Genju KOBAYASHI, Ph.D.

◆株式会社ハイクラス スポーツ支援事業責任者 ◆スポーツメンタルトレーニング指導士(C1806n) ◆慶應義塾大学体育研究所兼任研究員 ◆自衛隊体育学校 心理スタッフ ◆TGR-DCレーシングスクール メンタルスキルコーチ ◆ハイパフォーマンススポーツセンター 事業協力者

Genju KOBAYASHI, Ph.D.

◆株式会社ハイクラス スポーツ支援事業責任者 ◆スポーツメンタルトレーニング指導士(C1806n) ◆慶應義塾大学体育研究所兼任研究員 ◆自衛隊体育学校 心理スタッフ ◆TGR-DCレーシングスクール メンタルスキルコーチ ◆ハイパフォーマンススポーツセンター 事業協力者

最近の記事

やる気を引き出す目標設定

今回は、モチベーションを高めるための心理的スキルである「目標設定(Goal setting)」についてご紹介したいと思います。 目標設定とは?目標設定は、効率的にパフォーマンス熟達レベルを高めるモチベーションの理論です(Latham & Locke,2006)。 皆さんは、普段から目標設定をしていますか? 目標設定に関しては、日本のスポーツ界でもどのチームも行う習慣になっているものの一つだと思います。 しかし、私のスポーツ経験を振り返っても、効果的な目標になっているかとい

    • オールブラックスはなぜ強いのか?

      ラグビー最強チームと呼び声が高いのが、ラグビー・ニュージーランド代表のオールブラックスです!なぜなら、ワールドカップ最多優勝、テストマッチ勝率77%を超えると言われているからです。 しかしその反面、ニュージーランドではラグビーが国技であることから、「オールブラックスのジャージーはとてつもなく重いもの」、勝って当たり前、国民の期待、誇りといった常にプレッシャーがつきまといます。 今回は、オールブラックスの強さの秘訣について考えてみたいと思います! オールブラックスといえば

      • 勝利至上主義 VS 楽しむ〜ジュニアアスリートへのアプローチを考える

        近年、体罰やハラスメントをはじめとしたスポーツ現場における社会問題をニュースで見ることが多くなった。 これらの問題の多くは、いわゆる育成年代(ジュニア・ユース)への指導現場が対象になっている。 昨年、全柔連は2004年に始まった小学校学年別の全国大会を廃止し、その理由を「行き過ぎた勝利至上主義が散見される」とホームページで公表しました。 (参考記事) このような問題は、氷山の一角であると考えられるとともに、ジュニア世代に対する指導等を考える必要があると考えられます。 楽しむ

        • レーシングドライバーのためのメンタルトレーニング

          私は、TGR-DCレーシングスクール、KYOJO cup参戦ドライバーの心理面のサポートを担当しています。 今回は、レーシングドライバーのためのメンタルトレーニングについてご紹介したいと思います。 時速300㎞を超えるスピードでサーキットを駆け抜けるモータースポーツの世界でもメンタル面のコントロールの重要性は言うまでありません。レーシングドライバーにはどのようなメンタル面が必要なのでしょうか? レーシングドライバーに必要なメンタル面の要素佐藤ら(2002)は、国内トップ

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          eスポーツに必要な心理的スキル下記のように、eスポーツに必要な心理的スキルが報告されている(SAMUEL et al., 2020)。 意思決定のスキル モチベーション eスポーツから私生活を切り離す能力 集中力 感情のコントロール ポジティブな態度 忠実な改善 心と身体のウォーミングアップ 今回は、感情のコントロールについて触れていきたい。 感情のコントロール感情には、幸せ、悲しみ、怒り、恐れ、恥の5つの感情が存在します。 これらの感情に気づくことがと

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          野球選手のためのメンタルトレーニング

          米国メジャーリーグベースボールが取り組むメンタルトレーニング 米国メジャーリーグベースボールでは、多くのチームがメンタルトレーニングに取り組んでいます。 2018年の報告では、メジャーリーグの30球団中26球団がフルタイムでメンタルトレーニングの専門家を雇用しています(Shellenbarger, 2018)。 私の師匠である元東海大学体育学部教授の高妻容一先生の恩師はメジャーリーグの数球団でサポートをされていたケン・ラビザ博士です。 以前、大谷翔平選手が在籍していたロサンジ

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          マインドフルネス〜今この瞬間に意識を向ける〜

          皆さんは、「今この瞬間」に意識を向けていますか? 人間は、スポーツ場面に限らず、過去・未来に意識が飛んでしまい、パフォーマンスが低下してしまうことも少なくありません。 今回は、「今この瞬間」に意識を向けるためのアプローチである「マインドフルネス」についてご紹介します。 マインドフルネスとは?マインドフルンネスとは、「今、この瞬間に注意集中する」と定義されています(Kabat-Zinn,2013)。 構成要素としては、(a)決めつけない、(b)冷静さ、(c)初心の心、(d)信

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          受験生必見!受験に活かすメンタルトレーニング

          受験シーズン到来ということで、これから大一番の試験を控えている人も多いのではないでしょうか? 今回は、そんなプレッシャーや緊張と向き合うであろう受験生に活かせる内容を紹介します。 受験に活かすメンタルトレーニング皆さんは緊張に対してどのように向き合っていますか? 緊張に関しては、以前のサッカーのメンタルトレーニングでもご紹介しましたが、緊張やプレッシャーの原因のほとんどが「結果を考えること」です。 「ミスしたらどうしよう・・・。」、「落ちたらどうしよう・・・。」などこれらは

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          サッカーのためのメンタルトレーニング

          サッカーW杯カタール大会を観戦して サッカーW杯カタール大会から1年が経ちます。 ご存知のこと日本代表はベスト8をかけてクロアチア代表と戦いましたが、惜しくもPK戦の末、敗れてしました。 PK戦では、やはり選手には計り知れないプレッシャーがのしかかっていたことが推測されます。 今回は、プレッシャーの対処法についてご紹介したいと思います。 プレッシャーとは? 皆さんも何かに取り組む際にプレッシャーがかかってパフォーマンスが発揮できなかったこと経験があるのではないでしょうか

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          モチベーションのメカニズム

          今回は、モチベーションのメカニズムについてご紹介します。 「やる気でねー。やりたくねー。」 こんな経験が皆さんもあるのではないかと思います。 そもそも、やる気とは何だと思いますか? モチベーションの定義 やる気は、専門用語で動機づけ(モチベーション)と言います。 モチベーションは、「行動を起こす心のエネルギー」です(Vallerand & Thill,1993)。 このモチベーションの分野は、多岐に渡り研究されており、幾つもの理論が発表されています。 例えば、下記のよう

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          メンタルトレーニングって何?

          メンタルトレーニングとは? メンタルトレーニングとは、スポーツ心理学の研究によってプログラム化された科学的・系統的・合理的なトレーニングです。アスリートが技術や体力をトレーニングするのと同じように、心理面もトレーニングをするということです。 「心」は、誰でもトレーニングすることができるのです! ここでの科学的という言葉は、学問的にバックグラウンドがあり、研究の積み重ねによって構築された理論に基づいているということです。 残念なことに、日本ではこのような学問的に背景がな

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          メンタルトレーニングの専門家には一夜にしてなれるのか?

          メンタルトレーニングに関する資格 日本において、「メンタルトレーナー」、「メンタルコーチ」、「メンタルトレーニングコーチ」など様々な名称でメンタルトレーニングの専門家は呼称されます。さらには、メンタルトレーニングの専門家に簡単になれてしまうという現状があります。 しかしながら、「専門家」にそんなに簡単になれるのでしょうか?答えは当然ながらNoです。他の分野を見ても弁護士や税理士など、専門知識を必要とし、国家試験に合格しなければならない上、時間と労力がかかります。 教員免

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          自己紹介

          はじめまして。 スポーツメンタルトレーニング指導士の小林玄樹と申します。 以前、noteを活用しておりましたが、時間が空いたこともあり、改めて作成させて頂きました。 私は、日本スポーツ心理学会認定:スポーツメンタルトレーニング指導士として、アスリートの実力発揮に関するメンタル面のサポートをしております。 簡単な経歴を下記に記載させて頂きます。 <現職> 株式会社ハイクラス スポーツ支援事業責任者 東京YMCA社会体育・保育専門学校非常勤講師(スポーツ心理学) 横浜YMC