儚き赤子の成れの果て…
生まれ落ちてすぐに
産婆に両腕をもがれ
儚くも死した赤子の
血にまみれた姿は
まるで…
赤い芋虫のようだった
やがて…
腕の無い赤子の屍は
蛆にたかられ
茶色く変色していく
季節が移ろったある日の事…
土間の隅に捨てられ
今ではどす黒く腐り果てた
赤子の屍の背が
「ピシリ…」
という音を立てて裂け始めた
そして
背の裂け目からは
目も眩むほどの眩い光が…
屍の背を割り
中からユルリユルリと
姿を現したモノは…
美しく長い髪を風になびかせ
真珠の様に輝く
肌理の細かい肌を持った
美しい女子だった
屍から出てきた女子は
見る見るうちに
美しい娘へと成長した
やがて娘は
時の関白殿下に見初められ
側女となった
その娘の名は…
『茶々』と言った
赤子の成れの果て…
美しく成長した『茶々』は
後に『淀君』と呼ばれた…
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