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私たちのとうびょうき

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「私たちのとうびょうき」は、弁護士・青木志帆さんと新聞記者・谷田朋美さんによる往復ウェブ連載。慢性疾患と共に生きる二人が、生きづらさを言葉に紡いでいきます。
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記事一覧

13.病気の女には仕事も出産も子育てもすべて「高望み」?(谷田朋美)|私たちのとう…

「寿退社」した夫 大皿に盛られたイカスミパスタと思いきや長い髪の束を大量に喉に突っ込まれ…

現代書館
1か月前
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12.何も考えないでしばらく休め(青木志帆)|私たちのとうびょうき:死んでいないの…

まずは前回の言い訳から うふふ、うん。なんだか、ようやく「往復書簡」っぽい話ができそうな…

現代書館
2か月前
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11.「夜討ち朝駆けできない記者」だからこそ|私たちのとうびょうき:死んでいないの…

10月末ごろから3カ月ほど体調を崩しており、青木さんには連続で執筆いただいて助かりました…

現代書館
4か月前
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10.難病者がはたらくということ(青木志帆)|私たちのとうびょうき:死んでいないの…

ちょっと季節の変わり目で、谷田さんの体調が整わなかった関係で、2回続けてアオキがお送りし…

現代書館
8か月前
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9.「一人前」へのあこがれ(青木志帆)|私たちのとうびょうき:死んでいないので生き…

いろんな意味で生産性に乏しい私たちですがまさか、この「とうびょうき」でインクルーシブ教育…

現代書館
10か月前
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8.「弱さと向き合う」居場所(谷田朋美)|私たちのとうびょうき:死んでいないので生…

私を排除しないで、病気の私のそばにいて――。青木さんのことばに大きくうなずきながら、それ…

現代書館
11か月前
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7.「私の病気を理解して」?(青木志帆)|私たちのとうびょうき:死んでいないので生きていかざるをえない

病名があってもただ患っていることは許されない私の難病者としてのスタートラインは、6歳の時の頭蓋内CT画像に、ピンポン玉大の「あきらかに変やろコレ」と思わせてくれる白い影でした。なので、「診断がつかない」「どこへ行っても気のせいと言われる」という経験が私の中ではまったくありません。 谷田さんの記事に野島那津子・静岡文化芸術大准教授(医療社会学)の「病名がないのに、人がただ患っていることを社会は許容しない」というお話がありました。ただ、私は、汎下垂体機能低下症という病名をぶら下

6.診断に代わることばと出会う(谷田朋美)|私たちのとうびょうき:死んでいないので…

ようやく梅雨が明けましたね。雨にも風にも夏の暑さにも負けて、すっかり寝込んでいました。天…

現代書館
1年前
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5.「病気が分かってよかったね」?(谷田朋美)|私たちのとうびょうき:死んでいない…

私こそが、どタニマーですか! 確かに、「谷田がいるのは谷だ」ということに周囲はもちろん、…

現代書館
1年前
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4.「タニマ―」という生き方(青木志帆)|私たちのとうびょうき:死んでいないので生…

病名がないことをナメていましたこの企画に谷田さんをお誘いした時は、「私と同い年で、病気が…

現代書館
1年前
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3.「ただ患う」が許されない(谷田朋美)|私たちのとうびょうき:死んでいないので生…

「病んでいる」ことを否定される幼いころ、闘病記が好きでよく読んでいました。いじめられっ子…

現代書館
1年前
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2.私たちの生存戦略(青木志帆)|私たちのとうびょうき:死んでいないので生きていか…

他人を巻きこんで自分語り私は、古くは法科大学院生のころ、ウェブログを「ブログ」と称し始め…

現代書館
1年前
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1.青木さんと谷田さんのこと|私たちのとうびょうき:死んでいないので生きていかざる…

私が6歳だったある日、幼稚園の園庭で仲の良かった男児を追いかけまわしていたところ、顔面蒼…

現代書館
1年前
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はじめに|私たちのとうびょうき:死んでいないので生きていかざるをえない|青木志帆・谷田朋美

「とうびょうき」と聞いて、あなたはどのようなものを思い浮かべるだろうか。 子どもが突然がんを宣告され、つらい抗がん剤治療の末に奇跡の回復を遂げる物語だろうか。あるいは働き盛りの男性が、聞いたこともない難病を宣告され、少しずつ運動機能が奪われ、最後に亡くなる物語か。 「とうびょうき」といえば、このように「元気」か「死」かの2択しか用意されない。そうしたわかりやすいストーリーが勇気と感動を与え、より好まれるからだ。 しかし、慢性疾患(※)のある私たちの日常は、そのような結論