味噌屋が味噌の作り方を教えたら
お味噌屋さんは
本来、お味噌を売る
味噌屋がお味噌の作り方を教えたら
商売が成り立たない
だから普通は
お味噌をたくさん売ることを考える
どのようにしてお味噌を多く売るか
美味しく、なるべく安く
誰もが簡単に手に入るように
真似されたら困るから
レシピはもちろん企業秘密
シェアを奪い合い
他者を蹴落としてでも
自分と家族の生活を
守るために当たり前のこと
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南木曽ねこづくりワークショップを
開催するにあたって
パートナーと話し合った
・生地は着物と浴衣を使う
・参加者にはレシピを渡す
私の想いは
『日本の伝統と文化を未来へつなぐこと』
パートナーの想いは
『モノづくりの楽しさを広めること』
「服屋が服の作り方を教える」ようなもので
これでは商売が成り立たない
”ワークショップ”の魅力である
必要最低限の知識と実践スキルの提供
集中して取り組める時間と空間づくり
それに加え
着物のアップサイクル
モノを大切にする日本の文化
アフターケア(修繕)の方法
モノを生み育む喜び
参加してくれた人たちが
ワークショップ後の生活の中に
買わずにつくることを
捨てずに直すことを
選択肢のひとつとして
いつもそばに置いていてくれれば良い
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味噌屋が味噌の作り方を教えたら
山梨県甲府市の「五味醤油」
六代目 五味仁(ごみひとし)さんは
手前みそワークショップを
開催しまくっている味噌屋として
とても有名な方です
「味噌屋が味噌の作り方を教えて
商売成り立つの?」
お味噌を自分で作ったら
たくさんお味噌を使うようになって
お味噌がよく売れたそうです
自分で作ったお味噌を
友達にあげたくなっちゃって
もらった友達は
自分でも作りたくなるんだって
そうなると
ワークショップが大繁盛
お味噌の材料も
たくさん売れちゃうものだから
お味噌づくりキットや
糀も売っちゃおうとか
味噌屋が味噌の作り方を教えたら
みんなハッピーだったってこと
『発酵人類文化学』小倉ヒラクさん より
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「本来」とか「普通」とか
結局どこにあったの?
当たり前だと思っていた
みんなが疑わずにしていることが
実はそんなもの
どこにもなかったら
私たちの祖先さまたちが
モノを大切にしてきたように
そんな世界になったら良いなって
「買って捨てる時代」から
「生み育む時代」へと
願う私にとっては
『”普通”なんてなかった』と
1秒後には思えるように