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詩)兵戈無用

人々よ! あなたがたの吠え声、あなたがたの憤怒、『もっともで公正なる憎しみ』の轟きの中から、善の静かな歩みを聞き取りなさい、それに感謝を述べなさい、そしてあなたがた自身、それにつき従いなさい、爪先で立って、壁の傍らを通り過ぎなさい!」

タチヤーナ・トルスタヤ(ロシア作家)


この情報空間の状況を眺め いまの歴史の変わり目の中で沈黙している それは人間としての最終手段 防衛本能なのかもしれない
「わたしの沈黙がいたるところで聞こえている」(アンナ・アフマートワ)            隣人が敵国人となる日が現実になったのだから
 
淡々とした日常。何が言いたいわけではなく何かが不足しているわけではない。かみさんが寝てしまったのでツイッターを見る 核兵器が限定使用されるというニュースに「核共有すべき」というコメント。たった一人の暴走で核戦争のボタンはこんなにも簡単に押されそうになるのか。かみさんの軽い寝息。
 
 それは悲しい性なのか 人間の業なのか          
「防衛力の相当な増額の確保」 破壊された街とそこに呆然と立つのだろうか 
何かが溢れおちていく 錯覚する権力者の口元に 高なる達成感 相反スル絶望の予感
 むき出しの欲望 攻撃されたら攻撃し返す 単純化された最終幕に素手で立ち向かうのは 
 無謀か叡智か 巨大に巨大に膨らみ続ける欲望へ
 
 兵戈無用 唯一の被爆国がやること いま この手に弾丸よりも強い一票がある


 


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げん(高細玄一)文学フリマ東京39 な-20
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