入社式の挨拶
介護施設での新入職員への挨拶をしたので、記念にブログに残そうと思います。
入社していただき、ありがとうございます。一生に一度きりのこの貴重な日を、心からお祝い申し上げます。
■学生と社会人の違い
学生は、教育機関にお金を払い、教育を受けるという受動的な立場です。しかし、今日からは社会人となります。社会人は、お金を支払う側から、お金を受け取る側へと立場が変わります。
これまで社会から恩恵を受ける立場でしたが、これからは社会に貢献し、その役割を果たすことになります。お金を受け取るということは、提供するサービスに対して高い水準が求められるということです。
■仕事の基本
高い水準で仕事を行うためには、まず“基本”から学ぶことが重要です。焦る必要はありません。毎日一つずつ新しいことを覚えていけば、いずれ「自分にも出来た」と手ごたえを感じる瞬間が訪れるでしょう。その時までは、忍耐が必要です。
知らないことから始めるので、間違えることは自然なことです。誰もが最初から完璧にできるわけではありません。失敗は、新たな挑戦の機会を意味し、うまくいかなかった分だけ成長できるということです。
■社会人としての自立
まずは、自分一人で仕事を遂行できるようになることを目指しましょう。その次の段階として、他人に指導できる能力を身につけることを目標にします。時間が経つにつれ、後輩ができ、あなたがチームのリーダーを務めることもあるかも知れません。資格取得や、目標に向かって挑戦することが大切です。
■愛される人間性
仕事を高い基準でこなすことは重要ですが、それと同時に「愛される人間性」を目指しましょう。一生懸命仕事をすることで、初めて周囲の人はあなたを尊重してくれます。ご利用者の為、その先のご家族、働く仲間の為にベストを尽くして下さい。きっと周囲の人は協力してくれます。相手の役に立つ人を目指して下さい。
■社会人になることの意味
社会人として生きることは、社会の厳しさに直面し、誰にも頼らず、自分で道を切り開く必要も出て来ると思います。しかし、自立することは何にも代えがたい価値があります。自分のやりたいことや、思い描いた生活を実現することが出来ます。この会社を通じて、自己実現を叶えて下さい。
■福祉から学べること
福祉は、“どのように生きるか”ということを教えてくれます。福祉には大きく分けて二つの側面があります。一つは介護技術に関する知識や技術、もう一つはコミュニケーション能力です。自分自身の人間性を使って相手に理解してもらう場面もあるでしょう。さまざまな人々との関わりを通じて、自身を磨き上げてください。
■根拠に基づく介護の重要性
介護の各行動には根拠が必ずあります。「何のためにこの介護を行うのか」という点を考えながら介護をして下さい。“何のため”かが分かれば、応用することが出来ます。
■利用者優先の重要性
仕事に慣れ、自信がつくにつれて、業務に対する「慣れ」も生じます。忙しい時ほど、無意識に職員の都合を優先してしまいがちですが、常に利用者優先の姿勢を忘れないようにしましょう。
■成長のコツ
先輩方の良い部分を吸収して下さい。そして、分からないままにしないことが大切です。“知っている”だけではダメです。“出来る”様になって初めて成果となります。この1年目の新卒の時に学んだ習慣は非常に大切です。ある程度出来る様な年齢になれば、新人の様に教えてもらえません。
■事故防止のために
常に“目視”を怠らないでください。しっかりと見守ることで、事故を未然に防ぐことが可能です。目を離した瞬間に事故や怪我が発生することがあります。油断や先入観も事故の原因となり得るため、常に注意深く行動しましょう。
■寄り添うことの重要性
ご利用者を大切にし、共に過ごす限られた時間を価値あるものにしてください。ご利用者に喜んで頂くには、自分に何が出来るのか考え続けて下さい。判断に迷った時は、「自分が受ける側だったらどう感じるだろうか?」「もし自分の大切な家族が同じ状況だったら?」と、他人事ではなく自分事として捉えることで、答えが見えてくるはずです。