徒然なる僕。

書きたいものを書く練習から。 なるべくつれづれに。 文章を書く練習をしています。

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マガジン

最近の記事

おれ、ぼく、あたし

ながくなったのでまとめてみた。 停滞期11月から年末にかけて、だいぶ失速停滞して、新年の迎えかたとしては過去最悪だったかなあと思う。 noteにて自分の好きなように書くことも、他のクリエイターさんのものを読むこともままならない、大学もぜえんぶ欠席、SNSも遮断して、家で殻に閉じ籠もっていた。 というのも、自分を支えていた軸のようなものがズタボロになって、自己というものを上手く認識できなくなっていたのだった。自己概念の倒錯といってもよいかもしれない。これは頻繁に起こることで

    • 夜想曲

      照射台に打ち鳴らした冷や水 冷水の温度はうらほのぼのとして 自己の大した犠牲も差し出すことも出来まい 照射台には孤高のガンナーが 野草の茂みで俯く猫を射殺そうとしている 照準を合わせ、留め金を引いて、 ぶるぶると、凍り付くように震える 時を遅らすほどの寒気が背筋を撫で 垂れ落ちる汗はアメジスト 歪曲した自愛を愛し憎み愛し哀悼歌を添える 指先の哀訴、弾丸のささやかな衝撃 たったひとりの、 ひとりのための夜想曲

      • 隠微じぶる

        ある日ふと、死んでしまうんじゃないかと強烈に思った。それは特別な事などなにもないケの日で、僕は例の如く通勤電車に乗り遅れ、後続の電車を待つステエションのホームに立っていた。飛び交う電子音、高架下をごおと通る車の音、足を交差させて歩くハイヒールのカツカツ音、実に様々な音が狂喜乱舞して聞こえていた。遠目には、朝焼けを側面に受け広げた巨大なビル群、その隙間にどおんと太鼓を打ち鳴らすような、富士山。マウント・フジ。曙光を器用にあしらって山の頂に敷かれた白雪が美しく煌めいている。何百キ

        • メタセコイアの木の下でぼおっとして、雑記。

          どうしても、大学に行けません なにをしても駄目 ぼくにできることったらありゃしないんじゃないか チョコドーナツみたいな友人 錆びたブランコみたいな行き帰り 相変わらず、電車は鮨詰め 醤油がないよ、わさびもねえ おあいそ、おあいそ! ぼくは割れ物じゃあないんだが 納豆はおいしいよ、知ってる ぼくは好きだけどね、納豆。 今ねえ、公園のベンチ。 メタセコイアの木が揺れているんです 暮れ染み込んだ沼海と、剥け落ちた空の隙間に見えるメタセコイア 悠々と遠景の風を集めて ともしびの凝

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        • 短いもの
          29本
        • つれづれ
          8本
        • 全天88星シリーズ
          1本

        記事

          暗夜彷徨、公園のベンチにて

          ああ、全くだめだね 最近のぼくは 頭がはたらかないね 嫌になるね ぼくはねえ 助けなんかいらないよ 慰みもいらないさ ただおっ死んじまうほど寒いのよ 寒くて冷たくて凍っちまうわ あまりに気温が下がって 川が氷だよ 水面にゃあ銀色の龍だっていた あの川がね、凍っちゃったよ 氷上でアクセル 鍵盤叩いて弾きはじいて かじかんだ指に鉄芯が そんなんで奏でる音楽 あなた知ってて? ちんけな公園の 粒石の如きあたし 朽葉にまみれてしまって 野良猫なんかがかっさらう 自己の内面的嫌

          暗夜彷徨、公園のベンチにて

          夜風にあたって、缶珈琲をにぎって。

          投稿をサボっている。 何故か知らんが本をめくる手が止まらない。 読みまくっている。 一応、生存している。 まあ誰も気に留めていないだろうけれど。 大学に行く気が起こらなくなった。 人が、鬱陶しい。 誰も来るな。 ぎらぎら目、自尊心、不安、嘆息 みんな去って、 去ると寂しくなった。 今日は大学に行った。 教室に入って、即刻帰りたくなった。 なにしろ人が多すぎる。 どうしたって、みんなよってたかって。 帰ろっと。 新宿の人集りが、 今日ほど鬱陶しかったことは かつてあっ

          夜風にあたって、缶珈琲をにぎって。

          ゴオスト

          女はちょっぴりゴオストだと言う たしかにこれはゴオストだな 鋭利な刃物を向けると 泣くんだものな 無くんだものなあ 切っ先からね、白よ白、 現実が幽玄と化して 幽玄が現実を貸して 黎明、薄暮、常闇、りさいくる りさいくる、罹災くる? 罹災は来たのでしょうか? たまゆら、たゆたう、たましい 寝入りましょう なにもかも 羽毛布団に押し込んで、 ちょびっと精子と卵子を添えて 額に付箋を貼れば、メモメモ目守、 わたしのメモリーはどこでしょう 月はクレエタアがぼっちり うさぎは?かぐや

          ベランダにて

          強く生きようなんて どうしてそんな嘘をつくんでしょう 痣が、あざやか うつくしゅうかぎりです 本日は晴天ですが わたしも晴天なんですよ カラッとして 風なんか吹いてしまって 洗濯物の乾きがいいわ 涙も乾いちまった すぐ取り込んでしまいます 布団に可愛い蚊が、 ぼちんとたたき殺し 許してね とても良い気分なの ぜえんぶ取り込むと、重くて 気持ち悪いから 吐きました 銀色の吐瀉物 スプーンとフォークで いただきます あなたは僕がやるよと言うけれど なにをやるの? あなたはまたなに

          ベランダにて

          死について

          死について 考えなさいと言うから 考えてみました 花があって 蕊の先を雫がつたって ぽとり地面に落ちます 伽藍の中で ぱちぱちと炭火が 音を立てながら赤いです 冷たい氷に 囲まれた石塔 端っこの石ころを崩すと 石塔の頂まで倒れてしまって 寒いんです あなたが死について 考えなさいと言うから 考えてみました 朱肉のワイン コルクを積んだ荷馬車に 群がる小蝿の羽音はうるさい 銭湯の 桶に沈んだ 黒黴のにおいはくさい 誰かが残した 踏み残した 寂しい轍 それをまた 踏

          しろがねとくうはく

          雪が しんしんと 降っております 雪が こんこんと 積もっております 雪が ぱらぱらと 舞っております 雪は 白銀の岩肌に 染み込みます 雪は ぽおっと咲いて すうっと散ります 雪は 底しれぬ空漠に 空白を打っています 空白に満ちた 白座敷には やはり雪が降っています

          しろがねとくうはく

          場違いな駅のホームで、むかしのことに思いを馳せている

          殊更することもない暇な時間、駅のホームに立ち尽くし、ありもしないことに延々と思案を巡らせていると、いつの間にか額は窓にぴたとくっつき定期的に吐かれる息に白む外界の景色が、たったいま思案を巡らせていたあれこれの様相に変貌して、ああ彼女がいるではないか、とぼやいてみても、烏は鳴くし虫は飛ぶし風は運ぶのだが、彼女だけはいつまで経っても現れぬ、絶望的な程に穏やかな田園風景には案山子が一つ、自らの責務も忘れ打ち払われた木立の隙間で思わず微笑に皺を寄せる、横直線に開いた木棒の先端の指先に

          場違いな駅のホームで、むかしのことに思いを馳せている

          おだやかな沼にて恋心を抱いているのですから

          もう仕方がないことは仕方がないのだから 土がぜぇんぶめくりあげられて 沼川がどっと流れ流れて 地球はくるまりました。 地球は沼になりました。 地球の大半は淡水になりました。 かつての大都市は水面下。 自由の女神はクマノミのイソギンチャク サクラダファミリアはクラゲのファミリイが 東京タワーはもうてんでばらばら鯉のエサ 人はプランクトン、 もしくは藻屑になりまして カモがしあわせになりました カモの兄妹はお互いの体をあたためながら、 ママが帰るのを待ちました。 オレンジの木の実

          おだやかな沼にて恋心を抱いているのですから

          書きたいことは、それを書かないという手段によっても表現されうるなと。 1つの言葉に、恍惚とアイロニーみたいなものを同時に感じながら、しかしそれでも、その言葉に賭けてみる。ものすごく不安で怖いけれども、僕は確かに一歩踏み出しているような気がする。

          書きたいことは、それを書かないという手段によっても表現されうるなと。 1つの言葉に、恍惚とアイロニーみたいなものを同時に感じながら、しかしそれでも、その言葉に賭けてみる。ものすごく不安で怖いけれども、僕は確かに一歩踏み出しているような気がする。

          彼はうつろう季節の中で

          彼はひどく咳き込んで 正体なんてものを火に焼べちまって 黒々とした 灰となった骨を拾い集める 彼はひどい薄情もんで 舐めた飴を手のひらに出しちまって それから僕をちらとみてまた口に含む 彼はうらぶれた廃屋を見ては 住処だすみかとひとりごちて 朽ちてしまった板戸を軽く蹴り飛ばす 彼は胡乱な叫びをあげる 酒瓶で僕を殴って 破片がとてもきれいだと震える 彼は木の葉の敷き道を歩きながら しきりに緑の葉を探していやがる あたりには黄や赤しかないから 緑なんてものはもう移ろっちま

          彼はうつろう季節の中で

          女天狗

          まあこれは、話さなくともよいことかもしれないけれど。 実は、森の中には木陰の隙間にのぞく月明かりの差す、野原が存在するのであります。 “存在”という言葉は、話し手である私のがらんどうの語彙容器から無闇に取り出したものであります。ですから、ここでは“存在”という言葉になんらかの思案を巡らすことは致しませぬし、聞き手様の方でも差し控えてくださいませ。私の使った“存在”という言葉はそれはもうまったく一般の意味でありまして、浅瀬に打ち上げられた小さな貝殻のようでありますので、どうぞ

          孤燈一穂

          月をばらばらにした破片が 突きささる月刺さり 尽き笹る 小暗い森林には孤燈一穂の破片が 苔むした岩に差し込まれて 橙黒く 傍らでねむるこぎつね 小さな灯りは穂波のように末広がり 葉末を揺らしてしまう 小さな灯りはどこまでも内に向かって 灯りは明かりに逆らうように どこまでも小暗く光るのである 傍らでねむるこぎつねは うずくまり小刻みに震えて 黒く落とした陰影の中で 明かりを恐れている こぎつねは灯りの下で 混色した微熱の吐息をもらしながら