IT業界への敷居を一気に下げるnote

「ITコンサルティングという嘘」(菅原文造)を読みました。

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まずばっさりITコンサルの現実を出してるのが爽快。いわゆるみんながイメージするコンサルのように「弊社の課題は〜で、ここのシステムはこういうソリューションを使って〜」というものではない。
現実は
「そのシステムならこういう経験のある人間を何人派遣しますよ。どうですか?」


...営業ですらねえ!
実際はもう少しキチンと説明をしていると思うけど、結局言いたい事は「人月ビジネスしようぜ」という所については合意する。

人月ビジネスというのは、ユーザー会社とIT企業が契約をして、IT企業がよこす人数1人につき月何万だすというようなもの。もちろん無限ではなく期間を決めている。そのため案件が炎上すると酷い有様になる。

ちなみにITコンサルというのも、どこからどこまでがコンサルファームの専売特許なのか分からない。SIerだって、外販で他の企業に対してコンサル営業をしている。
もっと言うとその中身がたまたまITというだけで、金融機関が顧客に対して金融ソリューションを提案するのはコンサル営業みたいなものではないだろうか。ただ商材が違うだけ。

クライアント先社員の代わりにコンサルタントを働かせる行動もコンサル特有に見えるかもしれないが、銀行だって他の企業の自分の行員を出向させている(半沢直樹シリーズでよく見られる光景ぁろう)。

さらに、「コンサル100年史」(並木裕太)も読んでみた。

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コンサルの歴史は、フレデリック・テイラーによる科学的管理法から始まり、組織をどうすれば効率的に管理できるかという命題は大学に経営学部を設立させるまで大きくなる。
そんな彼が、今日本で行われているITコンサルを見たらどんな顔をするのだろう。

「これじゃただの営業じゃないか...」
「うんうん、これもコンサルだね!」

ITコンサルを始めて行ったのは、IBMとされる。IBMはコンピュータ市場の影響力を利用して、システムのプログラミングやデータ処理などのサービスを独占しようとする。これは、富士通やNECがパソコンをリースした後に一緒にこのソフトはどうですか?と営業している姿を想像して貰えば分かりやすいだろう。

ここから始まったITコンサルは、本当のコンサルタントの人(本当とか偽物とか詳しくはないが)からしたら邪道というか、やはり戦略コンサルティングこそがコンサルという主張になるんだろう。

しかし今のIT系コンサルティングファームはとりあえず営業が案件を取ってきて、それを自前のSEに回して...

SEについてもよく誤解されているが、SEがずっとプログラミングをするという誤解をされている。入って数年はゴリゴリに開発していく所もあるが、永遠とは続かない。大抵数年で徐々に上流の方に上がっていき、パワポを作って協力会社と折衝をする人となる。
ただ本当に場所によっては向かない人には本当に向かないかもしれない。コンサルがSEを大量採用をする理由はなんとなく協力会社に手数料を払うくらいなら、自分のとこで開発させた方がお金浮くよね、向いてなかったら勝手にいなくなるよね的な発想かもしれない。コンサルに行くならITコンサルタントという名の営業が一番良いのかも。
やはり子会社系SIerの方が文系SEにはおすすめか。(本当にパワポ作る人が多いので)
ちなみに最上流工程とも言える社内SEもおすすめですが、場所によっては本当に社内戦略を司ったり、かと思えばヘルプ業務に終われたり、お前らはコストセンターだと言われたり、中々会社の社風によって変わる側面があるかも。

どうだろう。ITというとプログラミングをして、難しい言語を扱って...というイメージが少しは解消されただろうか?

もちろんITに詳しい勉強熱心な人が行くことに越した事はない。しかし、ITに詳しく無い人がSIerを目指しても全然大丈夫だ。上記が実態なのだから。

ただ忘れてはいけないのは、多重受け構造で上のコンサルやSIerが利益を受けている、その下に現場で開発をしてくれているエンジニアが大量にいるという事だ。
そして保守運用やテストをしてくれる人のおかげでIT業界は成り立っている。くれぐれも忘れないように。


ちなみにDS(データサイエンティスト)職というSEやITコンサルとはまた別の職種を目指そうか迷っている方向けに、こちらのチェックリストを載せておきます。

https://www.datascientist.or.jp/common/docs/skillcheck_ver3.00.pdf

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