世界の祝日パン〜パンは国境を越える
三度の飯よりパンが好き。
ロシアでは、パンケーキウィークが始まりました。
世界中には様々な祝日がありますが、国や宗教によって表現の仕方に違いがあれど、その日を祝い、共に喜ぶことは同じだと思います。
そして、祝日には欠かせない食事があります。
食文化は、国という枠を越え、それぞれの土地で自然と共に生きてきた人々によって築き上げられてきました。
パンを味わって、国境を越えていくお話。
ロシア Блины(ブリヌイ)
種類★★★★★
食べ応え★★★★
もちもち★★★
食事として★★★★★
今週は、ロシアではМасленица (マースレニツァ)と呼ばれる、パンケーキウィークです。
バターウィークとも呼ばれていて、この週には、クレープのようなパンケーキを食べます。
丸いパンケーキは「太陽」を表しています。
パンケーキで作った太陽を食べて、春が来たことをみんなでお祝いするなんて、とっても素敵ですよね。
エストニアにはたくさんのロシア人が住んでいて、歴史的にも深い関わりがあったこともあり、食文化も影響されています。
みんな大好きサワークリームのソースを添えたり、甘いものだけでなく、コッテージチーズや野菜、ベーコンなどの肉類やキャビアや魚が入ったものまであったりなどバラエティが豊かです。
エストニアでもたくさんのパンケーキ屋さんがあったり、スーパーマーケットで手軽に買うことができますが、パンケーキを食べる食文化はロシアからやって来たそうです。
生地には、小麦粉以外にもそば粉や米粉を使われることもあります。
卵やヨーグルト、発酵された生地を使用しているものもあり、もっちもちです。
具材が巻き込まれている形のものもあり、サンドイッチのように手軽に食べられるパンケーキが存在するということは、普段からよく食べられているということが分かります。
パンケーキといえば、甘くておやつのイメージですが、チーズやお肉、魚などを具材にしたものは、食事として食べられることが多いです。
私たちがイメージしているパンケーキの可愛いサイズ感とは、かけ離れた大きさが目の前にやって来るので、パンケーキは別腹だと思っている人は要注意。
エストニア Vastlakukkel(セムラ)
期間限定★★★★★
甘さ★★★
ローカル味★★★
写真映え★★★
私の大好きセムラは、こちらで何度も紹介させていただいています!
イースターの日に向けて食べられる、キリスト教の地域の伝統お菓子です。
イースターの日から数えて40日前の2月頃から、エストニアのカフェやベーカリー、スーパーマーケットにたくさん並びます。
イーストを使用して作られたパン生地に、ホイップクリームやベリージャムが挟まれた、パン生地のシュークリームのようなお菓子です。
形はさほど変わりませんが、それぞれの地域でフィリングやトッピング、食べ方などが違って、セムラにはたくさんの種類があります。
エストニアでは、ベリージャムやマジパンが入ったものや、チョコレートがトッピングされたものが食べられます。
何と!!
エストニアで1番美味しい(と私が思っている)ベーカリーで見つけた、2週間だけ限定販売されるセムラ。
ということは、エストニアで1番美味しい(と私が思う)セムラに違いありません。
カルダモンが香るパン生地に、クリームチーズクリーム、ルバーブジャム、マジパンがたっぷりと入っています。
溢れんばかりのクリームが、甘すぎず、全く重さを感じないばかりか、レモンの爽やかなフレーバーに食欲が更に加速してしまいます。
なぜ私がこの断面に絶したのかというと、、、
このクリームの量の違いよ!!!
スーパーマーケットで売られているものは、クリームがパンの大きさに比べると少し悲しい量になっています。
約1ヶ月程の期間内でしか販売されないので、出会うことができたあなたはラッキーです。
ドイツ シュトレン
期間限定★★★★
日持ち★★★★★
食べ応え★★★
個性豊か★★★
シュトレンとは、イーストを使用したパン生地に、レーズンやナッツ、オレンジピールが練り込まれたケーキです。
焼き上げた後、粉糖をまぶして真っ白にします。
その形は、赤ちゃんのイエスがおくるみに包まれている様子と言われている。
ドイツでは、クリスマスを待つ4週間の期間に、薄くスライスしたシュトレンを毎日食べて、クリスマスを迎えるそうです。
賞味期限が長く作られているものが多いというのが、このパンとしての特徴です。
生地に練り込まれたフルーツの風味が、時間の経過とともに生地へ移っていき、どんどん美味しくなっていく味わいを楽しめるなんて、ステキな時間の過ごし方だと思いませんか?
日本でも12月に入ると、シュトレンがベーカリーで売られるようになります。
そのもっと前から、人氣のベーカリーはシュトレンの予約を始めていたり、すぐに売り切れてしまったりと、シュトレン文化が日本でも楽しまれているようです。
街中でシュトレンを見つけてしまったら、クリスマス氣分が上がってしまいますよね。
私は12月に入ると、シュトレンを毎朝1枚ずつ食べて、クリスマスの当日よりも、それまでの期間を味わっていました。
期間限定。
天然酵母生地だったり、自家製のドライフルーツやシロップ漬けが入っていたりと、シュトレンの種類はベーカリーによって千差万別。
保存期間が長いということもあり、地方のベーカリーからお取り寄せができるというのも魅力的です。
約1ヶ月の期間中に、基本的にずっしり大きいシュトレンをいくつも食べることは困難極まりないことです。
ですから、「今年食べるシュトレンを、秋頃から厳選するところから楽しむ」ということをお勧めします。
シュトレンがお勧めのベーカリー
サ・マーシュ(Ca marche) 兵庫県
ここのパンは、欲しいパンを指差して店員さんに伝えて、取ってもらうヨーロッパタイプのお店。
シュトレンはおそらく、その年によって変わるかもしれません。
私が食べたのは、大きなマロンが入っていました。
カタネベーカリー 東京都
こちらも東京では知る人ぞ知るパン屋さん。
小さな店内はとってもオシャレで、所狭しと可愛いパンが並んでいます。
店に入りきれないお客さんたちが、店の外でも並んでいる光景はいつものことです。
パンは国境を越える
世界の食文化について、noteでたくさんの記事を書いてきました。
知れば知るほど、世界中の人々は食を通じてみんな繋がっているということが見えてきます。
食文化には国境がなく、その土地の人々が知恵出し合い、手を取り合って築き上げてきた歴史そのものです。
美味しい食べ物は、人々を幸せにします。
みんなで囲む食卓なんて最高。
パンを味わい、私たちは国境を越えていく。
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