(連載54)目黒のインテリア・ショップ「カーフ」とリメイク・コラボ:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2007年
いきなりですが、自己紹介!
ってか、アンタ、ずっと初回から
コレしかやってないだろ〜?
( 、 、 、 )
えっと、 自己紹介、続けさせて頂きます。
私は北九州市の門司港というところで、「もはや戦後ではない」1950年代半ばに生まれたのであります!!!
、、、、、なので、おそらく皆様より、
かなり先輩というポジショニング!
と、なっております。 数字上では、、、、。苦笑
で、この私の人生で、、、ですね。
自分の「上司」というものが存在したのは、以下。
高校の時のアルバイト、小倉の魚町銀天街のうどん屋での2週間
おなじく、魚町銀天街の3畳くらいのブティックで5ヶ月
東京に引っ越してからのアパレルで、1年半
あとは、 ずっ〜〜と
上司のいない 自由業!
こう申しますと、ずいぶんと「お気楽人生」のように聞こえると思いますが、メンタルにおいても、また社会、経済面でも、アップダウンが半端なく、かなり大変ですので、人生の大先輩としては、人によってはお勧めしますが、人によってはお勧めしません。
自分としても、フリーランスを最初から目指したわけでもなく、気がついたらこうなってた、、、ってだけです。
今、振り返りますと、1980年の後半から、何がなんでも、自分はアーティストだという、ホコリ(漢字は 「埃」ではなく、「誇り」) だけで なんとか、無理やり、自分を奮い立たせ、
結婚してアメリカに住むようになってからも、資本主義社会のイチ構成員として、ずっ〜と便利屋稼業(=バイト)を続け、それも2007年の時点では、すでに15年以上になっていて、、本人が望まなくても、その道のベテランの域になっていたというわけなんです。汗
しかしながら〜、それと並行して2001年くらいから、なだらかな変化が起きはじめ、古着をリメイク、作り直したら評判がよく、やり続けていたら、だんだんとマネタイズができるようになってきた。連載46
それで。
2007年頃は、日常の生活もほぼ服のリメイクが仕事の中心になり、材料の古着を探して、ロサンゼルス近辺のフリマやスリフト・ストア(リサイクル・ショップみたいなものです=以下、スリフトと書きます)を、くまなく回るという時間が増えてゆきました。
ところで。
私が住んでいるアメリカのロサンゼルス、つまり LA(エル・エーと読みます。ラではありませんよ。苦笑)というところは、同じ人種や階層、テイストの人たちが一定の場所に固まって住んでいるところが多く、しかもそれぞれが、車社会のせいでしょうか? あまりニューヨークのように交わらないので、地域キャラが出来上がっているんです。
まさに、これこそが、LA のユニークなところ!
特に、当時はまだ、SNSよりも、リアルなご近所の繋がりの方が強く、その地域キャラがお店やレストラン、そしてスリフトやフリマに、直接反映されておりました。
また、今だと、フリマで何か見つけたら、とりあえず、ネット検索して、値段がだいたいこんなもんか。と簡単に調べる事ができますが、この頃は世間一般の平均的な価値や値段というものが、わかりにくく、特にキャラの違う地域に行くと、価値観が異なる。。。
モノの価値=値段もバラバラ。。。。
なので買い物の時は、自分の経験と直感のみがたよりでありました!!
今日は北に行ってみよう。とか、南に行ってみようと、ドライブしてて、町の雰囲気なんかで、ちょっと感じるものがあり、スリフトに行ってみたら。。。。大ハズレとか、大アタリとか。
なんか漁師みたいなかんじです。(漁業、やった事ないですが。汗)
海に出てみて、天候によって、魚がいたりいなかったり、このあたりがいいんじゃないかと思っても、当てが外れる事もあります。
GPSもなかったんで、アナログな地図をたよりに、いろいろな場所に行きました。この頃は、治安もイマイチでしたしね。気がついたら、結構ヤバいところまで来てて、慌ててUターンしたり。ほんと、シャツ1枚買うのも、命がけでしたよ。
で、この頃のファッションのトレンドなんですが、
服にジャラ〜とした、チェーンをつけるってのがありました。
なんでもいいから、ジャラジャラしてるもの。
探してたら写真が出てきたので、お見せします。この頃、リメイクしてた服、。。。こんなかんじです。
マイクロミニ。。。。
永遠のリベラルのシンボル、革ジャン!!プラスチェーン!
(グッチのポケットも ついでに!!笑)
これはウエストバッグです。
こんなかんじで、なんでもかんでも、こういうチェーンみたいなのをつけるというトレンド?がありまして。
ネックレスをベルトみたいにしたりとか、逆にチェーンのベルトをネックレスやブレスにリメイクしたりというのも、パーツを取り換えるだけなので、すぐできました。
これは、前にもお見せしたような気もしますが。
あまり布で、コサージュ。ブローチとイヤリングとネックレスを合体。
と、まあ、こんな具合いだったんで、
フリマにいっても、最初は洋服だけを見ておりましたが、ネックレスをはじめ、ジャラジャラしてるモノにも、自然に目がいくようになったんです。
つまり布じゃない、、、金属?系、、、
そして、ですね。
これがまた、
パンドラの箱を開けてしまう事になったのですよ。
見てるうちに、ネックレスだけじゃなくて、次第にナマの鎖とかチェーンとか、工業用のパーツなどにも手を出すようになった。
そして、スリフトだとこういう部品だけというのは、あまりないので、だんだん行くのもフリマが主流になってゆき。。。。。。
一番の狙い目は、ロサンゼルスの中心部から離れた超ローカルなフリマ!
そういう所っていうのは、もうフリマというより、ガレージセール的、つまり家のいらないものを、ただ、並べているだけ。暇にまかせて、自宅でいらないものを、掃除したついでに、、、
いえ、
掃除する前にとりあえず持ってきた。。。。
ゴミと有用品の差が、もうほとんどない。。。。笑
いったい、これが価値があるか?ないのか?もう、これを決めるのは、、、
先ほど申しました、、、
自分の経験と直感だけ!!
埃まみれでぐっちゃくちゃに絡まっているチェーンとか、サビのついた金属部品。。。歯車、ネジ、腐ったような電気関係とか自転車のパーツや、釣り道具の、もつれまくった糸がグルグルと巻きついたリールなど。
普通の人からみたらどうみても、ゴミ。。。。。
でも自分には見た事もない形や素材で、ものすごく新鮮だったんです。
私は、これにハマりました!
そして
それは、だんだんエスカレートしていった。
いつものことです。。。気がつかないうちに突っ走ってる。脳内ドーパミンが出まくって、まったく、走り出したら、地に足がついてないルンナ先輩でありました。(、、、こんな頼りない先輩です。)
そして。
元はと言えば、最初はジャラジャラを服につける、またはネックレスとかベルトにするはずだったのが、そういう
着用路線を通り越してしまい、 作りはじめたのが。。。。
シャンデリア!!!
スリフトやフリマで、これも売っている中古のシャンデリアに、ネックレスやアクセのパーツをぶら下げる、こんなんからはじまって。。。
初期の頃。
しかし、これが
だんだん、金属的なものになってきて。。。
これまでのお金持ちのリビングにあるようなシャンデリアとは、ちょっと違うテイストの。。。もっと男性的なシャンデリア!!
今から考えたら、これって、スティーム・パンク的って事になるのでしょうか? もちろんこの時はそういう呼び名はなかったですけども。
ところで。
皆様は、東京の目黒通りという家具屋がたくさん集まった通りを、ご存知でしょうか?
「家具通り」とか、言われてるところです。
そこにインテリア・ショップで「カーフ」というお店があるのです。
ここです。
お店の中はこんな感じ。
ここに、ですね、先ほどの私の作ったシャンデリアを置いてもらう事になり、
そして、だったら、
このカーフと リメイクのコラボをやろう!!という事に!!!
え?
この展開、早くない???
なんで、いきなり???
そんな、話が簡単に?
プレゼンとかはどうしたの??
普通だったら、ここまで決定するのに、まず、お店にコンタクトをとって
1。内容のタイトル 2。プロジェクトの社会的な必要性 3。マーケティングの詳細 4。もちろんシャンデリアの写真 5。私の履歴書、などなどを提出するのが、スジ。。。しかし、そういうのは、
一切、なし!!!!!
なんで???
実は。。。このお店、、、
妹夫婦の店なんですよ〜。
だは〜〜〜〜〜〜。
テヘペロ!(死語ランキング21位)
そうなんですよ〜。勿体ぶって、申し訳ありませんでしたぁ〜。家族なんで、話早いのは、当たり前ッス!
どうせ日本に1年に一回くらいは帰国するわけだし、ついでにやっちゃおうか。ってだけで、
話、はっや〜〜!!! 有難い事です!!
あっという間に実現!! これを、ご覧ください!!
Re 創造!!
なんか、ものすごいタイトルをつけてもらった!(妹が決めた)
上にある5569というのは、自分のリメイクブランドのひとつで、とくにメンズっぽいものに使っていました。
せっかくだから、シャンデリアだけでなく、布に関するものでリメイクできるものも、いろいろ作らせてもらいました。
カーフにあった、もともとのヨーロッパのビンテージ・ディスプレイなどと組み合わせてもらって、店内はこんな。
上は中古のアルミのカウチの座面を、米軍の毛布にリメイクしたものです。
下はカーフから、いらなくなったレザーを再利用したクッション
カシミアのリサイクルで作ったクッション
中古のガーデンチェア(プールサイドなどに置く椅子)座面をレザーに変え、ステンシルでスプレー(レザーもあまりもの)
そして、シャンデリアだけでなく、廃材のデスクランプ
セーターで作ったクッション
この他にも、Tシャツとか(自分の手描き!!)
男子が好きそうなバッグ。
これもカーペットの下に敷く布(インテリア系の布)で作りました。
そして、キーホルダーまでも。。。笑
ひとつひとつ家具の形に、切り取る。レザーも切り落としのリサイクル!
いや〜〜〜!
ファミリーの店とはいえ、頑張った!!!笑
どのくらい売れたのかどうか、はっきり覚えてないですが、ほとんどが、身内や知人、そして、カーフの社員の方々が買ってくれた。笑
全てが一点一点吟味したリサイクル。大量生産ではできないものなので、インテリア業界でも、新鮮だったのかもしれません。今のように、SDGsとかサスティナブルなんてコンセプトも、まだない時代だったんで。
シャンデリアも好評で、イベントが終わっても、このシリーズはしばらく、続きました。渋谷のカフェとか、某芸能人様のサロンみたいなところに、売れていったそうです。
それで、売れた!となれば、お調子者の私は気をよくして、もっともっと作りたくなってきて、もっと材料調達にLA中を回るようになった。
そして、フリマで、小さい箱を漁るだけでは、えーーい。面倒だ!!
もっとでかい機械や器具、たとえば、古いボートのエンジン!などを丸ごと(これもフリマでゴミ同然で並んでいる)買ってきて、解体したら、もっとたくさんの部分が一度にたくさん獲れた!
まさに 大漁や〜〜!!!
そうやって、だんだん、大型ゴミにも目がいくようになり、もうなんでもかんでも、解体する、パーツにする。そして、リメイクする!!!
なんでもリメイクで作れないものはない!と思うようになってゆきました。
おもしれ〜〜〜!!たのし〜〜〜!!!
なんだって、解体して作り直せるんじゃん?
体からふつふつと溢れ出る「作る喜び」だけではなく、
「解体する喜び」!!
この解体から
再構築のグルーブ感!!
そうだ!!
次はこれを「服のリメイク」と合体させてみたらどうか???
ふふ。
このへんで、腹ぁくくって、
やっちゃろーうかいの〜?
(思い切った決断の時のルンナ先輩は、いつも広島弁)
究極のリサイクル・ファッションショー!
タイトルは、
( ( クチュール ・ サルベージ ) )
次回はそれをお話します。
ではっ!
L*