなおんなです、わたしはかれをあいしているのですだれもわたしをあいしてはくれませんおそらくかれもわたしをあいしているのですぜったいに愛して、愛が、わたしとあなたをむすびつけたのよねえなのにおまわりさん、すとおかあって、そりゃないわ粗野ないわ、粗野ね。粗野な仕事ね。けい
2019年9月20日 20:12
あらあら木賊色きれいだわあ、むかしのあたしこのころはね、なんというんですかなんでもかんでも、まあ、とにかくやっていけそうな気がしたのそれは今もそうだわそうなんですけれどもかまど、氷冷蔵庫、ちくおんき、ら字ラジオ夢のようね、畝うねりうねり、うねって、玉の音、玉の音、まけちまった。なによもう今はね、あたしパンパンやってんのお米のために尽くしているのよ
2019年9月19日 19:21
おっといけねえ、落っこちまうところだったらあげはげはげははにいやん、落ちちゃあいけねえが落ち着かなくっちゃいけねえ今宵、山谷船、最終便。よしわらに。あらあら、あしわら。おきゃくさん、もう立っちゃあいやだなほいで、落ちちまって溺れ出しちゃあせきにんはおれがとんなきゃなんねえ船、低し低し、引くし、弾くし、弦の音。べんべけべんべんべけべん絢爛豪華、百花繚乱
2019年9月14日 17:58
うつらうつらする。名月はもやわたしはぼんやりと横に空気の流るる音を聴く音の流るるはもやの中にあるから、うつらうつらする。あなたのかおあなたのてあなたのこえ もう、うつらうつらする。さいごのあなた月見だんごのようにつめたくてやわらかくてあまいあまいゆめをわたしにみせてああ、うつらうつらする。なみだはおちないもやになって月をかくすのうつし
2019年9月13日 11:54
歯がいたい。あまくてあまいきゃんでー。はがゆい。あの子のてをぎゅっとにぎりしめたい。はがきが来る。ばいばい、もう会えないの。涙は流れ。剥がしてしまえ。なにもかもぜんぶ。肉も骨も魂も。破顔。きれいなかお。葉隠ぶぶぶしどうはしぬこととみつけたり あああ
2019年9月11日 22:55
ぴちゃんぴちゃんと誰かが水たまりに足を跳ねる。にわか雨、細い雨、小さい雨、弱い雨。赤んぼようないじらしい雨がほんのちょっとだけ降ったゆうぐれ。たいようはもうしずんだ。山にはあんずの夕日の名残だけ。そのまま上に首を動かすと、だんだん青く、深く、そして広がる群青光るほし。どこかでひぐらしの声が聞こえる帰り道。ぴちゃん、ぴちゃんかなかな、かなかな、かなかな。
2019年9月8日 19:08
ある夜の事だった。俺は山にいた。山は杉山だった。俺は高く聳える杉を仰ぎ見ながら低い声で唸った。それから上着の両襟を寄せて肩を窄め縮こまり溜息ついた。吐かれた息は生温く白かった。俺の足元には女が転がっている。俺が女の肩甲骨あたりを軽く蹴ると女は俺を見て顔をしかめた。しかめっ面の女の顔は醜い。醜い女はしかめっ面をやめてにっと歯を出して細く微笑んだ。と
2019年9月7日 18:28
いつのことだったかはもうわからない。 その夜は十三夜だった。月がとっても明るくて、光の行き届かないところなどないというくらい、あたりは一面青く、透明な夜だった。不思議なことに、いつも合唱しているようにうるさい虫の声が、どこからも聞こえなった。 家の人がみんな寝た夜更け、閑々とした縁側にわたしと姉だけが座っていた。横から見た姉の顔は、月の光を吸収したみたいに美しく照り映えていて、耳にかけた