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SFプロトタイピング

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SFプロトタイピングの提言に沿って、ストーリーを作ってみます。
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記事一覧

SFプロトタイピング、バランスのとれた人選と分担が肝になるか?

SFプロトタイピングというアイディアの要点の一つは、発想したものを実際のビジネスに繋げていくところであると考えている。 しかし、同じ人間・同じメンバーが、SF的思考を経営やマーケティングのフレームワークに乗っけていこうとして果たしてうまくいくだろうか? 未来を創造する能力とビジネスベースに乗っけていく才能は別物のような気がする。両立していた人が一体どれだけ存在したのだろうか? これはリーダーとマネジャーが異なる才能が求められることに似る。 目的・目標を創造するのかリー

SF的小噺 「八話 ビーナス」

ビーナスの首飾り。人類が作り出した史上最大の構造物。金星の赤道直上数万キロの高さをぐるりと取り囲むリングである。 その目的はテラホーミング実験である。惑星改造技術の実験として作られた。 地表に作られた二酸化炭素分解設備に対して、「首飾り」からエネルギ供給するのだ。首飾りは太陽を周回する発電衛生群からのマイクロ波送電を受信し、それを地表に転送する。また制御も行っている。 リング上には金星政府もある。金星政府は前世紀の世界大戦を逃れてきた難民たちで構成されている。彼らは過酷

火星開発も現実的になってきた

 なぜ、火星に行くのか?  ワニブックスの『本気で考える 火星の住み方』を読んでみた。  「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が過ぎていた、、、」。機動戦士ガンダムの冒頭ではこんなナレーションが流れていた。現実にはコスパが、悪すぎて移民は目的にはならないだろう。  アメリカ主導の月開発プロジェクト「アルテミス計画」には、「企業が月の経済を構築するための基礎を作る」という目的が明記されているそうだ。  つまり、経済圏の宇宙への拡大が目的という

SF的小噺「七話 食糧」

 長期休暇のついでに欧州と呼ばれた地域にある食料工場を訪れた。  前世紀の核兵器・生物兵器の多用により土壌・海洋は汚染され、現代の地球では昔のような農業や漁業は営まれなくなった。全て工場で作られる。  工場では、宇宙での移民・移住により発達した高効率の食料生産技術が応用されることになった。  工場といっても、人間が従来食料としてきた動植物や昆虫を超高効率で生育させる場所である。宇宙では、有機物を合成するタイプの食料生産技術も普及してきているが、地球上ではまだまだこれから

SF的小噺「六話 B.G.の罪」

 B.G.は、工業国家「サイロン」の前身となる通信デバイスの宇宙工場に多額の出資を行った。  その後、地球上の環境活動家達を組織して、世界規模の環境破壊防止キャンペーンを行った。デバイス生産に伴う廃棄物が地球を人の住めない世界にするということを主張させ、世界中のデバイス工場を操業停止に追い込んだ。自分の投資した工場の製品での寡占化を狙ったのだ。  それだけなら良かったのだが、活動に反対を唱える人たちを迫害しテロ行為に及んだ。そして、それが国家間の紛争に発展するまでになって

地球の文明はまだ赤ちゃんレベル

 ユーチューブ「真実の目」で、宇宙文明のレベル分けをした「カルダチェフ・スケール」なるものを紹介していた。  このスケールは、その文明が一秒間に生み出せるエネルギー量により計算されるらしい。それによると、地球の文明はまだレベル0.7にすぎないという。0.1上げるにはエネルギー発生量を10倍にする必要がある。  レベル1に達するには全てのエネルギーを核融合に切り替えるぐらいでなければ実現できないそうだ。  最近、巷では「脱成長」がはやっているとか。まだ成長していないのに「

SF的小噺「五話 B.G.」

 今日は長期休暇一日目。旧アメリカ合衆国の保護エリアに来た。「除染」が終わり立ち入りできるようになったからだ。  シアトル。旧アメリカ合衆国の都市である。ここには、大戦前の事件を展示した博物館がある。人間が再び過ちを起こさないための戒めのためだ。  博物館奥の一角に「B.G.」と書かれた看板と、一人の人間、いや1台の旧式サイボーグが座っている。腰から上だけのサイボーグだ。  B.G.は大戦前から数百年を生きる元・人間だ。大衆向けのソフトウエアで巨万の富を築いた後も様々に

SF的小噺「四話 オリュンポス」

 地中海の海上都市国家「オリュンポス」は遺伝子操作とサイボーグ技術で不死となった12人の神の如きサイボーグが統治する国だ。  彼らはBMIを介して統治AIと接続され、互いに意識を共有していると言われる。  人が生きられないような環境で活動し、たとえ肉体が失われてもAIに同期された情報から意識も含めて復活することができるとされる。彼らは人間の意識の秘密を知ったのかもしれない。  今回の会議、私を呼んだのは「太陽の国」だ。12人の超人相手に、トランスレーターが何をできるかわ

SF的小噺「三話 太陽の国」

今日はアフリカのサハラ砂漠に建国された「太陽の国」と地中海の海上都市国家「オリュンポス」との会議だ。 「太陽の国」は「サイロン」と同じく機械の国だ。新エネルギー開発用AIが独立を宣言し、建国された。彼らは砂漠の地下深くに、核融合炉を含むありとあらゆるあるエネルギー発生装置を構築し運用している。いまや地球上の人類の使うエネルギーの多くがここから供給されている。 また、彼らは任意の空間をプラズマ化しそれを移動させる技術を持っている。これは、前世紀にアメリカが進めていたUAP研

SF的小噺「二話 サイロン」

 今回の仕事の依頼は、地球の公転軌道上にある工業国家「サイロン」からのものだ。サイロンは、人類がレーザー通信に使う素材・デバイスを一手に引き受ける重要な宇宙都市国家だ。毎年定期的に行われるデバイス供給量についての交渉のようだ。  ちなみにサイロンには人間はいない。戦前に作られた資源・デバイス管理システムAIが世界大戦中に独立を宣言して建国された変わった国だ。数千機に及ぶ高加速航宙艦艇を有し、人類が争いを始めると仲裁に入ってくる。今では国際警察のような役割を果たしている。

SF的小噺「一話 トランスレーター」

 私の職業は「トランスレーター」。トランスレーターである私の仕事は、遺伝子操作とサイボーグ技術により拡張・強化されたミラーニューロンを使って、相手の感情・意思を読み取り、AIに対してより適切な翻訳内容をアドバイスをすることである。  前世紀、通訳という仕事があったという。二つまたはそれ以上の言語をマスターし、外国人同士のコミュニケーションをつなぐ大切な仕事だったと聞いている。今では通訳の仕事はリアルタイム翻訳できるAIに置き換えられた。まるで、目の間にいる北アメリカ帝国人が