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落ち葉を踏む

今、ぱらぱらと落ちてきた、若い落ち葉を踏む。落ち葉はからからと音を立てて潰れる。そういう秋の初めごろに、まだ生命を宿しているような若い落ち葉を踏む。冬の終わりの朝露に濡れた、落ち葉では味わえない、爽快な気分になる。その落ち葉はどこから落ちてきたのか、その落ち葉はまだ木にぶら下がっているつもりなのかもしれない。落ち葉の踏んだときに立てる音は、生命が踊っているような気がする。落ち葉が道の至るところにあると言うのではない。むしろ、落ち葉と 10歩前ぐらいから認識できるほど、まだ数は多くないけれども、確実に僕の歩く先先に落ち葉が落ちている。それをめがけて、僕は歩く。昼休みの密かな楽しみである。

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