工場で学んだ「労働」と「忍耐」、そして感謝
実は、その時に無料掲載のご案内で伺ったパン屋さんとは、今でもいいお付き合いを続けています。やっぱり「人」ですね!!!!と改めて感じる日々です。
さて、A社を辞めて再び失業です(笑)もちろん、Yにも相談していましたが、正直言って、やりたいことなんてもうわからない状態でした。ただ、生活費は稼がなきゃいけないので、次に選んだのが「期間工」の仕事でした。3か月の契約で、満了すると100万円がもらえるという条件があったのを覚えています。工場勤務は未経験で、ライン作業が退屈そうだと思っていた私は、まさか自分がその仕事を選ぶとは思いもしませんでした。
お仕事は夜勤と昼勤の二交代制で、毎日3時間の残業がありました。冬の寒い時期、おにぎりを昼食として毎日持って通っていました。そういえば、その年に新車を買ったばかりで、車のローンもあったんです。払わないわけにはいかないから、必死でした。ところが、ある日疲労がピークに達して、車を駐車場のポールにぶつけてしまったんです(笑)本当に絶望的な気持ちになりましたが、それでも何とか3か月を乗り切りました。
この仕事を選んだのは、Yが「これ続けられたら本当に尊敬する。俺には絶対できないから」と言ってくれたのがきっかけでした。どこかでYに認めてもらいたい気持ちが強くて、「これをクリアすれば認められる」と思っていたんだと思います。
この仕事で私は初めて「労働」や「忍耐」というものを実感しました。3か月が限界でしたが、ここで働く人たちの勤続年数の長さや、所長や部長、工場長の存在は本当にすごいと思いました。自分にできないことをできる人を尊敬する気持ちが芽生え、そんな気持ちからYも私を認めてくれるだろうというエゴもあったのかもしれません(笑)。
それでも、これもまた素晴らしい経験でした。働くことで対価を得ることの意味や、世の中で工場勤務の方々が私たちの生活を支えてくれていることに感謝する大切さを学びました。どんな場面でも「感謝」の気持ちを持つことが本当に大事なんだな、と思います。
続く…