
【イタリア大学院留学】5. イタリア入国(前編): ドイツで鉄分を大量摂取したはなし
どうも皆さま、こんにちは。
生活初期の出費で預金残高が減るたびに肝を冷やしております、アラサー社会人留学生です。
さて、前回の記事まででビザ取得〜出国準備までを終わらせることができました。
今回・次回の2つの記事を通して、日本を飛び出してイタリアに入国するまでの様子を前後編に分けて振り返っていきたいと思います。
(前回までの記事は以下よりご覧ください)
今回はイタリア入国編・前編として、乗り継ぎ先のドイツに到着し、イタリアに向けて出発するまでをお伝えしたいと思います。
1. (出国前日〜当日)バイバイ、日本
(出国前日)日本最後の夜
この日の午前まで実家でのんびり()過ごし、午後に東京入り。

最高の旅立ち(多分)。
かつて住んでいた五反田にて手配しておいたカプセルホテルに入ります。
(2024年9月現在、サウナ入り放題で1泊約3,000円。相当安いのではないでしょうか)
出国前の滞在場所ですが、実家や親戚の家など、無料で泊まれる場所がない方にしてみれば、安いに越したことはありませんよね。おそらくこの時点での累計出費も相当なものになっているかと思いますので、加えて追加でのホテル予約は頭の痛む問題でしょう。
しかし、ここでは価格についてある程度覚悟した上で以下を優先することを強くお勧めします。
寝心地が良いか(ある程度のクオリティの場所か)
空港までのアクセスが良いか(空港までの最寄駅・バス停まで徒歩5~10分)
食事処が多いか(理由は後述します)
見出しから想像がつく方もいるかとは思いますが、日本から乗り継ぎ先のドイツまでが座りっぱなしで14時間半、そこから乗り継ぎ時間を含めてイタリアまでほぼ丸一日かかります。日本最後の夜にきちんと寝られるかどうかが、長旅の充実度合いを大きく左右するのです(私は寝不足で終始深夜テンションでした、、、)。
某スタートアップではありませんが、寝ましょう。
そして空港(または空港に向かう手段の最寄り)までのアクセス、めっちゃ大事です。空港までタクシーで向かう方、空港隣接(またはそれに近い)施設に泊まる方は考えなくてと思いますが、合計30kg程度の荷物を持って、しかも蒸し暑い東京の街中を20分も30分も歩きたくはないでしょう。考えただけで汗かきますし、荷物を考慮すると普段同じ距離にかかる時間の1.5~2倍かかると踏んで良いと思います。
上記の理由から羽田・成田両空港まで乗り換え1回で向かうことができ、かつ最低限の寝心地が担保された上記のホテルで日本最後の夜を過ごしたのでした。
ちなみに日本最後の晩餐は、焼肉。

しばしのお別れです。
大戸屋かやよい軒で定食を食べていこうと最初は思いましたが、やよい軒はホテルからやや距離があり、大戸屋はホテルで仕事を終えて向かったら既に閉まってました、、、日本食かは議論の余地ありですが「白飯でお腹いっぱいになる」という要素は満たせたのでOKです。出発前の食事の選択肢を多く持てるように、余裕があればホテル周辺のお店を見ておくとbetterでした。
その後若干アルコールを入れて作業をしていたらあっという間に日付を超えていました。フライト直前のMTG準備などやることをリストアップし、電車の時間上許容可能な睡眠時間は4時間。長旅前にバタバタしたくはありませんでしたが、恨むべきは私の要領の悪さ。帰国したら多少良くなっていることを願いましょう。

2年弱だけとはいえ、慣れ親しんだ土地で最後の夜を過ごします。
(出国当日)ホテル出発〜搭乗
2024年8月21日午前6時、チェックアウトを済ませ、いよいよ出発です。
フライト予定時刻は10:30。どうしてこんな早くに出発するのでしょうか。
理由は簡単。羽田と成田をホテルを予約した後まで勘違いしていたからです。
当初はJALのサイトで一括予約できる乗り継ぎを検討しており「羽田→ヘルシンキorロンドン→ボローニャ」を選択しようとしておりました。しかし、クレジットカードに問題が生じたこと、乗り換え時間が少々心許なかったこと、有事にイタリアから遠く離れた北欧または離島であるイギリスに放り出されるのは少々不安なこと、そして両親の新婚旅行先・ドイツに行ってみたいということで、JALの「成田→フランクフルト」便、そしてルフトハンザの「フランクフルト→ボローニャ」便をそれぞれ個別に購入したのでした(JALでの一括予約よりも少々高くなった記憶がありますが、より柔軟に予定を組むことができると考えれば安いものです)。
が、何故か羽田で予約したと勘違いしていたようです。本当に危ない、、
おそらくこんな勘違いをする人の方が珍しいと思いますが、羽田と成田のどっちからのフライトかは十分に確認しましょう。ターミナル単位の勘違いは救いようがありますが、空港単位の勘違いは笑えません。
かくして、羽田であれば30分程度で着く五反田から1時間半かけて成田まで向かいます。乗り換え回数が羽田行きと同じく1回(泉岳寺)で済んだのがせめてもの救いです。アクセス特急さん、お世話になりました。
7:40 成田空港着。現金を両替したり、チェックイン・保安検査を済ませます。
保安検査後の出国エリアはまだ国内なのにわくわくするものです。最後にここに来たのがコロナ直前の2020年3月。4年ぶり2回目で見覚えのあるものも多いですが、これから未踏の欧州に行くという実感が湧いてきます。わくわく。

しかしわくわくに浸っていたのもほんの束の間、スタバで手早く朝食を済ませ、出発ゲート前でMTG。社会人として日本での最後のひとときを過ごします。仕事場の皆さまにも快く送り出していただき、わくわくを取り戻しつつ搭乗案内が始まったゲートへ。

いよいよ出発です。
2. (出国)14時間半の過ごし方
カツカツ留学生の私、利用クラスはもちろんエコノミーです。
(将来はビジネスクラス程度をホイホイ使えるくらいになりたいですねぇ、、、)
搭乗率は7割ほど。すし詰めというわけでもなく、かといってスカスカで不安になることもない程よい混み具合。搭乗後すぐに扉が閉まり、離陸です。
成田空港上空を旋回しながら高度を上げた機体は一路、北を目指します。
戦争の影響か、東欧上空を通過できない都合上、北極経由の大回りルートとなったのでした(伯母からかつて「欧州はアンカレジ(アラスカ)経由で向かった」と聞きましたが、巡りめぐって似たようなルートだったかもしれませんね)。
美味しい機内食とワインを楽しみながら、北極の絶景を楽しむことができました。


東京を出た時よりも明るい。。。。
さて、見出しを回収します。
14時間半、何しましょう。
これ以前に最後に搭乗した長距離国際線はオーストラリア南部に向かうもので、所要時間は日本から直行便で10時間少々。その際は映画→機内食→仮眠を2周しましたが、今回はその1.5倍。前日のホテルで何しようか少し考えてましたが、結果的に以下のような時間配分となりました。
本2冊:3時間
機内食2回:1時間
仮眠:2時間程度
映画1.5本:4.5時間
30分アニメ4話:2時間
(その他トイレ、景色を眺める、周りの人と喋るなど:1時間)
見たいと思っていた映画が機内サービスに収録されておらず時間の使い方になかなか悩みましたが、映画を見始めてしまえばあっという間。2本目の映画が半ばで終わってしまったのは残念ですが、無事にフランクフルト国際空港に到着です。

地平線まで続く平坦な地形が、日本ではない異国に来たことをぼんやりと感じさせてくれます。

3. (ドイツ到着〜入国)ゲルマン魂のお出迎え
日本から地上での移動も含めて18時間。
ドイツの中心都市の1つであるフランクフルトに到着です。
フランクフルト国際空港の見取り図や乗り換え方法について全く調べていませんでしたが、たまたま席が隣だった日本からドイツに留学する日本の学生さんについていく形で空港内部へ(めっちゃ助かりました!ありがとうございました!)。
飛行機から空港の建物に移動してしばらく歩いて思ったことがひとつ。
質素すぎない?ほんとにドイツ最大級のハブ空港?
羽田や成田、そしてかつて訪れたホーチミンやメルボルン、シドニー、台北といった都市の大規模国際空港も華美ではないにしろ、随所にその土地を示す意匠が施されたりと、その土地の玄関口としてのアイデンティティを示す役割を担っているかと思います。
しかし、フランクフルト国際空港は確かにドイツ・フランクフルトの玄関口であるものの、まるで巨大なオフィスビル。日本人が考えるようないわゆる「ドイツらしさ」というものはあまり感じられず、機能性に全振りした質実剛健な建物という印象を受けました。
ドイツサッカーでよく聞く、質実剛健かつ堅実に、最後までやり切る「ゲルマン魂」という言葉を体現したような建物でした。

そこはかとなく感じる雰囲気は、まるで品川駅のそれ。
どこまでも機能的な空間です。
さて、日本からの国際線が到着した第2ターミナルからモノレールで空港内を移動し、イタリア行きの飛行機やフランクフルト市街地の電車が乗り入れる第1ターミナルへ移動します(ちなみに私は全く調べていません。たまたま一緒になった日本人の学生さんについていっただけです。本当に感謝です!)。
乗り換え時間に余裕を持たせるべく予約したフライトですが、第1ターミナル到着時点で出発まで5時間弱ありました。想定以上に移動から何からスムーズに行き、夕食を食べるにしても相当な時間が余ってしまいます。
ちなみにターミナルまで同行した日本人の学生さんはこれから市街地まで電車で移動するとのこと。電車で20分ほど、しかも行き先はドイツ最大級の鉄道ターミナル・フランクフルト中央駅。
日本の鉄道オタクとして、疲れたとはいえ空港で大人しくしている選択肢はありません。急遽その方についていき、フランクフルト中央駅まで寄り道することにしました。(言い忘れましたが私、鉄道オタクなのです)

写真に映る電車は路面電車風ですが、線路幅は日本の新幹線と同じ。
見た目以上に車体はでかいです。
そしてドイツの鉄道で移動する皆さま、切符はオンライン・現地決済関わらず、事前に買いましょう。切符売り場がどこにあるか分からず車内精算目当てで乗車したところ、罰金として通常運賃の10倍を請求されてしまいました、、、
4. (寄り道)鉄分大量摂取
さて、ここからタイトルを回収してまいります。
鉄分を取りすぎないよう、「スキ」ボタンまで通過していただいても結構です。
フランクフルト中央駅までは空港を出て、途中日本でも馴染みが深いと思われる「アイントラハト・フランクフルト」の本拠地を通って向かいます(「整えるマン」こと元日本代表の長谷部さんや現日本代表・鎌田選手がプレーしていたことで知っている方が多いのではないでしょうか)。
罰金こそ取られましたが、日本とは異なる欧州の、それも元祖・鉄道大国ドイツの鉄道です。日本とは異なる鉄分満載。
連接! 標準軌!! シーメンス!!!
別に特別な列車に乗っているわけではなく、ただの空港経由の普通電車です(日本でいう、京急とか京成、名鉄、関空快速などなど)。それでももうお腹いっぱい。運賃の10倍払ってでも来た甲斐がありました。
そうしてあっという間にフランクフルト中央駅に到着。自分を連れてきてくれた彼は別の都市に向かう特急に乗り換えるべく、到着後すぐにお別れ(切符の買い方はちゃんと教わり、その場で購入しました。不正乗車はしません)。
その後は阪急梅田も東急蒲田もびっくりの櫛形ホームでしばし鉄分に浸ります。

客車列車でも新幹線並みのスピードを出す、まさにロマンの塊。

いつか見てみたいと思っていましたが、思いがけない形で出会えました。
プラグドアに流線型、たまりません。

日本の新幹線でも1本しか付けられていない振動防止装置(ヨーダンパ)が2本。
そしてレールとの磁力で減速する機構、、、スピードへの情熱を感じます。
日本では両方ともごく一部の試作車、試験車でしか見られない構造。良いものを見ました。

壮観です。
1日中見ていられます。
とはいえせっかくフランクフルト市内まで来たのです。大きい荷物をゴロゴロ引っ張ってはいますが、せっかくなので駅の外にも出てみることにしましょう。

構造も複雑ではなく、ドイツ語が読めなくても勘と雰囲気で移動できてしまいます。
規模と移動のしやすさは京都駅のそれに近いですかね。
駅を中心として区画が整備されており、駅の正面には高層ビルも見えます。
いかにもドイツらしい街並みと、現代的な建築がマッチした綺麗な街並みです。

奥に見えるのがフランクフルトの金融街でしょうか。
ここに来てようやく海外に来たと実感しました。
駅の正面通りは非常に広くとられており、歩いていて気持ちの良い空間でした。
(「靴紐解けてるよ」と教えてくれたおじさま、ありがとうございました!)
ただし、先に謝っておきます。フランクフルト及びドイツの皆さま申し訳ございません。
臭い!!!通りが!!!
何が臭いかって、タバコと(おそらく)ドラッグです。
駅正面は良いものの、駅から5分程度歩き、正面通りから1本奥まった通りに入るだけでタバコとドラッグの煙臭く、それでいて少々甘ったるい匂いが鼻をつきます。
まして夜のお店が固まっていたり(さすがドイツ、看板からして刺激的でした)、移民と思われる方々がたむろしているところもいくつかあり、おそらく夜などはあまり安全ではないのかもしれないなと推察できました。
重い荷物をゴロゴロ引っ張り、ましてそこまで体格も大きくないアジア人の私などは格好のカモです。街の様子も肌で感じることができましたし、そこまで長居する必要もありません。駅前を20分少々ぶらぶらして、空港に戻ることにしました。

街の中心にふさわしい、重厚な作りをしています。
さて、空港に戻るにはこちらに来る時の電車と同じ系統に乗れば良いのですが、人についてくるだけで完全に失念しておりました。携帯のSIMを入れていなかったことを。海外ローミングの設定もしていなかったため、単純に圏外です(WiFiがあったかは記憶が定かではありませんが、セキュリティ上の観点から最後の手段として利用を避けていた気がします)。
空港に向かう路線系統は複数ある上に、発着ホームもその時々でまちまち。しっかりと路線案内を見ないとドイツで放り出される「有事」になりかねません。この記事前半で書いたように、わざわざドイツを経由地として選んだ意味がなくなってしまいます。
学部時代に少々勉強したドイツ語の知識をかき集め、何と空港行きの列車にたどり着くことができました。。。。よかった。。。。。。。
これを読まれている海外渡航予定の皆さま、ふらっと海外の街中に出る時はお気をつけて。
さて、空港に戻って夕食の野菜サンドを齧りつつ、いよいよイタリア・ボローニャに向かいます。

しかもこれ1つで6ユーロ(1,000円)、、、
イタリアを選んでよかったです。
5. (ドイツ出国)日本帰りのカップルとともに
オンライチェックインを済ませていたこともあり、手続き自体は非常に簡単。
無人カウンターでサクッと終わらせます。
そして案内された搭乗口に着いたところ、隣に「サマソニ」のリストバンドを
巻き、テレ東本舗の袋を持った外国人が、、、、
よくよく話を聞いたところ、イタリアから日本への旅行の帰りで、これから同じフライトでボローニャに帰るところだったのでした(もしかしたら日本からのフライトも同じだったかもしれませんね)。
搭乗までに彼らと日本やイタリアについて色々と話し、搭乗ゲートの変更があったことでターミナル内をぶらぶら回ります。
(↑これ、たまたま彼らが一緒にいたので気が付きましたが、私はメール通知をオフにしていたため気がつきませんでした。イタリア到着後にメールを確認すると、搭乗ゲートが2度変更されていました、、、本当に危なかったです。アナウンスがされた記憶もありませんし、もしされていたとしてもドイツ語で聞き取れていなかったでしょう。乗り換え一括購入ではなく個別に乗り換えをアレンジされる際は、十分にお気をつけください。)

いくら質素とはいえ、曲がりなりにもドイツ最大級の国際空港です。
ショップ類は相当に充実していました。
(私には利用する物理的スペースもお金もありませんでしたが、、、)

ドイツのフラッグキャリア・ルフトハンザの1大拠点ということもあり、
航空機や専用搭乗口が並びます。
五反田を出てからほぼ丸1日。現地時間の午後10時過ぎ(日本時間の午前5時過ぎ)に飛行機は出発。およそ1時間半のフライトで、いよいよイタリア・ボローニャに降り立ちます(東京と新千歳くらいの距離感です)。
ボローニャに到着してからの様子はまた次の機会に。

短距離国際線とはいえ、内装はかなり質素な作り。機能性全振りです。
日本のLCCとフラッグキャリアの中間程度のサービスレベルのように感じました。
おわりに
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
普段の私は相当に検討し、検討を重ねて準備するタイプ(=石橋を叩き壊して新しく作るタイプ)なので、行きずりで会った人にノープランでホイホイついて行くなんてまずしません。ですが、旅は道連れ。罰金こそ取られはしたものの、大したトラブルもなく思いがけない体験とつながりを得られたのは幸先の良いスタートだったように思います。ドイツの学生さん、そしてイタリアのカップルさん、ありがとうございました!(イタリアのカップルさんには、次回もお世話になる予定です)
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