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1月の記録<プレイ、読破、視聴した作品>

1月は積読、積みゲー消化月間にした。読み終わるごとに心の〈おもし〉が取れていく気がする。その間にセールでまた何冊か買っちゃったけど。

天気の子・スカイライン

お正月スペシャル。名作を観た後にはB級エンタメ。名作良作を観ると、気分が高揚するのでB級特有の粗も許せてしまうという知見を得た。

シャニマス『海に出るつもりじゃなかったし』

海へ出るつもりじゃなかったし

お正月のノクチルイベント。感情の奔流で文章がまとまらず感想が書けなくなりました。ノクチルがこれまでの既成のアイドル像へのメタ表現を含んでいるので、既成のアイドルを楽しんできた自分はそのカウンター攻撃に脳がバグった。

春の嵐/ヘルマン・ヘッセ

主人公は引っ込み思案で繊細な感性を持つクーン。彼が恋に浮かれて片足に大けがをするわ、粗暴な性格だけど芸術肌な親友に好きだった女性を取られるわ、更にその夫婦らが壊れていくさまを間近で見ることになるわで、おおよそ幸福とは言えない人生となるお話。けれど、冒頭の一文の

自分の一生を外部から回顧してみると、特に幸福には見えない。しかし、迷いは多かったけれど、不幸だったとはなおさら言えない。

とあるように、簡単に文字にするとクーンの一生は不幸なんだけど、その中には良かったこともあったりしてて、一言で不幸だったと言うには、人生は複雑で難しいのかもしれない。という、作者の幸福への考え方が詰まっている作品。

ゆるキャン△ 11巻/あfろ

アニメ第2期絶賛放映中、実写版も4月に2期をやるという例はなかなか珍しいのでは。なでしこの幼馴染の綾乃とリンちゃんはバイクで、なでしこは電車で同じ大井川のキャンプ場に向かう。ダムビーフシチューオムハンバーグライスがすっごく美味しそう。というか出てくる食べ物が全部美味しそう。

(書籍版)ニンジャスレイヤー第2部4巻 聖なるヌンチャク

ダーク・ニンジャ=サンの生い立ちとニンジャとなった経緯の話がメイン。自分の運命に対する復讐というのは壮大で狂気的。ニンジャスレイヤーのライバルキャラだけど忍殺の世界観の色んなものを背負っているもう一人の主人公。カッコよすぎる。

一話完結の話では上司が死んで宙ぶらりんな立場からどんどん追いやられていくザイバツの中堅ニンジャの話がやけに記憶に残る。組織って怖いね……。

マスター・トータス&マスター・クレインが使用するマイクロスリケンの音がいつ見ても面白い。スポスポスポスポスポスポスポスポ

回樹/斜線堂有紀/SFマガジン2月号掲載

SFマガジン掲載の短編百合小説。恋人の遺体を盗んだ容疑で取調を受けている女の供述。取調室で淡々と語られ、だんだんと事件の全容が分かってくる、という感覚がとても好き。
予期せぬルームシェアから始まり、恋仲になり、やがて倦怠期、そして破局寸前となったカップルの八年間が、たった数ページの文章で淡々と他人事のように当事者の口から紡がれていく。女の悟ったような語り口がとても怖い。
SF要素である〈回樹〉という物体の設定も全貌が分かるとホラーな性質でゾクっとする。突如現れた謎の物体のくせに人間の感情や習性にマッチングしてるのがまた恐ろしい。こんなのが実際に現れたら……という、幽霊とは別のゾワゾワ感。
女の最後の台詞での締め方もゾワっときて、気づいたらずっとゾワゾワしてた短編でした。おススメです。

貴方が私を人間にしてくれた/届木ウカ/SFマガジン2月号掲載

著者の届木ウカさんはVチューバ―としても活動してるそう(動画は少しだけ見ました)。幼稚園の頃からずっとトイレとお風呂と寝る時間以外の生活をドローンを使い配信している〈新アイドル〉愛依、麻依、実依という3人の少女の短編。愛衣が、コラボ配信で出会ったイケメン女性のアキラに一目惚れしたことで自由の無い新アイドル生活に疑問を持ち始める……。
自身がVチューバ―をやっているからこそ説得力のある「消費されるアイドル」という側面を暴き出す。そして、それを超える恋という純粋な感情が愛衣を人間にする。
人生で初めて恋愛という感情を知った女の子っていうのは、すごく強いんですよね。うん、色んな意味で。

グノーシア

なーんで発売当時にプレイしてなかったんだろ、って後悔してるレベルで面白かった一人用人狼アドベンチャーゲーム。人狼って配信とかで観たことあるけど友達おらんし、推理力とかも無いから一生やらんだろうなぁ、と思ってたからか。
けどこのゲームは一人用なのでじっくりと考えられるし1回が短いので非常に遊びやすい。ぼっちにもやさしい。
このゲームの面白さは、時間ループSFの物語と人狼ゲームが非常に巧くハマっているところ
時間ループの脱出の手がかりを探すため、人狼などの会話によって他キャラから情報を引き出していく。キャラ自体がユニークな個性の塊なので情報を集めること自体が楽しいし、キャラの個性が分かることで人狼ゲームを有利に運ぶことができる。そして情報を集めていけば物語自体も進んで「なぜループに捕らわれているのか」を解明されていくという、どんどんゲームをやりたくなる流れになってる。
人狼ゲーム自体もRPG的な成長要素が入っており、終了時にもらえる経験値によってパラメーターを上げてスキルを取得することができる。〈直感〉のスキルを上げれば、だれかが嘘を言った時にそれが分かる演出が入ったり、〈かわいげ〉があれば、疑われた時に哀しんで同情を誘って自分に投票されるのを防いだりと色々なことができる。「前回のゲームでは必死になって敵を見つけようと発言しまくってたら逆に怪しまれたから〈ステルス〉や〈かわいげ〉を上げよう」と、前回の反省を活かしてスキルを振っていくと、だんだんと安定して人狼に勝てるようになっている仕組みが人狼初心者にとって嬉しい。

A Short Hike

Hikeはハイクと読むけど俳句ではなくハイキングのこと。分かっているけど「俳句のゲームだっけ?」と勘違いしてしまう。……しない?
都会の少女『クレア』が叔母に連れられてきた小さな島で、ケータイの電波を求めて島の頂上を目指すアドベンチャーゲーム。
探索したり島にいる人と交流しながら、頂上に登るのに必要な黄金の羽を集めるのが主目的。あんまり難しく考えずにあちこち行けばなんとかなる自由度が気楽で良い。移動方法も徒歩、崖登り、飛ぶ、泳ぐ、ボートに乗る、と様々で動かしてるだけで楽しいし、島の場所によってBGMが変わり、新たな発見をするために行ったことのない場所に行くのが楽しい。島自体は小さめでゲームクリア自体は2~3時間あれば可能なのかな。実績の全取得を目指すともう少しかかるかも。
プレイ時間は短かったのに、ゲームという体験として満足度が非常に高い。不思議でとても面白いゲームでした。


呪剣の姫のオーバーキル/川岸殴魚

面白くて既に記事書いちゃってるけどもう一度再掲載。グロ系オンリーかとおもいきや、ファンタジー系ラノベとしてエンタメしていた作品。2月に2巻が出るらしい。

書くのがしんどい/竹村俊助

ド○えも~ん、何か文章を書いてバズりたいけどそもそも書くことがなくてしんどいよ~~~」という悩みの解決法から、どう伝えるか、どうしたら読まれるようになるか、どうしたら面白く書けるか、書くのを続けるのはどうすればよいのか、と「書くことへの悩み」を段階を踏んで教授してくれる。しんどい時に読み返したい本。

SPY×FAMILY 6巻/遠藤達哉

ジャンプのアプリで毎週1位なのに何故か自分のTwitterのTLではあんまり話題を見ない。構築したTLと世間との情報の断裂を感じる……。
テニス描写が完全にテニプリめいててジャンプ漫画としての系譜を感じた。
後半は最終目標のターゲットと急接近で次の展開が気になる……。

ざつ旅 1~3巻/石坂ケンタ

1巻~3巻まで読了。漫画家志望の女子大生〈鈴ヶ森ちか〉が、スランプ脱出のために無計画で一人旅に行く漫画。独りでどこかに行くオンリーな漫画と思いきや、親友、後輩、先輩漫画家とその友達と手広く一緒に旅に出ており、3巻時点で既に主人公とのカップリングが多い。鈴ヶ森ちか……見境が無い。

ウマ娘 シンデレラグレイ/久住太陽

待望の1巻。アニメの2期も面白いし、アプリも2月に出るし、ウマ娘フィーバーきてる。
おまけで書いてある、ルームメイトと喋りかけるタイミングを見計らってるフジマサマーチとライブ衣装を恥ずかしそうに着ているフジマサマーチが可愛い。

岸辺露伴は叫ばない 短編小説集

※タイトルに反してわりと叫んでる

実写ドラマ版を観る際に買った。
全体的なテーマとしては「好奇心はネコを殺すし漫画家も死ぬ筈だが、露伴はかろうじて生きているから怪異体験を話すことができる」だろうか。奇妙な現象に興味を持ってはえらい目に遭うも、<ヘブンズ・ドアー>のチート能力のおかげで辛くも生還する岸辺露伴。色々な意味で悪運が強い。

お気に入りはドラマにもなった『くしゃがら』とお金の大切さが身に染みて分かる『オカミサマ』。どうやら北國ばらっどさんが好きらしい。

岸辺露伴は戯れない 短編小説集

※タイトルに反して怪異的なものと戯れてる

『幸福の箱』『シンメトリー・ルーム』が好き。やっぱり作者は北國ばらっどさん。エキセントリックな見た目と性格してる登場キャラが「ジョジョっぽい」のと露伴の言動の再限度、ストーリー展開の「次はどうなるんだ!?」「打開策はどこにあるんだ!?」ってハラハラドキドキ感がジョジョを読んでる時の〈それ〉で、ジョジョの再限度が高い。

仮面ライダー剣

Youtubeの東映公式チャンネルで視聴。全49話。
活舌の悪さや序盤のライダー同士の仲の悪さが取り沙汰されるが、後半は運命に翻弄されながらも懸命に抗う戦士たちの姿がカッコいい。最終回は涙無しには観られない終わり。

ふらちな倫理ちゃん/姫海月スグル

Twitterで流れてきた漫画の続きが気になって即買い。

脳内がピンクな眞白倫理ちゃんの妄想ドタバタ学園百合コメディ。絵柄が好みで女の子たちがワチャワチャしてるのが観れただけで十分良かったうえに、カバー裏の神宮寺撫子(倫理ちゃん憧れの同級生)視点のページに尊さが凝縮されており、一気にお気に入りの一冊となった漫画。

羅小黒戦記(ろしゃおへいせんき)

中国で超売れてるアニメ映画らしい。中国語音声日本語字幕版で視聴。
猫妖精の少年シャオヘイが、同じく妖精のフーシーに助けられ、最強の人間ムゲンと出会ったりして、中国を舞台に人間と妖精の共存派と人間排除過激派との闘いに巻き込まれる。
前半はシャオヘイとムゲンが何百キロも旅して妖精が住む館に行くロードムービーで、そこで繰り広げられるシャオヘイとムゲンの奇妙な師弟関係が微笑ましいし、後半のバトルシーンは「アニメ映画観てる!」って感じの迫力とスピードが最高。自然の美しさの風景描写とエンターテインメントなバトル描写が両立してる満足度の高い作品だった。日本語吹き替え版も観たいなぁ。
どうやらシリーズ作ぽいので次も楽しみ。

ガメラ3 邪神覚醒

GYAO!の無料配信で視聴。たぶん3、4回目くらい。前作2つと比べると…ってなりがちだけど、普通に映画として高水準。炎に包まれる都市の画が蠱惑的。
蠱惑的で思い出した。一時期ヌルヌル粘液の触手モノAVとかにハマったことがあるんだけど、たぶんこの映画が遠因だと決めつけてる。


邦キチ! 映子さん/服部昇大

1~4巻まで読了。自分は部長と同じニワカ映画ファンだから邦キチ達の特定ジャンルへの映画愛が眩しい。アジア映画好き少女ヤンヤンの「お前には〈自ジャンルのプレゼンをしないと死ヌ!〉」トイウ覚悟が足りんアル」が胸に突き刺さる。やめてくれ、その言葉は俺に効く。
それと作者あとがきの「人の感想を聞く時に面白いのって〈どれだけ数を見ているか〉じゃなくて、〈この人がどういう視点で観て、どういう感想を言うんだろう?〉ってことなので」も映画の感想語る時は心に刻んでおきたい。

だれでも詩人になれる本/やなせたかし

どうすれば文章力を上げられるか、詩になにかヒントがあるのでは、と買ってみた本。詩の入門書的なものではなく、やなせ氏の詩への考え方を彼が〈良い〉と思った詩を交えながら語るエッセイでした。氏の創作に対する心構えなども随所にあって勉強になりました。


次は何を読もう

やはり人間には限界があるので、本を読む速さは本を買う速さを超えることができない。せめて自分のアンテナの感度を高くして、面白いと思う作品に出会う確率を上げるくらいはしたいところ。

来月はどうしよう。逆に1冊の本を何度も読むとか、ジャンルを固定して読むとか、夏に月姫が発売されるから奈須きのこ作品を読み返すとか。少し方向性を決めて読むものを決めていこうかな。



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sizima
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