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基山瑣末
2024年10月7日 20:28
突き放される感覚が欲しい崖際で背を押されるそれではつまらない刷毛で以て一息に塗り上げた濃紺の夜空その真中へ仄黄色く蟠る月陳腐な感傷的風景そこへ風のふっと流れ込んだかと思うと夜幕の端から竜が躍り出たごうと吠え嘶く私の鼓膜は粉々に砕け全くの森閑に感じる空気の震え 肌の痺れただその一声の勇猛たる残滓に酔い溺れる秋の夜長の風物は押し並べて物悲しいまさしく愁いそよぐ
2024年9月4日 21:51
残念だなあお前さんも引くに引けないってツラをしてるかなぐり捨てることも抛つことも全てをほっぽり出してなくなることもできやしない皆そう言う目が言ってるツラが言ってる誤魔化すように繕うように目を逸らすように覆い隠すように繰り返すその大義は 理由ははてさてそんなに頼れるもんかいこの先の全てそいつに委せて縋ってなんとかなるほど丈夫なもんかいいつか折れるんじゃない
2024年9月4日 21:53
何をしているのだろう何をしていたのだろうと振り返っては惑うばかりです紙の上に結果だけがあってその言葉を生んだ私は先程の私でそれを読んで狼狽えているのが今の私川辺で石を拾っても水の流れの一部始終は察せないそれと同じこんなもので何が伝わるというのか愚昧も極まれば冷笑を買って終い真ん中の大事な部分を撫で透かして表層だけを削ぎ重ねた駄言の継ぎ接ぎミルフィーユつまらない
2024年8月5日 07:42
いつも通りに翻っている脆くなったことたいそう阻むことそういうことにかかずらって進取を謳うそれを拝みに来たというのに軟膏をもらっていいいかなとびきり辛いやつ舌に染みて全く蟠るやつ針の穴に注連縄を通した気がする放埒至極に存じて挙句地の利を失った感覚それだけ残ってる「コーヒーを飲んで苦さを噛み締めて過去に追憶を馳せ感傷に浸った」やめとけその先には何もないま
2024年8月3日 23:37
星が帳に貼り付いてちかちかしている砂浜へ散らばるガラス片とそうも違うまいムサシグンへ行こう手の届くか否かの大切を晒しにロールケーキはクリームをケーキへ押し込んだのかケーキをクリームの周りへ巻いたのかムサシグンには分かるまいあいつは飽きあぐねている押し並べて倦んでいる絵を見た写真の方が上手いとナナメを衒った視界がギュッと遠のいて洋々とムサシグンで溢れたムサシ
2024年8月3日 12:35
ぼうッと真っ暗な中へ点を打つ蚊取線香を蝕む灯のたり くらり ふわり寝つけず うねる煙のようにあるいは煙を浴びた蚊の眩暈に喘ぐように渦巻の灰に尽きた分だけいたずらに時間をとろとろとふやかしている日が昇り火が消え陽が射すいよいよ微睡める頃に這う撫でるからかう羽音