雑誌のなかの宇宙
何気なく読んでいると、驚きのことを知るツール。
それは、雑誌です。
特にジャンルは選ばず読みます。芸の肥やし、です。
今日は、これに目を通した。
地名については、その地歴を語る無形文化財論者である夢酔。
区画整理して、下品な「朝日ヶ丘」「希望ヶ丘」「緑ヶ丘」みたいに、薄っぺらい地名に変える風潮がこれまでの日本に横行した。高度経済成長期の残骸廃棄の穴を埋め立てた場所だとか、河川の流れを都合よくいじくって、旧青線上にただ盛り土をしただけの造成とか、叩けば埃の出る自治体は日本各地に転がっているでしょう。そういう地歴が明確ならいいですけど、たいがい、臭い物に蓋をするのがオカミのすること。
その結果。
平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害が起きましたね。
広島県広島市北部の安佐北区や安佐南区の住宅地などで発生した,
大規模な土砂災害。でも、元々はそんな地名ではない。この地区では過去、3つの川が合流する地点であることから河川災害が生じていた。「蛇王池物語」という伝説もあった。かつてこの一帯は「蛇落地悪谷」と呼ばれ、蛇が降るような水害が多かったことから「悪谷」と呼ばれていたという声もある。「蛇落地」報から「上楽地」に替わり、その地名は昭和40年代まで残ったという。ただし、広島市郷土資料館や安佐南区役所では、存在したことを示す資料はないという見解だ。
是非は別として、たいがい「さんずい」とか「りゅう」とか「じゃ」などという漢字や、それの変じた地名の箇所は、水地であることが多い。
東北地方に多い『カマ』の付く地名は、古語の『噛マ』に通じ、津波によって湾曲型に侵食された地形を表す。ああ、塩釜がありますね。その他にも、古語で水を意味する『アカ』『アケ』『アク』、えぐれた土地を意味する『クラ』『クレ』が付く沿岸部の地名もある。過去の経験を、故人が教え伝えているのでしょうか。地名とは、不思議です。
縁起のいい地名もありますが、ちゃんと向き合わないといけないもの。
ああ、ひとつ勉強になりました!
「一個人」は以前、KKベストセラーズだったけど、いまは版元が一個人出版。どことなく、以前の印象より垢ぬけた誌面のように感じる。
面白い地名もありました。
潮来:古来「伊多久」「板久」だったのを水戸黄門が改称させた
喜連川:荒川を狐川と呼んだ、又は荒川と内川が来て連なる(合流)だから
草津:温泉が臭水、クソウズになり変化した
内藤みか様の「今週は雑誌を読みました」に、ちょっと触発されました。
診察室での暇つぶしとしては、とっても益なり、です!