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SF的小噺「五話 B.G.」
今日は長期休暇一日目。旧アメリカ合衆国の保護エリアに来た。「除染」が終わり立ち入りできるようになったからだ。
シアトル。旧アメリカ合衆国の都市である。ここには、大戦前の事件を展示した博物館がある。人間が再び過ちを起こさないための戒めのためだ。
博物館奥の一角に「B.G.」と書かれた看板と、一人の人間、いや1台の旧式サイボーグが座っている。腰から上だけのサイボーグだ。
B.G.は大戦前から数百年を生きる元・人間だ。大衆向けのソフトウエアで巨万の富を築いた後も様々に事業を行ってきた。
エネルギー危機をあおり原子炉を売りさばく。テロ国家と被害国の双方に投資し荒稼ぎ。巨万の富を悪用して、マッチポンプビジネスを発展させてさらに富を増やした。
その脳は、生前そっくりの鉄とプラスチックの義体に納められ、歴史の証言者として博物館に置いてある。
彼が、ここに展示されるようになったのは...
つづく