【恋愛2】新町川から、あるでよ【徳島】
マッチングアプリで出会った女性と、やりとりして3週間。
意気投合して、お互いを理解し、認めあおうとするスタイルに心地良さを感じていた。
初めて会った日に告白。
そんなこと今までしたことなかった。
それまでは"自分の気持ちを相手に伝えること"を極端に恐れていた。
それを自然とさせてくれるような、海みたいな女性だった。
OKをもらい付き合い始めたが、高速バスが必要な絶妙な遠距離具合。
初めては画伯ちゃんの住む大阪で会ったので、2回目は相手の住む徳島へ向かった。
前回のnote↓↓↓
今までの流れはマガジン上にあります↓↓↓
2月15日 (1日目) 出発
いつもは朝6時に寝て、12時頃に起きる生活。
引きこもりニート。
しかしそんな感じで徳島に向かうと、着くのは夜になってしまう。
珍しく朝6時に起きた。
偉いね、画伯ちゃん。
出発直前、鏡で顔を見ながら"遊んで帰ってきたら顔つきって変わるのかな?"という自問。
疑問を解消すべく、自撮りをして「今から向かうね〜」と、相手にLINEを送った。
最寄り駅から阪急の梅田駅へ。バスがやってくるまで少し時間があった。
自然と体が動き、JR構内を突き抜けて、梅三小路へ。
2018年に"アスティとくしま"へHi-standardのライブを見に行った時と同じ行き方だった。当時も梅三小路の中にあるトイレへ行き、バスに乗る前に用を足したり身だしなみをチェックしていた。
時間があるとは言え、バス乗り場を少し超えて、ここまで体が勝手に動いた理由がわかった。
ハイスタを見に行った時と同じ行程を過ごして、リンクさせようとしてるんだ。気持ちを高めようとしてるんだ。運命づけようとしているんだ。
自分でそう気づいた。梅三のトイレの中で。
バス直前。聴いていたのは惜しくもHi-standardのギタリスト"横山健"のKen Yokoyamaの音源だった。
梅三を出て、"海部観光"の"大阪~徳島間"のバス乗り場へ。
ハイスタの時も撮影し間違えたが、今回もバス乗り場で押さえていたのは、南海バスの看板だった。
いつも本物を見つけられない...
1年ぶりの海部観光のバス。
こんな派手やっけな〜?と思いながら、予約していた1番後ろの席へ。
画伯ちゃんは後ろに人が居るの苦手。呼吸が下手くそになる
9:30にバスは出発した。
数十分経った頃、相手から「起きて用意してるよ〜♪」という連絡。
緊張とドキドキが混ざる。
ちょうど明石海峡大橋を渡るところだったので、海を見て落ち着こうとした。
雲が多すぎて!
相手に現在地を送り、リアルタイム感を演出していた。
唯一の休憩ポイント"室津PA"
Hi-standardの時は、コンビニ入り口とゴミ箱の間に、おもちゃのガチャガチャ台が山のようにあったのに無くなっていた。
当時一緒にバスに乗り合わせた、ハイスタ好きな友人カップルの女の子が、一生懸命回していた。
近くで「回してんなぁ〜」と思って、2人の様子を見ていたので、よく覚えている。
たった1年ちょっとでそんな変化があるなんて。
世界は変化していくね。画伯ちゃんにはこれからどんな変化が待っているのか。どんな変化を起こしていけるのかワクワクしていた。
改めて海部観光のバスに乗り込み、PAで買ったチキンを食べ、
また相手にリアルタイム感を見せつけていた。
うつらうつらしながら、車窓から外を眺めていると
浜辺と橋が綺麗に見える箇所があった。
海が大好きな画伯ちゃんは歓喜。目が覚めて何枚も写真に納めていた。
こんな風景が見れるなら、何度だって淡路島や四国方面へ来れる。
海には不思議な力がある。
海辺に住みたい。求めてる。大きな存在を。
ぎゅっと包み込まれたい。海に。
バスには大勢の乗客がいたが、ほとんどが大塚国際美術館で降りていった。
横の席にいた大声ではしゃぐ50代ほどの女性2人も去っていき、耳が痛くなるほど静かになった。
静寂を埋めるために、画伯ちゃんは逆サイドの海辺を撮影し始めた。
さらに1時間ほど経ち、もうすぐ徳島県内に着くアナウンス。
すでに乗客は数人しか居ない。みんな途中で降りちゃった。
やっぱりイスが派手になってないか?
ここで外の景色を見て気づいた。
"俺の大好きな風景までもうすぐだ!"
ハイスタのライブへ向かっていた時にも見た、タヌキの看板。
でっけぇ金玉と、少しシュールレアリスム気味な存在感がお気に入り。
今回も撮影したくてスタンバイしてたくさん撮影できた!
バスがカーブするとともに、見え方も変わるのが面白くて何枚も撮影してしまう。
細すぎ〜!
ふくらみ可愛い〜!
すごい光ってるね。また会おうね。
2013~2015年まで岡山県に住んでいたので、かなり久しぶりのハローズ発見に、センチメンタルな気持ちまで混ざり始めていた。
心を許してくれる人、心を許せる人。
もう何も失いたくない。誰も失いたくない。
そうだな。これからはハローズを見ても、センチメンタルにならないような記憶を作っていこう。
そうしよう。いい思い出で埋め尽くそうと考えていた。
最近、社会情勢の影響もあるのか閉店したと聞いた。
みんなの遊び場的なスポット。徳島の人はこのお店への思い入れが強いらしい。
ここも面白そうだから行ってみたかったな。
もう乗客は俺しか居なかった気がする。
ほぼ満席だったのに、徳島駅前まで乗る人はあんまりいないのかな。
徳島に到着
12:45分に徳島に到着。
1年ちょっとぶり〜!懐かしい!
木でできたハワイアンな雰囲気の、この海部観光の待合室。
少し狭いけど、中はとても綺麗。
もう相手は駅前で待っているとのことで、感傷もそこそこに徒歩で向かった。
1歩進むごとに、ハイスタを見に行った時の当時のことが鮮明に浮かび上がってくる。
並ぶお店、駅前の風景。どれを切り取っても懐かしい。
ダメだ。どうしてもセンチメンタルに。
今度はハイスタの時のことを、強く思い出してる。
泣きそう。
相手に会う前に泣くのはさすがにやばい。落ち着くために抗不安薬を飲もうか迷ったがやめといた。
素の状態で心や身体に刻みこみたかった。
良いも悪いもやっぱり全てしっかりと味わいたい。
Mなだけかもしれないけど。
13時。
待ち合わせのスターバックスに到着。
2週間ぶりの再会
一旦打ち解けたはずなのに、あっちはびっくりするくらい緊張していた。
心の距離を計り直していかないと!
桜仕様になったコーヒーを頼んで、先に飲んでいた相手と乾杯。
前回の点を踏まえ、かなりスローに行動するのを心掛けていた。
途中、周りの席の人が頼んでいた桜のケーキが気になった画伯ちゃん。
「買ったらいいやん〜♪」と言う相手。
「徳島的なご飯も食べたいから、どこでも楽しめそうなスタバのケーキをいま食べるのもったいない気がして...」
「ん〜じゃあ半分こして、ご飯も食べたらいいやん〜♪」
なんてポジティブな意見なんだ。
天才か、この人は。
すんごい高さ!
あげて大丈夫そうな動画だけ貼り付けておく。初めてこんな編集した。
桜のケーキは、めちゃくちゃ甘いけど、同時に渋み?苦味?みたいなのも来ていた。
画伯ちゃんはわかりやすい味が好きだから、いちごとかベタな方が好みかもしれない。
でも、また1つ物を知れた。
それを積み重ねるのは、とても大事なこと。
移動開始
もう15時を回っていた。
いつも喫茶店で過ごす時間が長すぎる気がする。2時間も経っていたなんて...
あっという間すぎて、思っていた流れは吹き飛んでいた。
相手に合わせてスローに。
そう心掛けるためには、流れを想定するときにもっと遊びの部分を差し込ませておかないといけないと気づいた。
考えすぎ病。心配性。すべてアドリブで大きく捉えていきたい。
懐かしい駅前の風景。
ビジョンには知らないアーティストが大阪心斎橋のライブハウスに出演することを告知していた。
あぁ。もう全部思い出した。
この半径500メートルくらいの光景を。
2018年当時、友人カップルとは行きの高速バス内、ライブ開演前、そして終演後のクロークまでしか一緒に居なかった。
それ以外は全部1人。
初めてだった。まったく1人で観光地を巡ったり、ご飯屋さんで食べたりするのは。
だから余計に覚えてるんだろうな。
寒い12月だったけど、妙に躁状態だったし。
当時も思った、情報詰め込みすぎな案内図。
ここも忘れられない。新町川。
当時、この階段を下っていった1番先で、少女が弾き語りしてるのを橋の上から見ていた。
画伯ちゃんの今までの行動で、誰かのこういうnote等に出演していたら嬉しいな。
当時の少女は読んでも気づかないだろうけど。
ギターの音も歌声も新町川に響いていた。とても良かった。
あるでよ徳島
2018年当時、1人で観光しながら阿波踊り会館に寄って、生の阿波踊りを見たり、資料を見たり、ケーブルカーに乗って眉山の頂上に行ったりしていた。
そのとき周りにはカップル、夫婦、カメラマンしかいない。
寂しさを感じた画伯ちゃんは、帰りに1階にある"あるでよ徳島"で木製のお箸を購入した。
やたらぶっといけど、いい香りがして気に入っていた。
何も持たない手にそれを持つことで、"目的のある人"になれた気がした。
1人でいても恥ずかしさは幾分かマシになっていた。
2020年現在。
このお箸が少し古くなっていたので、もう1セット新品を手に入れようと思い、この日わざわざ相手に付き合ってもらった。
今回の画伯ちゃんの目的の1つだった。
やってへんやん!
嘘やん!絶対にやってるものだと思い込みすぎて調べもしてなかった...
悲しい...
めちゃくちゃしょげていると、
「また3月以降にでも一緒に行こう〜♪」
と相手が励ましてくれた。
確かに。また徳島で会える約束できたからいいか!
画伯ちゃんは前を向けた。
相手の言葉はポジティブな気持ちにさせてくれる。
ポスター見てワクワクしたり
その場で買えばいいのに、"徳島珈琲いつか飲みたいな"と思って通り過ぎたり
その奥のコインランドリーの暗さが、大阪のそれとは違いすぎたりしていたことに驚いていた。
ホテル到着
今回は1泊2日の予定だったため、相手が用意してくれたビジネスホテルへ。
朝食無料!?
楽しみすぎる...
ううう。
顔はめパネル撮りたい。
「撮ってあげるよ〜♪」
はい、ちーず
楽しそうね、画伯ちゃん。
部屋に着くなり相手が窓辺のカーテンを開けて外を眺めていた。
「何かあるの?」と聞くと
「あそこは○○で〜。あそこはね〜」と見える範囲内のことを教えてくれた。
あれ?なにこれ!
このとき急に現実感が喪われた。夢のような感覚。
彼女は魔法が使えるのかもしれない。それか2人きりで、周りに気を使わなくていいから安心しきったのかも。
画伯ちゃんは包まれて、海のなかで泳いでいた。
心が洗われていくような。
なんだろう。甘い香りがした。
良かったんだ。これで良かった。
生きててよかった。
良かったんだ。
そのまま永遠が薄く延びて、白くなっていった。
心の奥で、目と目を合わせた。
時間は、どんな顔で俺の顔を見ていたんだろう?
スイマーのような画伯ちゃんを。
つづく
(今回のテーマソング:チャットモンチー 風吹けば恋)
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