雨ニモマケズ、風ニモマケズ、雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ防災がしたい。
冬にも夏にも対応した防災がしたい。そう考えていた時にこの有名な一説を思い出した。
令和6年能登半島地震は1月1日、東日本大震災は3月11日。阪神淡路大震災は1月17日だった。この3件の巨大地震に関しては寒さの厳しい時期に発生したものだ。寒さは、人間の心も体も消耗させる。
どんなものがあれば、冬の災害に役立つだろうか。
カイロ、防寒着、マフラー、手袋、軍手、靴下、帽子(毛糸のものがあれば尚良し)。衣料品は重要だ。カイロは言うまでもない。
カセットコンロ、ガスボンベ、水の備蓄(これらは季節を問わず)。電気を使わず使用できるストーブ。アウトドア用品などの火が起こせる道具。
もちろん、使用時の注意は必要だ。カイロは身に着けたまま寝ると低温やけどの原因になるし、石油や火は、余震の可能性がある中では注意しながら使用する必要がある。しかしながら、温かさが救いになることは間違いないだろう。
では、夏はどうだろうか。
停電している場合、冷蔵冷凍庫も次第に温度が上がってくる。エアコンも効かない状態は想像するのも恐ろしいが、備えられるものを考えてみる。
扇子、うちわ、制汗スプレー、汗拭きシート(ウエットティッシュ可)、冷えピタ、叩くと冷える保冷剤、あせもの薬。蚊取り線香、電池式の蚊取り、殺虫剤、においを抑える袋。
熱中症や脱水症状を防ぐためにも、やはり水は必須である。また食中毒を未然に防ぐためにもカセットコンロやガスボンベが必須なのは変わらない。
不衛生からくる病気にも注意したい。また被災してしばらくはごみの回収も来ることができないので、出たごみはしばらく家庭で保管することになる。その際の悪臭、そして虫害に備えたい。
余震の恐怖の中どうにか眠ろうとするが暑さにうなされ、蚊の「プ~ン」という羽音にイライラして体を起こすと、ごみのそばに虫を発見…最悪のシチュエーションである。書いているだけで背筋が凍る。
防災や備蓄というと、食べるものをイメージすることも多いだろう。しかし、私たちの生活は実に多くのモノの力を借りて成り立っている。平常時にそれを実感することは少ない。
夏に冬の、冬に夏の備えをすることは現実的ではない。今は3月だが、あなたがこの記事を読んでくださっているのはどんな日だろうか。明日震災が起こるとわかっていたら、何を備えるだろうか。
その繰り返しが、季節に合わせた防災の積み重ねになってあなたと家族を守る。その一助になれたら嬉しい。