子育てエッセイ : 娘たちが僕に対して始めた男女平等運動

僕は今、奥さんと2人で生活している。
長女は今年結婚し、次女も来春遅くとも秋には結婚する予定だ。
長女のパートナーは同じ大学の人、次女のパートナーも同じ専門学校の人、何方のパートナーも東京の人なので、娘たち自身も東京で就職したこともあり
地元に帰って来ることはないと思う。

僕と奥さんは今家事を分担している。 
奥さんは子ども相手の仕事をしているため、朝は9時頃家を出れば良いが、僕は朝7時には家を出なくてはならない。
そのため朝は、奥さんが掃除洗濯、朝食の用意と僕のお弁当作りをする。
僕は朝は余り時間がないので、トイレ掃除とゴミ出しが分担だ。

奥さんは出社時間が遅い分、帰る時間も遅い。
奥さんが帰って来るのは夜の8時近い。
ところが僕は残業がない限り、5時には退社出来る
僕が家に着いてまず最初にすることは、洗濯物を取り込むこと。
そしてお風呂掃除をして、お弁当箱を洗う。
お風呂のお湯を入れながら洗濯物を畳む。
アイロンがけは奥さんの担当、僕はアイロンがけの
才能がない、と奥さんに言われている。
夕食は共同作業。おでんの様な料理は温めるだけになっているが、例えば野菜炒めならば、奥さんはカットした野菜と肉の解凍をしてくれてあるので、
僕は実際にその材料を使って野菜炒めを作る。
焼き魚ならば、魚を焼くのは僕の担当だ。

奥さんが子どもたちの都合で早く出社しなくてはいけない時は、僕が夕食を最初から作る。
だから、カレーの様な簡単な料理は、そういう時のために僕が作れるように、奥さんは普段は作らないことになっている。
だから僕が作る夕食のメニューは、作り方が殆ど同じ、カレー、シチュー、ハヤシライス、クラムチャウダー等が多い。
パスタ料理も僕の担当だ。
揚げ物や煮物は奥さんが担当している。
日曜日は3食奥さんが作ってくれるが、庭の草むしり等は僕の担当だ。

僕の奥さんは幼稚園の保母さんをしていた。
保育士の資格には2種類ある。保育園の保母さんになるための資格と幼稚園の保母さんになるための資格だ。みんな何方にも就職出来るように短大の時に2つ資格を取る。

昭和の時代、保育園や幼稚園の数が少なかったため
保育士の資格を取っても働く場所がなくて就職出来ない若い女の人たちが少なからずいた。
保育園の保母さんは公務員みたいなものだから、
定年するまで保育園を辞めない。
そこで、保育士の資格を持っていて空きが出るのを待っている女の人たちの受け皿になっていたのが、
幼稚園だった。
だから幼稚園の保母さんは基本的に結婚したら
保母さんを辞めなくてはならなかった。

子どもが大好きだった奥さんは、結婚すると。
子どもが2人欲しいと言った。そして、自分は保母さんを辞めなくてはならなかったから、自分の子どもを一生懸命育てたいと言った。
そして、2人目の子どもが小学校に入学するまでは
子育てに専念したいので、専業主婦にさせて欲しいと言った。
僕は同意した。

長女が小学校1年生で次女が幼稚園の年小さんになったある日のこと。
娘たちは僕に対してクレームをつけて来た。
内容は、お母さんは朝から晩まで、お料理をしたり お掃除洗濯もし真面目に働いているのに、お父さんは手伝いを何もしない。日曜日はお母さんに働かせてお父さんは家でただゴロゴロしているだけ、
不平等であるというものだった。
元々女の子はお母さんの味方ということもあり、
お母さんがかわいそうだと思わないか、とまで 
言われてしまった。

奥さんは事情を説明し援護射撃をしてくれたのだが
この頃の娘たちには、会社で仕事をすることの大変さは理解出来なかったため、不平等であるの一点張りで、奥さんの家庭内地位向上のため男女平等を訴えることになった。

結局、ゴミ捨てやトイレ掃除、お風呂掃除は僕がすることになり、日曜日の昼食当番シリーズでフォロワー様はご存知のように、料理も始めることになった。

今思うと、この時から家事を手伝うようになって良かったと思っている。
結婚生活の早い段階から家事に参加すると、家事をすることが苦にならなくなるし、抵抗感もなくなる

僕は個人的に女の人は、料理がまるっきり出来ない男とは結婚しない方が良いと思っている。
掃除や洗濯は、やる気があれば出来る、やる気の問題でしかない。
ところが料理だけは、それなりの知識と訓練が必要
大抵の場合、歳を取ると男の方が先に動けなくなるが、女の人の方が先に動けなくなることも当然ある
その場合、旦那さんが料理というものをまるっきり出来なければ、毎日コンビニのお弁当とかお惣菜屋さんのコロッケみたいな物ばかり食べさせられることになる。
これでは女の人も困ると思う。

今年の奥さんの誕生日の昼食に、僕は奥さんが好きなマカロニグラタンを作り、サラダとコンソメの溶き卵のスープにカットしたトマトとスライスした
きゅうりを入れた物を作った。
奥さんは食べる前にスマホで写真を撮り、娘たちにLINEで、お父さんがお母さんの誕生日に作ってくれた料理だよ、と言って送った。
30分もしない内に娘たちからLINEの返信が来た。
次女は
美味しそう〜。
お父さん、お母さんのためにキャベツの千切りを
練習してあげて、このサラダのキャベツは千切り
じゃなくてぶつ切りだからね。
長女からは
お母さん、良かったね。
お父さん、お父さんの料理の味付けは濃いから
お母さんに作ってあげる時は薄味にしてあげてね
と書いてあった。

奥さんのために料理を作ると娘たちにも喜ばれる




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