狂った時計を眺めている
軋み始めた世界の
壊れていく隙間から
漏れ始めた 音のない疼き
最期が見えるとしたら
まず しいんとしずまる
それから ぽかっとひかり
また しいんとなって
もういちど ぽかっとなって
なくなって
がらんとなる
潮に漂う稚魚たち
流されやすい流線型で機能的で美しい
そうやって 生きることを全うするために
自ら泳ぐよりも 潮の流れの中で
稚魚たちはたくましく生きようとしている
人間とは何なのだろう
どうやら僕は
詩人を必要としない時代に生まれてしまったらしい
この記事が参加している募集
2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します