【医療崩壊】肺炎で呼吸困難でも入院できず在宅で酸素吸入させる菅義偉政権
※トップ画は今年４/30に都内にある立川相互病院が行った、「医療は限界 五輪やめて！もうカンベン オリンピックむり！」という悲痛な掲示。この掲示について、５/10付の見解は今なお病院のサイトに載っています。あれから３か月、実際に五輪が強行された現在の状況は、この記事でお示しするように比較にならぬほど悪化しています。
☆思い出しましょう
COVID‑19の感染爆発が止まるところを知りません。
※8月3日 16時53分東京新聞WEB版より引用。
※全国の状況は、うまくスクショが撮れないので例えばこちらをどうぞ。
思い出しましょう。昨年６月２日には、都内の新規感染者数が34人、現在より２桁少ない状況でも「東京アラート」が発令されていました。小池都知事は都庁とレインボーブリッジを赤く染め上げて遊んでいらっしゃいました。
※いずれも過去の東京新聞WEB版より引用。
昨年の都知事選で宇都宮けんじ先生を応援していた私は今でもよく覚えています。昨年７月２日に都内の新規感染者が107人、初めて３桁を突破しました。これを受けて候補者だった宇都宮けんじ先生は次のような緊急メッセージを出すとともに、恒例だった投票日前日の大街宣を取り止める決意をしたのです。
※昨年７月３日付の動画、１分11秒。今観ても、どちらが都知事にふさわしいか一目瞭然の動画です。ぜひご覧ください。
☆予想とおりに感染爆発・許し難い五輪強行
都知事選後、政府も東京都もまともな感染症対策を何もしませんでした。第２波、第３波、第４波、第５波ときて、まともな人はみんな五輪どころじゃないと訴えていたのに五輪は強行されます。そして案の定、連日の新規感染者が都内で2000～4000人、全国で12000人前後という惨憺たる有り様になりました。起こるべくして起きた結果としか言いようがなく、本当に怒りでいっぱいです。
しかも、東京都の陽性率は20.1％という、まともな感染症対策をしている国からしてみれば「あり得ない」数値を叩き出しています。検査数が圧倒的に足りておらず、もし検査数を２倍にすれば新規感染者数も２倍になるのではないかと思われるほどです。無症状の感染者をまったく捕捉できていないことが、感染爆発の大きな原因になっているのです。
東京五輪では大会関係者だけに対して１日あたり約３万件もの検査が行われています。その一方で人口およそ1400万人もいるのに都民全体に対する検査数はそれより少なく、更には濃厚接触者への検査もおざなりになっているという異常事態がまかり通っています。幾重もの意味において、五輪の強行は極めて許し難いのです。
☆既に医療は崩壊している
高齢者のワクチン接種がある程度進んだこともあり、コロナ患者の中心は50代以下にシフトしています。適時・適切な治療をすれば死に至るのを防げる確率は高まります。しかし、東京都の発表によれば「自宅療養者」と「入院・療養等調整中」が激増しているのです。
（※以下、両者を合わせて「在宅患者」と表記します。）
７月１日に1872人（自宅療養1006人、調整中866人）だった在宅患者は、８月２日には20431人（自宅12161人、調整中8270人）に。１カ月で11倍にも膨れ上がりました。
新規感染者が初めて3000人を超えた７月28日から８月２日までの５日間で見てみると在宅患者は8911人（自宅4813人、調整中4098人）の増となっており、１日当たりで約1800人増えています。もしこのまま同じペースで増えれば、在宅患者は来週中には４万人にも達する計算です。
７月第４週には、感染が疑われる患者の搬送先が30分以上決まらない「救急搬送困難事案」が698件にものぼり、さらには119番通報した50代の重症患者がおよそ100の病院から受け入れ拒否され、８時間後に約50キロ離れた病院に入院したとTBSが報じています。
感染急拡大を受け、玉城デニー・沖縄県知事は８月１日、県内の医療界と経済界、市町村の代表者と４者共同で「海外諸国ではロックダウン相当のレベル」「15日まで２週間の外出自粛」などを呼び掛ける緊急メッセージを発表するに至っています。
人口と新規感染者数で単純比較すれば、状況は東京も沖縄とそう変わりません。しかしロックダウンを検討するどころか、呑気にスポーツ大会に明け暮れているのが我が日本、そして首都たる東京都です。
☆菅義偉政権が「国民見殺し」を宣言
上記のように、既に医療は崩壊していると言っても過言ではない状況です。そんな中で菅義偉首相は、２日に行われたCOVID-19に関する閣僚会議の冒頭でついにとんでもない「国民見殺し」宣言をしました。
✅「重症患者や重症化リスクの特に高い方には、確実に入院していただけるよう、必要な病床を確保します。それ以外の方は自宅での療養を基本とし、症状が悪くなれば、すぐに入院できる体制を整備をします」
「重症患者や重症化リスクが特に高い人以外は入院させない」という、事実上、政府が医療崩壊を認める内容の宣言です。この宣言がどんなにとんでもないものかを理解するには少し説明が必要かもしれません。
一般にCOVID-19の症状は「軽症」「中等症」「重症」に区分され、中等症はさらに、軽症に近い１と重症に近い２に区分されます。厚労省の説明によると各症状は以下のとおりです。
✅重症…ICUに入室しているか人工呼吸器が必要な状態。
✅中等症２…酸素投与が必要で、高度な医療を行える施設への転院も検討すべき段階。
✅中等症１…呼吸困難や肺炎所見がある状態。入院の上で慎重に観察する必要がある。低酸素血症があっても呼吸困難を訴えないことがある。患者の不安に対処することも重要。
✅軽症…多くが自然軽快するが、急速に病状が進行するなど、急変によって病状が悪化する可能性もある。
というわけで、「軽症」や「中等症」という語感に比べて実際の症状はかなり重いことがわかります。これをわかりやすく説明したイラストがありますので参考に貼っておきます。（※安川康介医師のツイートより引用。）
ネット上には、既に「軽症」では入院させてもらえていないという体験談が多く存在します。いくら何でも酸素投与が必要な「中等症2」の患者に「自宅にいろ」という処置はできないとは思いますが、今後は肺炎を併発し呼吸困難に陥っている「中等症1」でも入院させない方針になる可能性が高いです。外ならぬ厚労省が「入院の上で慎重に観察」しろと言っていたにも関わらず。
詳細な説明は割愛しますが、各種のデータによれば「重症化して亡くなった患者よりも、重症化しないまま亡くなった患者のほうが多い」という傾向が特に第５波で顕著になっています。重症患者だけに重きを置き、それ以外について「自宅療法を基本」とするのは極めて危険な方針なのです。
しかし、昨日３日には田村憲久厚労相も「場合によっては在宅で酸素吸入することもあり得る」などと言い出しています。自宅で呼吸困難に陥った後で、誰が酸素投与が必要だと判断してくれるのでしょうか。「国民見殺し」方針は菅義偉首相が思わず言ってしまったレベルのものではなく、政権としての総意なのです。
☆五輪を閉じて国会を開け
この方針に対しては当然ですが、医師などの専門家や野党各党から厳しい批判が出ています。
枝野幸男代表（立憲民主党）が党会合で「病院で治療を受けるという最低限のことすらできない」「今の政権にこれ以上危機管理をさせていたら、国民の命を守れない。代わり得るのは最大野党である私たちしかいない」と訴えた他、各党もコメントを出しています。今日・明日に衆参両院の厚生労働委員会でそれぞれ開かれる閉会中審査で追及する方針です。
もちろん本来は閉会中審査ではなく、法律案の作成や予算措置などもできる臨時国会を正式に開いてちゃんと議論するべきです。野党の求める臨時国会を政府は拒否しています。何度も言ってますがこれは憲法53条違反です。
田村憲久厚労相は同じく３日の記者会見で、感染症対策としてのロックダウンを可能とする法整備について「時間がかかっても、国会に議論していただく話」と将来的に検討する必要があるとの認識を示しました。
…オマエら政府が憲法違反してるせいで野党の求める臨時国会がいつまでも開かれないのに、何をすっとぼけたこと抜かしてるのか。憤怒の念を禁じ得ません。
☆おわりに 政権交代しないと自民党に殺されます
「政権交代しないと自民党に殺される」という言い方が決して大袈裟ではないことは、この記事などでご理解いただけると思います。映画『パンケーキを毒見する』でナレーションを務めた古舘寛治さんが「投票倍増委員会」を呼びかけています。あなたやあなたの大切な人の命を守るためにも、次の総選挙は有権者全員が投票しに行くくらいの勢いが必要です。
私がnoteを始めてもうすぐ１年３ヵ月になりますが、自民党がダメだという当然のわかりきったことを、理由をつけてイチイチ指摘するフェーズはとっくに終わっていると感じます。船が浸水した場合、バケツで水を外に出していても間に合いませんね。穴自体を塞ぐ必要があります。この記事のように自民党のダメさを一つひとつ指摘することも重要ではありますが、総選挙も近い今、投票率を大幅に引き上げるべく具体的にアクションを起こしたいと思います。近日中に考えを示すべく準備しています。
この記事の最後に、どなたかがまとめた優れた風刺的ジョークをご紹介しましょう。
政府「頼むからお盆の帰省は中止してください」
✅国民1「中止の考えはない。強い警戒感を持って帰省に臨む」
✅国民2「バブル方式で帰省する。感染拡大の虞（おそれ）はないと認識している」
✅ 国民3「帰省を中止することは一番簡単なこと、楽なことだ。帰省に挑戦するのが国民の役割だ」
✅国民4「安心安全な帰省に向けて全力で取り組む」
✅ 国民5「コロナに打ち勝った証として帰省する」
✅ 国民6「（帰省は）今更やめられないという結論になった」
✅ 国民7「『帰省するな』ではなく、『どうやったら帰省できるか』を皆さんで考えて、どうにかできるようにしてほしいと思います」
✅国民8「もしこの状況で帰省がなくなってしまったら、大げさに言ったら死ぬかもしれない。それくらい喪失感が大きい。それだけ命かけて帰省する為に僕だけじゃなく帰省を目指す国民はやってきている」
✅国民9「家族に感動を与えたい。帰省はコロナ禍収束の希望の光」
✅国民10「我々は帰省の力を信じて今までやってきた。別の地平から見てきた言葉をそのまま言ってもなかなか通じづらいのではないか」
✅ 国民11「(帰省中止要請は)自主的な研究の成果の発表ということだと思う。そういう形で受け止めさせていただく」
✅ 国民12「言葉が過ぎる。帰省中止を決める立場にない」
✅国民13「帰省が感染拡大につながったエビデンスはない。中止の選択肢はない」
✅国民14「（帰省について）政府は反発するだろうが、時間が経てば忘れるだろう」
✅ 国民15「帰省することで、緊急事態宣言下でも帰省できるということを世界に示したい」
✅ 国民16「帰省について限定的、統一的な定義は困難」
✅国民17「実家を訪問するという認識。帰省するという認識ではない」
✅国民18「もう家族が来ちゃってるから」
✅国民19「感染対策の徹底と安心安全の帰省について私から説明させていただき、実家全員から大変力強い支持をいただいた」
✅国民20「アルマゲドンでもない限り帰省できる」
✅国民21「歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の帰省に強く反対している」
✅国民22「パラレルワールド（並行世界）みたいなものだ。帰省で感染を広げていることはない」
✅国民23「パンデミック下での帰省というモデルを日本が初めて作ることができる」
…まだまだたくさんありそうです。笑うしかありませんが笑い事では決してありません。五輪推進・擁護派はこんな馬鹿げた屁理屈で五輪を強行し、感染爆発・医療崩壊を引き起こし多くの人の命を奪っているのです。
菅義偉首相は７月30日の記者会見で「医療崩壊して救うべき命が救えなくなったときに首相を辞職する覚悟はあるか」と記者から問われた際、辞職の覚悟については一切答えず、「感染対策にしっかり対応することが私の責任で、私はできると思っている」と述べました。
しかし「感染対策できる」と何の根拠もなく断言したその舌の根も乾かぬうちに、「重症患者や重症化リスクが特に高い人以外は入院させない」と言い出したのです。肺炎を併発し呼吸困難に陥っても在宅で酸素吸入せよとは、「自助」にも程があります。あなたは許せますか。
今夏も帰省を諦めようとしている方も多いと思います。しかし、私たちは県境を跨げないのに国境を越えてどんちゃん騒ぎしてる人たちがいる現実があります。あなたは許せますか。政権交代を実現しないといつまでも帰省できません。次の総選挙で自公政権を倒せなければ、また４年間も大切な人に逢えなくなるのです。
自民党を懲らしめ、真っ当に感染症対策をしてくれる新政権を樹立する力を持っているのは有権者である私たち国民だけです。次の総選挙で自民党が勝ったら、いよいよ「何をやっても選挙で負けることはない」と思われてもっともっと暴挙に出るでしょう。
「こんなひどい政治は初めて」です。必ず終わらせましょう。
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