イノベーター理論とは!? 知っていればわかる、継続することの重要性
今回のテーマは、イノベーター理論。
メディアやサービスを立ち上げ軌道に乗せるためには、耐える時間も必要。では、どれくらい耐える時間が必要なの?
数々のホームページ制作や商品PRに携わってきた2人が、イノベーター理論を用いて解説します。
言語化可視化ラボは、デザイナー岩崎さとみとライター本田もみじの「ブランディングとマーケティングの研究所」。クリエイターメンバーと一緒に、日々ブランディングとマーケティングの研究を行っています。
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何事も1年は耐えたい
もみじ:
さとみさん、SUUMOを知っていますか?
さとみ:
リクルートが運営している不動産情報サイトですよね。
もみじ:
そうです。
今でこそ有名な、押しも押されもせぬメディアになっていますが、立ち上げから1年間は、あのリクルートが総力戦でかかっても100PVしか取れなかったそうです。そう考えたら1年間でブログづくりを諦めちゃだめですよね。
さとみ:
たしかに!
でも、なぜそんなにPVを獲得するのは難しいのかな…。
もみじ:
いくつものメディアのお手伝いをしてきましたが、記事作成に月間予算50〜60万使ったとして、初めのうちは月間2,000PV取れたらよい方ではないでしょうか。1年半くらいでようやく芽が出始めて、徐々にPV数が上がっていくようなイメージです。
予算を多くかけた企業メディアだろうが、個人で発信するブログであろうが、やはり1年は耐えないといけません。
リクルートがやっても1年かかるなら、個人ならもっとかかるのは当然。早く成果が見たいと、どうしても焦ってしまうんですけどね…。
イノベーター理論を理解する
さとみ:
1年やってみて、途中で見直しもしたのに何も変わらなかったのなら、やり方が間違っている可能性もありますよね。
もみじ:
そうです。見直しをしつつ、伸びるまでの我慢もしなければならない。
この話って、イノベーター理論に結びつきますね。
さとみ:
イノベーター理論とは、商品やサービスが市場に浸透していく過程を表したマーケティング理論のひとつです。
商品やサービスは、以下の図のように曲線を描きながら広がっていきます。
さとみ:
商品やサービスを世に出したとき、一番に飛びついてくれる層を「イノベーター」といい、市場全体の2.5%を占めているといわれています。
次に市場の13.5%を占めるのが「アーリーアダプター」といわれる層です。トレンドに敏感で、そのジャンルのインフルエンサーになりうる方たちですね。
そして、市場全体の34%を占めるのが「アーリーマジョリティ」という層。アーリーアダプターの影響を受け、憧れに近づきたいから商品を買うという層です。
そこからピークに達したあとに、「そろそろ持ってないとさすがにヤバい」と思って購入する層「レイトマジョリティ」がいます。これも市場全体の34%を占めています。
最後の16%は、周りを気にせず我が道を行く「ラガード」の層です。
キャズムという深く長い谷を越えよう
さとみ:
ここで大切なのが、「キャズム」という「アーリーアダプター」と「アーリーマジョリティ」の間にある谷の部分です。
商品やサービスを発表してから、ユーザー数が「イノベーター」と「アーリーアダプター」を合わせた16%を超えるか超えないかによって、商品の認知が広がっていくか、それともそのまま終わってしまうのかが決まります。
SUUMOでいうと、このキャズムを超えるまでに1年かかったよっていう話ですね。
もみじ:
キャズムを超えるまでは、深く長い道のり。この谷の部分で心が折れて辞めてしまう方が多いのですが、ここを踏ん張れば先が見えてきます。
アーリーアダプターの重要性
もみじ:
イノベーター理論の層でいうと、たとえばキャッシュレス決済に関して私は完全にレイトマジョリティーです。
どうしてもやらざるを得ない状況になってから、キャッシュレス決済を導入すればいいと思ってます。現金とお財布が好きだから、現金で支払えばいいじゃん!って(笑)
あと、LINEでいうと私はラガードですね。周りに何をいわれてもやらないと決めています。
さとみ:
今どきLINEやらないって珍しい(笑)
もみじさんのケースでもわかるのですが、取りたい情報や興味によって、同じ人でも当てはまる層が変わります。
もみじ:
アップル製品を発売日に並んで買う方はイノベーター。並んでまでは買わないけれど、割と早めに買う方はアーリーアダプターですよね。
さとみ:
そうです。ここでポイントとなるのは、アーリーアダプターの層です。アーリーアダプターはトレンドに敏感で、自分から「これすごく良いよ!」と発信したい方たちです。
この層は広告塔になってくれるため、キャズムを越えるときのよい背中押しをしてくれます。
早めに使った人が商品やサービスの口コミを広げてくれると、認知は拡大しやすいですよね。ですから、自分の商品やサービスのファンだというアーリーアダプターをつかんでいれば、アーリーマジョリティに乗りやすいんです。
でも、アーリーアダプター層の中でうまくファンがつかめていないと、アーリーマジョリティは越えられない。ファンがいないとキャズムを越えられずに、平たく長い線を描くことになります。
キャズムを越えるためにはファンが必要
もみじ:
キャズムを越えるには、ファンを増やしておく必要がある、ということですね。
さとみ:
そうです。キャズムの直前で努力すれば伸びるものではありませんから、その前からファン化のためのアクションが必要です。
もみじ:
そういう視点でいうと、私がホームページ支援をさせてもらうときは、必ず「お客さまの声」を載せてもらっています。
すでに商品やサービスを買ってくださったファンの人たちの声というのは、商品購入を迷っている層の後押しになるんですよ。
どの企業のホームページにも、導入事例やユーザーボイスが載っている理由はそこにありますよね。
さとみ:
キャズムを越えるための準備はしっかりしておくべきですね!
そうすれば、谷を越えやすくなりますから。あとはキャズムを越えるまでの時間に、どれだけ耐えられるかです。
もみじ:
なぜか1人だと絶対脱落するのよね…。
さとみ:
だってすごくしんどい…。
自分は世の中から必要とされていないんだ、と思ってしまうし。
もみじ:
めちゃめちゃ思う~!
さとみ:
だけど、そんなことはないんです。自分の発信量が足りずに届いていないだけかも知れません。だから、やれることはやっておくが鉄則ですね。
もみじ:
キャズムだとかイノベーター理論だとかいうと、ちょっと面倒くさそうに聞こえますが…。ポジティブに簡単にまとめると、「一定期間耐えればなんとかなる!」という理論だと思ってください。
さとみ:
ネバーギブアップ理論。
もみじ:
少ししんどい時間も、正しく乗り越えれば必ず成果は出ます。キャズムを越えるためには手を動かすのことも大切です。長い目で見て、キャズムを越えていきましょう。
このnoteは、Facebook非公開グループ「言語化×可視化ラボコミュ」のライブ配信からクリエイターさん向けの内容をピックアップして記事化したものです。
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