気が向いたらパラパラと愛読書の 江戸料理読本 のページをめくっている。
何品か作りたいレシピを決めて、献立を決め、そして器を考える。
あゝ愉快です。
睦月 江戸料理を作るなら
そりゃね
狸汁!
いやいや、野山の狸じゃありませんから。
蒟蒻ですから。
一月。
宝蔵院流槍術の正月稽古始めには「狸汁」を供するという伝統があり、日蓮宗池上院家・昭栄院でも正月にはたぬき汁をふるまうそうだ。
やはり寒さが一段と厳しくなる睦月こそ、狸汁です!
狸汁のレシピは江戸の料理本にも幾つかある。
1643年成立の「料理物語」では本物の狸を使った狸汁のレシピが紹介されていて、臭い抜き方法や狸とアナグマ・ムジナについてそれぞれの下拵え方法など詳細な記載もあれば、「 蒟蒻百珍」にあるような蒟蒻で作る精進狸汁のレシピもあり、他の料理書では蒟蒻に大根、午房、焼き豆腐を加えたりと中々の人気料理だったようだ。
私が作ってみたいと思ったのは
「 蒟蒻百珍」掲載の蒟蒻とおからで作る狸汁
それでは!
狸汁、作りましょうか
(ちょっと物足りないお昼ごはんになるかも?)
と案じていたけれど、そんな心配は無用の満足ごはん!
狸汁、化かされたと思ってぜひ!
そして!忘れちゃいけないのが、あのスーパーヒーロー小説に出て来る狸汁!
「池波正太郎 鬼平料理帳」なる本もあるほどで、江戸料理と言えば池波正太郎!
池波正太郎と言えば鬼平犯科帳!
本に描かれたシーンの狸汁を翌晩の酒の肴に作った。
と言っても表記された食材は蒟蒻のみ。
前日の狸汁一汁三菜昼ごはんと同じ狸汁レシピというのも、ちょっとね…
酒粕がいいのですよ。こんな冷え込む晩にはいいのです。
酒屋でもらった酒粕があったから加えたのだけど、きっとお熊婆さんもこの時期には酒屋から酒粕をもらったかもしれない。
ならば銕つぁんたちのために酒粕入れた粕汁仕立ての 狸汁を作って、「はいよ!」とふるまっただろうと妄想。
きれいに終わるラストというのは、落語の名人芸に通じる爽快さを感じ、鬼平ってほんと、かっこええわぁ!と「新⋆鬼平犯科帳 鬼火」を読み終えたのだった。
あゝ 面白いぞ!江戸料理
さて
次回は春
さ~てと
なに作ろうかしら。