マインドフルネス〜今この瞬間に意識を向ける〜
皆さんは、「今この瞬間」に意識を向けていますか?
人間は、スポーツ場面に限らず、過去・未来に意識が飛んでしまい、パフォーマンスが低下してしまうことも少なくありません。
今回は、「今この瞬間」に意識を向けるためのアプローチである「マインドフルネス」についてご紹介します。
マインドフルネスとは?
マインドフルンネスとは、「今、この瞬間に注意集中する」と定義されています(Kabat-Zinn,2013)。
構成要素としては、(a)決めつけない、(b)冷静さ、(c)初心の心、(d)信頼、(e)努力不要、(f)受け入れる、(g)解放されているなどが挙げられます。
マインドフルネスと聞くと、瞑想を連想する方も少なくないと思いますが、瞑想はマインドフルネスの1つのアプローチです。
マインドワンダリングとは?
一方、マインドワンダリングとは心が彷徨う現象を指し、「現在遂行中の作業や課題からそれと無関係な思考へと注意が移る現象(Smallwood &Schooler, 2006)」と定義されています。
マインドワンダリングによってネガティブ感情が高まると指摘もされいます(Mrazek et al, 2006)。
つまり、過去・未来に意識が飛んでしまうことによってネガティブ感情が高まる可能性があるのです。
3Rプロセス
「今この瞬間に意識を向ける」ためには下記の3つのステップを実行することが推奨されます(Hansen & Haberl, 2018)。
•Resister:自分自身に気づく
•Release:状況を受け入れる(解放する)
•Refocus:再集中
この3Rプロセスは、最初のステップは、皆さんの心の状態に気づくことです。
スマートフォンの通知に気づくのと同様に心の状態に気づくことができなければ、対処することが難しいのです。
ステップ2は、状況を受け入れることです。ここで重要なことは、例えば過去に意識がいってることに対して、
「良い・悪いの判断」をせずにありのまま受け入れることです。過去に意識がいったり、未来が不安になることは、
人間であれば「良くあること」です。その状況に対してジャッジしすぎず、現象として受け入れることが重要です。
マインドフルネスのトレーニング
マインドフルネスのトレーニングとして、下記のような方法が考えられます。
① マインドフルネス瞑想(自分の呼吸に意識を向ける)
②マインドフルネスウォーキング(歩くことに意識を向ける)
③マインドフルネスイーティング(食べることに意識を向ける)
このように時間を作って行うこともトレーニングもあれば、生活の1部を意識することでトレーニングになります。
是非、今回の記事をきっかけに「今この瞬間に意識を向ける」習慣づくりをしてみてはいかがでしょうか?
Kabat-Zinn, J. (2013). Full catastrophe living, revised edition: how to cope with stress, pain and illness using mindfulness meditation. Hachette uK.
Smallwood, J., & Schooler, J. W. (2006). The restless mind. Psychological bulletin, 132(6), 946.
Henriksen, K., Hansen, J., & Larsen, C. H. (2019). Mindfulness and acceptance in sport: How to help athletes perform and thrive under pressure. Routledge.
Ravizza, K., & Hanson, T. (1995). Heads-up baseball: Playing the game one pitch at a time. McGraw-Hill Education.
スポーツメンタルトレーニング指導士/Ph.D
小林玄樹
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