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文学フリマで実践した、本を読者に届けるための告知・宣伝の手法をまとめる
昨年12月、文学フリマに出店しました。本の制作でやったことと、文フリ当日に気付いたことリストは以下の記事にまとめました。
振り返って、特に大事だと感じたのは「どうやって読者に知ってもらえばよかったのか?」ってことです。すでに多くの方が書かれていることですが、大規模化し続ける文学フリマ(文フリ)のようなイベントで、初見の人に本を手にとってもらうことはどんどん難しくなっています。文フリに実際に参加した方なら肌で感じたかと思いますが、ブースの数も会場の混雑もすごくて、自分の琴線に触れるブースをじっくり探すような回り方はなかなかできません。
そうした状況で「自分の本を読んでもらいたい人に届ける」ためには、適切なお知らせや宣伝を行う必要があります。露骨な「宣伝」には抵抗感がある人もいるかもしれませんが、もし宣伝が足りなかった影響で、せっかく作った本が届けたい(届くべき)人に届かなかったとしたらだいぶ悲しいことです。
そんなわけで、文フリに向けたお知らせや宣伝をあの手この手で行ったので、備忘として書き残しておきます。
※本の中身や、当日の設営の技術についてはふれません
実際にやったお知らせ&宣伝
断片的ですが全部書いていきます。
SNSでこまめに告知した
SNSでフォローしている人が繰り返し投稿しているコンテンツは、なんとなく目に入って興味のかけらが芽生えてくることがあります。
そう考えて、以下のような内容を日々投稿するようにしていました。
・文フリに出ます
・こんな本を作る予定です
・本の制作の進展(表紙ができました、印刷所に入稿しました、本が届きました、などなど)
・会場内のブースの位置はここです
・イベントの日程やアクセス情報など
細かいですが、画像つきの投稿のほうがSNS受けは良い気がします。以下は投稿の例です。
12/1の文フリに出す新刊の表紙ができました!
— shikada (@shikada_g) November 7, 2024
当日、会場で見かけたら手にとってみてください https://t.co/a5yUXp6cWY pic.twitter.com/IaFZKHi57f
文フリのマップ確認ヨシ!
— shikada (@shikada_g) November 12, 2024
12/1当日はお世話になってる彩ふ読書会のブース(M-59)で売り子やってます https://t.co/a5yUXp6cWY pic.twitter.com/Iw6PRzK1E9
今週末12/1(日) 文学フリマ東京に彩ふ読書会のブース(M-59)で出店します!
— shikada (@shikada_g) November 27, 2024
7年間で270回の読書会を開催した「彩ふ読書会」の主催の方に「読書会をはじめたきっかけ」「人を集める工夫」「会場選びのポイント」などなど語ってもらったインタビュー本を頒布します pic.twitter.com/07GqI6kdEN
12/1の文学フリマで、「『彩ふ読書会』主催者に聞く20の質問」を頒布します!
— shikada (@shikada_g) November 1, 2024
読書会に携わっている方にはお楽しみいただける内容になっているかと思います、質問リストはこんな感じです https://t.co/avOMTGnYdi pic.twitter.com/fgad2r9ptN
1回だけの投稿よりは、複数回の投稿を流したほうが「気になる」「欲しい」と思われる確率は高くなると思います。
程度問題ですが、「告知の投稿が多すぎて鬱陶しい」と思われるリスクよりも、投稿が少なすぎるせいで届けたい人に届かないリスクのほうが大きいと思います。
情報が1つにまとまった記事を作った
SNSの投稿は目につきやすい反面、時間がたつと流れて探しにくくなります。それを防ぐために、出す本の詳細やイベント情報をまとめた記事を作ってプロフィールに固定しておきました。
来月の文フリに出るので告知です。今回新しく作った、読書会主催者の方にインタビューした本を出します。彩ふ読書会のブースで売り子もやる予定です
— shikada (@shikada_g) November 2, 2024
12/1の文学フリマ東京39に参加&新刊を出します|shikada #note #文学フリマ https://t.co/LWaPraewHG
タイトルが良く見えるように表紙を作った
人が本の表紙をはじめて見るとき、ほとんどの人はスマホ画面に小さく表示されたサムネイル画像を見ることになります。そのため、タイトル文字が小さいとほとんど見えません。メインタイトルは「大きすぎるかも」と思うくらいでちょうどいいと思います。
Webカタログを充実させた
どのくらい読んでくれる人がいるか分かりませんが「どんな団体なのか」「どんな本を出すのか」が最低限わかるように文学フリマのWebカタログに記載しました。リンクには、商品のお品書きなどを乗せたホームページを貼るとよいと思います。
https://c.bunfree.net/c/tokyo39/w/M/59
試し読みできるようにした
「読んだけど自分向きじゃなかった」というミスマッチを極力減らし、「この本は気になる!」って人を増やすために、試し読みページを作りました。本全体の15%くらいの分量を載せて、全体のテイストがわかるようにしました。
今回の本はジャンル的にはノンフィクション・エッセイだったので試し読み用の切り取りがしやすかったです。もし小説だったら、冒頭部分だけで全体のテイストを伝えるのはけっこう難しかったかもしれない。
見本誌コーナーに見本誌を置いた
これは当たり前の行動なんですが、文フリの参加ブースが増え続けている現状では、ブースに直接来てくれる人より、見本誌コーナーに来る人のほうが多いので、本を知ってもらうという意味で地味に重要なんじゃないかと思います。
「やればよかった」と反省していること
ここからは、前回の文学フリマでできなかった反省点です。
当日の出店中も適宜SNSで発信すること
自分は文フリの当日朝に告知したっきりでした。文フリ開場後もちょくちょくTwitterなどで告知したほうがいいと思います。自分自身、会場をぶらついているとき、フォローしている方の告知を見て買いにいくことがあったので。
本の短い呼び名を決めておくこと
今回の本はタイトルが長ったらしかったので、短い略称を決めておけば投稿のときに楽だったと思います。読んだ方が感想を投稿してくれるときにも役だったはず。
まとめ
告知や宣伝の工夫についてまとめました。どの宣伝が効果を出したのか数字では出せないんですが、当日は初見の方にもけっこう買ってもらえたので、告知や宣伝は「やってよかった」と言えると思います。もし他に「こんな方法もおすすめ」という方法があれば教えて下さい。以上、なにかの参考になれば幸いです。
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