干しいも三兄弟あるいは三姉妹
こんにちは note干しいも部でございます。
冒頭画像は、air_mezzanineさんのものを使わせていただきました。ありがとうございます。
…だって、おいしそうだから!
さて
我が部のクレドは
『知識と経験と干しいもは人類の宝』
であります。
素人なりに、得られる情報からいろいろと試行錯誤して、美味しいものを作ってやろうぞと面白おかしく、おいしいものを目指して真面目に楽しく、それぞれのペースで活動しているものです。
「そういえば、干しいもっておいしいよね」
そう思った方は、もう部員認定でございます(ぇ
だからといって、べつに名乗らなくてもいいのです(言っていただけると喜びます!)。部員だからといって、投稿する、意見を発信する、各投稿を巡回する、などの縛りもありません。
ただ「干しいもっておいしいな」という気持ちがあればそれでいいのです。我々のnoteをちらと立ち読みしていただいて「ちょっと作ってみよう」とか「ちょっと買ってみよう」。いつもの生活に、ちょっと潤いや話題が足されたならば、それでいいのです。なぜならば
「知識と経験と干しいもは人類の宝」
だからです。
大事なことは二回言うのである。ね(*´∀`*)
* * *
三兄弟あるいは三姉妹
さて、
今回はこの画像から始めましょう。お皿は、日本の年中行事である、ヤマザキ春のパンまつりでいただいたものであるよ。ありがとうヤマザキパン。
その皿に乗るこれらは、品種の異なる干しいもである。横にシマシマがあるように見えるのは、オーブンレンジの網の跡ですよ。決してヨコシマな人が作ってるからではありません、断じて(ココ、大事ヨ。テスト出ルヨ)。
この3つのおいもは左から順に
・紅あずま(自作)
・紅はるか(自作)
・隼人芋(購入品)
です。ね。違うでしょ?
しれっと言ったが見慣れないものがある。
まずは、右側のものに関するお話です。
きんこ
先日わたしは、ちょっとつぶやきました。
今一度、一番右をご覧ください。
だいだい色のやべぇやつです。干しいも好きの方は、ご存知かもしれませぬ。きんこイモです。もっぺん言いまっせ。
き ん こ イ モ
金庫? え? なにが?
正体はこちらです。
三重県産の干しいもです。これをご存じの方は、美味しいものに敏感な方か、地元が近い方か、…コアな干しいもファンですね?
志摩のほうでは、干したナマコを「きんこ」と言うようで、これに形が似ていて、きんこイモというようになったとのこと。三重のお友達もそう言ってました。
わたしたちが普段接する干しいもは、蒸切干といって、生いもを蒸す工程がある。一方、きんこイモは、煮切干という製法で、蒸す代わりにイモを大鍋で煮るのである。煮て甘くなるのである。これを平干しとするのであった。
わたしがごたごた言うよりも、ホンモノをご覧いただくのが確実である。何事も現地現物である。現地は流行り病のせいで、今どき難しいけど。バイクがあれば「次の休み、日帰りしてくる。三重の海沿いなら凍ってないでしょ」となるのであった。
わたしが購入したものは、干してはあるものの表面はなめらかでべとべとせず、粉をふくような感じはしない。
このだいだい色を一口かじると、控えめな甘さとともに、にんじんのような香りが広がる。これはきっとカロテンの仕業である。白菜でも、オレンジ色のものはにんじんに似た香りがある。
甘さが控えめというのは、自作や市販品の紅はるかに比べた印象である。自然の甘さ、という造語に当てはまるのはこういう味だろう、と思う。この甘さに慣れると、紅はるかは「ベトっとしたわかりやすい甘さ」にも思える。イモに含まれる糖の割合が違うのであろう。
また、煮ているからなのか、どこをかじっても歯ざわりは変わらない。筋っぽい感じも全くない。
ひとつ、ふたつ、と食べてカロテンにも慣れてくると、控えめだと思っていた甘さがちょうどよく思えてくる。滋味、という表現があるけれども、じわじわくるよ、この美味しさ。
なんかさー、見た目ほど派手じゃないよね、と一旦は拍子抜けしたところが、実は堅実でとてもイイ人だった、という感じ。
知る人ぞ知る、志摩の逸品。
紅あずま と 紅はるか
紅あずまは、ほくほく系、といわれるものである。
画像の左側の紅あずまと、真ん中の紅はるかは、自作である。
焼きいもで「ほくほく系」と「ねっとり系」とがあると言われている。二大派閥である。
ねっとり系は、紅はるかである。
ほくほく系は、紅あずまである。
素人には、この名前はちょっとまぎらわしいね。
わたしが買ったとき、紅あずまと紅はるかは、お店において、隣あった箱にそれぞれ入っていたのである。わたしは紅はるかの箱から数個選んで買うたのである。
しかし、加熱したものの皮を剥くと、粉っぽい。これは、紅はるかと異なる質感である。
誰か、売り場で箱に戻すときに間違うたのであろう。それを手にとって、わたしは帰宅したのであった。わたしにはこの2種類の見分けはつかない。そんなん無理である、かんじぇんに。
そして、紅あずま@ほくほく系を、同じように干しいも作製プロセスに乗せるのであった。出来たものは、色味が明るい。そしてでんぷん質のような濁りが見られる(ふかしたじゃがいもを割ったときに、光を受けてキラキラするようなアレです)。
一口かじると、焼きいもを思わせる香りと舌触りであった。これはこれで、紅はるか@ねっとり系とは違った路線で、十分においしいものである。昔ながらの味、という気もする。炊飯器様のお力添えにより、加熱による糖化がうまく行ったのであろう。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hrj/17/4/17_449/_pdf/-char/en
焼きいもの食味が異なるサツマイモ 6 品種の遊離糖およびデンプン含量に対する貯蔵期間の影響ならびにこれら成分値による甘味,肉質の数値化
焼きいもの文献ではあるけれど、これによれば、加熱後のデンプン含量は紅あずまのほうが紅はるかに比べて1.5倍ほどの量であって、これが干しいもとした場合でもほくほくとねっとりの差を感じさせるのだと思われる。
一方で、デンプン含量に差があるということは、糖化した成分の量に差があって、文献情報からすると「甘さに違いがある=紅はるかの方が甘いはず」という予想が立つのである。
文献値は、たとえば実際に炊飯器でふかす工程のものと必ずしも一致するものではないのであるから、目安として知っておく程度でよいように思う。
わたしが作ったものについて、実際の食味(甘さ)は、紅はるかのほうが「ダイレクトな甘さ」「おお! 甘いぞ」であって、紅あずまの方は「比較的やさしい甘さ」「自然な甘さ〜♪」という語彙で表現されるものであった。
まとめ
①きんこいも、という
志摩の干しいもは個性的でおいしいものである。
②自作干しいもで、同じプロセスで作っても
ほくほく系〜ねっとり系といった
いもの種類による個性を楽しめる。
ということであった。
もうすぐで干しいもシーズンは終わるけれど
もうちょっと自作は楽しめるよ
ヾ(*´∀`*)ノ
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