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天職は誰にでもある! 好きなことを仕事にする方法!
「趣味は何ですか?」ときかれたら、わたしはきっと仕事の話をします。仕事が趣味なんてちょっと寂しい人だな、と思ったそこのあなた!ノンノンですよ!
わたしは自分の仕事が天職だと思っています。
天職とは、天から授かったその人にぴったりあった職業のこと。お給料や待遇に左右されることなく、心からやりがいを感じ、一生続けたいと思える仕事です。わたしにとってのそれは結婚式の司会者です。
そうだ、結婚式の司会者になろう
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結婚式には別れや結婚生活の短さを連想させるため縁起が悪いとされている忌み言葉、NGワードがいくつかあります。別れる、戻る、立つ……なかには漢字に「亡」の字が入っているという理由で忘れる、忙しいなどもそうです。そのため「戻る」は「進む」、「立つ」は「起立」、「忙しい」は「ご多用」と言い換えられています。
この他にも結婚式では言葉だけではなく、たくさんのものごとがポジティブ変換されています。「言霊」という言葉があるように、縁起のいい言葉を用いることは、わたしたちにとって幸せや夢の実現を引き寄せる力となります。
けれど、わたしの言葉はときに空回りの連続でした。落ち込んでいる友人を励まそうとすれば真顔で「うるさい」、「黙ってろ」と怒鳴られたこともあります。いつも笑顔でいることを心がけていましたが明るく笑っていることは、ときに人を不愉快にさせたり、傷つけてしまうことがあるのだと知りました。
そんなある日のこと、わたしは友人の結婚式に出席して気がつきました。ここではいつも、どんなときでも笑っていて良いのだと。
結婚式には新郎新婦の2人を祝福するためにたくさんの人たちが集まっています。それだけで初めて会ったあの人もその人も同じ目的をもった仲間に見えます(単純)。おお同志よ。ならば遠慮は不要。めいっぱい大きな声で幸せな2人をお祝いしようではないか!だって結婚式なんだから!
そして同時に、わたしは気づいたのです。人は人生の1/3、仕事をしているといいます。ならばいっそのこと結婚式に関わる仕事をすれば、わたしは人生の1/3を幸せに過ごせるのではないか。なんという短絡的思考回路。けれど、人生最大のひらめき。
ついに見つけたのです。わたしは、わたしがわたしでいられる場所を。
司会者にしかなれない?!
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さて、結婚式に関わる仕事で自分に何ができるだろうと考えた結果、結婚式の司会者にたどりつきました。結婚式はたくさんの仕事に支えられていますが、わたしの場合はむしろ一択、これしかなかったといっても過言ではありません。少なくとも当時のわたしには司会しかできませんでした。
結婚式と聞いて、おそらく一番最初に思い浮かぶであろうブライダルプランナーについては、最初から選択肢にありませんでした。わたしは自分が初対面で相手に好印象を与えることに成功した覚えもないし、何を考えているかわからないとよく言われるからです。人生の一大イベントを任せてもらえるほどの器もありません。
次に会場装飾や花嫁のブーケをつくるフローリスト。手始めに体験レッスンに参加してみましたが、「独特のセンスですね」と言われ早々にあきらめました。そういえば昔から図画工作や美術の成績はイマイチでしたね。大人になってもそこはやはり変わらずか……。
披露宴の料理出しを担当するサービススタッフができるなら、学生時代とっくにアルバイトをしていたことでしょう。落ち着きがない、品がない、アニメのような動きをすると人からいわれてきたわたしです。結婚式場で華麗にサービスをするなんて無理無理。
メイク、衣装、カメラマン、どれもフローリストと同じくセンスが求められます。お客様の望むモノを作りあげる技術とセンス、それは努力で身につけられるモノではありません。もともと備わっている才能の種だとわたしは思います。どうもわたしには、その種がないようです。
わたしがもっているモノといえばこの体と心だけです。それから声。今もっているモノでできること。それは司会の仕事、ただひとつだけでした。
司会者とは湖を泳ぐ白鳥のようなもの
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司会者になるためにはいろいろな道があります。専門学校に通う、ブライダルの仕事を請け負っている会社や事務所に所属して研修を受けるなど。わたしは地元でブライダルのトータルプロデュースをしている会社の司会者養成講座を受講しました。
そこで発声練習から進行表の書き方、新郎新婦様とどのように打ち合わせを進めるかなど、結婚式当日だけではなく、むしろ当日を迎えるためにはたくさんの準備が必要であることを学びました。正直、何も知らずに飛び込んだところがあったので大変でしたが、できることが増えるたび、自分の成長を感じることができたのも事実です。
司会者の仕事は、司会進行のスキルはもちろんのこと、いま会場内でどんなことが起きているのか、誰がどこでどんな行動をしているのか、お客様だけではなくスタッフを含め全体を見る視野の広さが求められます。
また、想定外のトラブルが発生した時に即座に対応できる瞬発力、誰に何を言われても動じない笑顔と度胸。それから決して失敗は許されないという緊張感にたえられるだけの精神力。結婚式当日、最初にマイクを握るわたしの手はいつだって震えていました。
「新婦がお色直し後につけるはずだったネックレスが予定と違うものが届いてました。準備のために20分おします」と言われても、例え流れていた映像が途中で切れて真っ暗になってしまっても。なんてこった、逃げ出したい。いや、逃げるわけにはいきません。
どんなときも、わたしは平静を装いマイクを握ります。話しているあいだにスタッフが必ず解決してくれることを信じて。お客様が安心してお楽しみいただけるように、その場を言葉でつなぐのも司会者の仕事です。
式の後、お客様をお見送りする際、「すてきな式だったね」、そんな言葉が聞こえてくるとようやくわたしも安心できます。「今日はありがとう」、そんな風に声をかけていただけると嬉しくなります。新郎新婦様から、「依音さんで良かった」、そう言ってもらえると両手を突き上げて叫びたくなります。「よっしゃー!!」
そうそう。たまに結婚式の司会の仕事をしていると話すと、「ただ喋るだけだから楽でいいよね」、と言われます。自分にもできそう、とも。この仕事を始めたばかりのころは、「何も知らないくせに」と反発していましたが、そのうち、「知らないほうがいいんだ」ということに気づきました。
誰が見てもわかるほどテンパっている司会者なんて、それだけで不安になりますよね。大丈夫なのかな、と気がかりで楽しむどころではありません。それに比べたら司会者が余裕そうに見える方がいい。それはその人が安心してその場を楽しんでもらえているという証拠なのだから。
それにわたしは知っています。司会者はその場にいる誰よりもたくさん、「おめでとうございます!」と言える仕事です。しかもマイクを使って堂々と、大きな声で言うことができます。なんて幸せな仕事。この仕事に出会えたわたしは本当に幸せものです。
働き方は人それぞれ
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わたしは20代後半で結婚式の司会という天職に出会うことができました。天職は誰にでもあります。そしてその働き方においても、ありすぎて迷ってしまうほど、たくさんの選択肢があります。
わたしは平日、派遣社員として事務の仕事に就いています。結婚式場以外の場所で過ごす時間はわたしに新しい発見や価値観、更なるやる気を与えてくれます。結婚式の仕事からはなれているときでも、「あ、あれ楽しそう!今度やってみよう!」という、ワクワクにつながります。その気持ちが結婚式の仕事につながっていきます。
好きなコトを仕事にすることは、誰もが一度は考えることではないでしょうか。仕事にしたことで、改めてその気持ちに気づく人もいるかもしれません。天職に出会うことができれば、プライベートの楽しみも仕事に還元することができるとわたしは思います。
仕事で落ち込んだりする日もあるけれど、「今の仕事楽しいよ」って言えるくらい充実した時間を過ごせているのなら。「趣味は仕事です。好きなことを仕事にしました」という言葉も違う音に聞こえてきませんか?
だから顔をあげて。鼻先も気持ち上向きに。「おめでとうございます!」の言葉をあなたへ。