詩 巌窟王
有体に言えばどっちつかず
君は富に仕えるのか
もしくは神に仕えるのか
後者にしては、と私が言う
君の答弁が振るっていてね
僕の妻はお金のないあなたなんて
あなたじゃない お金に塗れるべきよ
という
妻のことばは絶対だ
僕のママのいいつけなんだ
H(妻)のいうことを聞くようにと
誰だって僕の影でさえ踏ませない
それだけの男なんだ 僕は
金の力ふんだんに
愛しい妻に使わせたい
君は重症者だ
何が君にとって価値あるかは知らない
ミダス王のように何もかも金にしてしまう
手を持たないとわからないか
君の周りにはおべっか使いが
いつもたむろし
君の自尊心をなぶり
その購買欲を掻き立てるに
専心してる 嫌な奴らばかり
裸の王様よろしく
真実の言葉はなく
寄せる偽り
君も気づいてるだろう
8月某日
かの日は暑い日だった
よせというのに
君は城壁に立ち
二心を持つ妖しい女の裸を見て
魅了させられ
性的充足感を満足させた
君の奥方ときたら
涙するのでもなく
実際その女は彼女の廻し者
そうやってあてがっておけば
自分の秘密の相手達も許されるだろうと
まことしやかな夫婦というもの
こういうもの
嫌になる こういうのは
もう嫌になるよ ああほんともう嫌だ
シェイクスピアの言うように
真心と真心で向き合いたいのさ
その時虹は上がり
勇ましくラッパが鳴り
銀色の馬に跨がった一人の乙女
乙女の唇が眠っている君の唇に触れたとき
逆白雪姫のように君は目覚めるのさ
が、その乙女だっていざっていうときは
きびすを返して離れていく
君が真の意味で道化ではなく人間で
迷信などに惑わされない
誰がみてもいい男でなくては
君への期待は僅かな人が持つばかり
そうだった こんな嫌なループを
断ち切るでもない君に絶望してしまう
ああ君は一体どういう道をいくのだ
私がいくらアドバイスしようと
頑迷な 一徹な 気強さ
ママが言うんだ
妻の言葉を君の鑑としなさいと
誰かこの男をどうにかしてくれ
この男の巌のような気持ち
全く不動だ
私はしっぽを巻いて逃げるね