現代書館

現代書館は東京・飯田橋にある1967年創業の出版社です。 「知識を専門家だけのものにせ…

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現代書館は東京・飯田橋にある1967年創業の出版社です。 「知識を専門家だけのものにせず、いかに分かりやすく伝えるか」を原点とした出版活動に取り組んでいます。 http://www.gendaishokan.co.jp/

マガジン

  • 私たちのとうびょうき

    「私たちのとうびょうき」は、弁護士・青木志帆さんと新聞記者・谷田朋美さんによる往復ウェブ連載。慢性疾患と共に生きる二人が、生きづらさを言葉に紡いでいきます。

  • マイノリティのハローワーク

    マイノリティ性のある大人に、どうやってその職業に就いたか、働き方、その人の特性と仕事をしていくうえでの工夫(活かす、補うなど)を中心に、インタビューしていきます。

  • フルインクルーシブ教育の現場を訪ねて

    障害児のほとんどが特別支援学校・学級に通う日本。一方、イタリアでは、障害児の99%が健常児と同じ教室ですごしています。「フルインクルーシブ教育」の理念を学ぶべく、ボローニャへ旅だった大内紀彦さん(特別支援学校教員)による、現地からのレポートです。

  • ケアと男性

    福祉社会学者・竹端寛さんによるエッセイ。子どもと向き合うなかで気づいた「ケアのおもしろさ」、そして男性として生きてきた自身のなかの「生産性至上主義」について。

  • きりえや偽本イベントレポ

    高木亮著『きりえや偽本大全』『きりえや偽本シネマ大全』の書店イベントなどのレポートをまとめたマガジンです。

最近の記事

『ゲリラガーデニング:境界なき庭づくりのためのハンドブック』。くまたろう氏の「あとがきにかえて」を公開します。

境界を越えて耕すということ 本書は、GuerrillaGardening: A Handbook for Gardening without Boundaries(2009)の邦訳である。著者のリチャード・レイノルズ氏が開設したウェブサイトhttp://www.guerrillagardening.orgには、本書の参考文献のみならず氏の最近の活動も報告されているので、ぜひ一度訪れてみてほしい。 まさに世界中のゲリラガーデニングの実践がまとめられている本書だが、そこには日

    • 13.病気の女には仕事も出産も子育てもすべて「高望み」?(谷田朋美)|私たちのとうびょうき:死んでいないので生きていかざるをえない

      「寿退社」した夫 大皿に盛られたイカスミパスタと思いきや長い髪の束を大量に喉に突っ込まれて、もうこれ以上は無理、と思ったところで目が覚めました。午前4時。いや、目が覚めたところからが本当の地獄でした。甘酸っぱい胃液が上ってくるのと熱い便が下ってくるのとを同時に感じてトイレに駆け込みます。頭痛と吐き気と下痢と呼吸困難とほかにもありとあらゆる症状の治療法はないし薬も効かないし、1日で終わるのか半年以上続くのかさっぱり分からないけれど、とりあえず私にできるのは便器にまたがってひた

      • 第3回 「わからない」まま模索し、進み続ける~近藤銀河さん~【後編】|マイノリティのハローワーク|現代書館

        ギャラリーに「入れない」ことで狭まる道 美術において、アーティストや研究者は自分の作品を発信するだけではなく、他の人の作品をたくさん鑑賞することが求められます。美術に限らず、芸術分野で広く言われる話ですが、近藤さんは作品鑑賞に困難があります。現代美術の展示に使われるギャラリーの多くは小規模で、車いすでは入ることすらできません。 自分の作品を展示しているギャラリーにも入れないため、展示されているところを目にすることができないケースも珍しくはありません。自分の作品への鑑賞者

        • 第3回 「わからない」まま模索し、進み続ける~近藤銀河さん~【前編】|マイノリティのハローワーク|現代書館

          近藤銀河(こんどう・ぎんが)さん プロフィール 1992年生まれ。ライター/アーティスト/研究者、パンセクシュアル(注1)。 中学の頃に筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(略称:ME/CFS、注2)を発症、身体障害者手帳(肢体不自由)2級、障害年金2級受給中。2023年から東京藝術大学・先端芸術表現科博士課程在籍。フェミニズムとセクシュアリティの観点から美術や文学、サブカルチャーを研究しつつ、アーティストとしてメディアアートなどの実践を行っている。 ライターとしては、雑

        『ゲリラガーデニング:境界なき庭づくりのためのハンドブック』。くまたろう氏の「あとがきにかえて」を公開します。

        • 13.病気の女には仕事も出産も子育てもすべて「高望み」?(谷田朋美)|私たちのとうびょうき:死んでいないので生きていかざるをえない

        • 第3回 「わからない」まま模索し、進み続ける~近藤銀河さん~【後編】|マイノリティのハローワーク|現代書館

        • 第3回 「わからない」まま模索し、進み続ける~近藤銀河さん~【前編】|マイノリティのハローワーク|現代書館

        マガジン

        • 私たちのとうびょうき
          14本
        • マイノリティのハローワーク
          7本
        • フルインクルーシブ教育の現場を訪ねて
          12本
        • ケアと男性
          4本
        • きりえや偽本イベントレポ
          9本
        • 営業部だより
          3本

        記事

          12.何も考えないでしばらく休め(青木志帆)|私たちのとうびょうき:死んでいないので生きていかざるをえない

          まずは前回の言い訳から うふふ、うん。なんだか、ようやく「往復書簡」っぽい話ができそうな気がしてきました。とりあえず、病気を打ち明けないという「戦略」という言葉のチョイスに違和感がある、ということですね。 たぶん、難病者がどこかで働こうとするときには、無意識のうちに病気をオープンにするか、クローズにするか、この二択を迫られていると思います。谷田さんも、まぁ、たしかに、就職活動の年に留学したエピソードを聞いていると、「あれ?私たちの世代って就職氷河期じゃなかったっけ?」とい

          12.何も考えないでしばらく休め(青木志帆)|私たちのとうびょうき:死んでいないので生きていかざるをえない

          【特設フォームにて予約受付中!】今夏刊行予定! 畑中章宏 著『傍流の巨人 渋沢敬三(仮) 』|現代書館

          宮本常一を支えた「巨人」の全貌に迫り、「オルタナティブ」のさらなる深みへ――「100分de名著」ご出演・畑中章宏さん最新作!  「100分de名著 宮本常一“忘れられた日本人”」《6月3日(月)よりNHK Eテレにて放送、全4回》の放送に合わせ、現代書館特設フォームにて事前予約の受付を開始いたします。 刊行後、どこよりも早く書籍をお手元にお届けいたします! 2024年7月より渋沢栄一が新一万円札をかざるタイミングでの刊行となる本書。(新しい日本銀行券特設サイトはこちら:

          【特設フォームにて予約受付中!】今夏刊行予定! 畑中章宏 著『傍流の巨人 渋沢敬三(仮) 』|現代書館

          11.「夜討ち朝駆けできない記者」だからこそ|私たちのとうびょうき:死んでいないので生きていかざるをえない

          10月末ごろから3カ月ほど体調を崩しており、青木さんには連続で執筆いただいて助かりました。この間の「とうびょう」についてはひとまず置くとして、布団の上で「3月のライオン」を読み返し、感想を共有したくてうずうずしているので、まずはその話から。体調を崩しても、漫画だけは読めたのですよねぇ。 この漫画は、多様な棋士たちが登場することが魅力のひとつですよね。老いで体に痛みを感じている最高齢の棋士が、好きですねぇ。長年支援してくれている人たちの思いがちょっと重くなってきているのです

          11.「夜討ち朝駆けできない記者」だからこそ|私たちのとうびょうき:死んでいないので生きていかざるをえない

          第2回 視覚障害のある教員として、小学生が社会に出る基礎を築く~片平考美さん~【後編】|マイノリティのハローワーク|現代書館

          小学生から始まるキャリア教育 片平さんによると、障害の有無を問わず、キャリア教育は小学生から始まっています。クラスの仕事としての係活動に始まり、家のお手伝い、調べ学習を通し、働くことを考えていくのです。小学校高学年になると、将来の夢を見つけられるよう、授業を組み立てていきます。中高生になれば、内容はより現実的になり、給与明細を見て学ぶこともあります。 視覚障害のある小学生も仕事をする人について調べる学習をしています。「『13歳のハローワーク』(村上龍著、幻冬舎、2003年

          第2回 視覚障害のある教員として、小学生が社会に出る基礎を築く~片平考美さん~【後編】|マイノリティのハローワーク|現代書館

          第2回 視覚障害のある教員として、小学生が社会に出る基礎を築く~片平考美さん~【前編】|マイノリティのハローワーク|現代書館

          片平考美(かたひら・ちかみ)さんプロフィール 視覚特別支援学校教員、日本視覚障害者団体連合(日視連)(注1)青年協議会(注2)会長。生まれつきの神経異形成症(注3)のほか、左目の緑内障(注4)、右目の白内障(注5)など眼疾患が重なり、元々ロービジョン(注6)であったが、小学1年生のときに左目を失明する。7回の眼の手術を経て、現在は左目失明、右目は視力0.4程度、夜盲(注7)もある状態。そのため、慣れない道や夜は白杖(注8)を使用する。 「みんなと同じでいたかった」小学校時

          第2回 視覚障害のある教員として、小学生が社会に出る基礎を築く~片平考美さん~【前編】|マイノリティのハローワーク|現代書館

          心の凪をめざして|『中高年の発達障害』書評|横道誠

          本書の著者は、自閉スペクトラム症とADHDというふたつの発達障害(正式な医学名は「神経発達症」)を診断されている。いまこの書評を書いている評者とまったく同じ状況だ。年齢はちょうど20歳ほど向こうが年嵩だけれども、いったいどんな人なんだろうな、と期待半分、不安半分で書評の依頼を引きうけた。 送られてきた現物の書籍を受けとって、初めて著者のペンネームをはっきり認識し、ニヤリとさせられた。すなわち「凪野悠久」。私は自閉スペクトラム症の特性を持った書き手を何人も知っているけれども、

          心の凪をめざして|『中高年の発達障害』書評|横道誠

          11.ローマのヴァッカーリ特別小学校:フルインクルーシブ教育のイタリアに残された特別学校|フルインクルーシブ教育の現場を訪ねて~イタリア・ボローニャ滞在記~|大内紀彦

          2023年の春から始まったイタリア滞在だったが、クリスマスをトスカーナ州にある海辺の町ヴィアレッジョの友人宅で祝い、年の瀬をアパートのあるボローニャで慌ただしく過ごすうち、あっという間に新たな年が巡って来ていることに気づいた。年明けの1月の半ばには、今回の滞在では初めてミラノを訪れた。日本からやってきたイタリアの教育や福祉についての調査グループに便乗するかたちで、2泊3日の調査旅行に出かけたのだった。そして1月の末にはふたたびローマに向かった。いささか個人的な感慨を交えていえ

          11.ローマのヴァッカーリ特別小学校:フルインクルーシブ教育のイタリアに残された特別学校|フルインクルーシブ教育の現場を訪ねて~イタリア・ボローニャ滞在記~|大内紀彦

          【国際女性デー2024】試し読み『職場で使えるジェンダー・ハラスメント対策ブック』

          エピローグ(5)ジェンダー・ハラスメントのない社会とは(p.160-162)  「高いところにあるものを男性に取ってもらうのは自然なことだ。だから、性別で役割を固定するのは仕方がない。つまりジェンダー・ハラスメントは仕方ない」といった主張をよく聞きます。  この意見には一理あるように見えます。でも、考えてみてほしいのです。もし、その男性の身長が自分よりもずっと低く非力に見えたら、松葉杖をついていたら、車椅子に乗っていたら、腰を痛めていたら、その男性に力仕事を頼むでしょうか

          【国際女性デー2024】試し読み『職場で使えるジェンダー・ハラスメント対策ブック』

          “戦争”から2年が経って――『俳句が伝える戦時下のウクライナ』より一部公開。

          2022年2月24日にロシアがウクライナへ軍事侵攻してから2年が経ちました。当初は「すぐ終わる」という声が聞かれましたが、いまでも「戦争」は終わっていません。 本書のもとになったのは、ETV特集「戦禍の中のHAIKU」。 番組では収録できなかった人たちのインタビューも含め、戦争からの距離ゼロメートルで詠まれた俳句とインタビューを『俳句が伝える戦時下のウクライナ』としてまとめました。 戦争反対!絶対反対!の気持ちを胸に、キーウに暮らすアンナ・ビズミチノバさんの俳句とインタビュー

          “戦争”から2年が経って――『俳句が伝える戦時下のウクライナ』より一部公開。

          “戦争”と呼ぶことも許されずに2年――『俳句が伝える戦時下のロシア』一部公開。

          2022年2月24日にロシアがウクライナへ軍事侵攻してから2年が経ちました。当初は「すぐ終わる」という声が聞かれましたが、いまでも「戦争」は終わっていません。 本書のもとになったのは、ETV特集「戦禍の中のHAIKU」。 番組では収録できなかった人たちのインタビューも含め、ロシアで暮らす人たちによって詠まれた俳句とインタビューを『俳句が伝える戦時下のロシア』としてまとめました。 かれらは、この軍事侵攻を「戦争」と呼ぶことすら許されていません。 戦争反対!絶対反対!の気持ちを胸

          “戦争”と呼ぶことも許されずに2年――『俳句が伝える戦時下のロシア』一部公開。

          10.地域の専門機関が果たす役割:ボローニャのカヴァッツァ盲人施設が担う機能|フルインクルーシブ教育の現場を訪ねて~イタリア・ボローニャ滞在記~|大内紀彦

          ボローニャの街の中央には有名なマッジョーレ広場があり、そこからわずかな距離にはこの街のシンボルとなっている2本の斜塔アジネッリとガリセンダが聳えている。この斜塔の足もとからは、旧市街を囲んでいる城門にむかって放射線状に主要な道路が何本も延びているが、そのうちの1本がカスティリオーネ通りである。斜塔を背にしてこの通りを南に20分ほど進むと、突き当りには城門の一つカスティリオーネ門が見えてくる。その少し手前にあってひときわ人目を引くオレンジ色の外壁の建築物、それがフランチェスコ・

          10.地域の専門機関が果たす役割:ボローニャのカヴァッツァ盲人施設が担う機能|フルインクルーシブ教育の現場を訪ねて~イタリア・ボローニャ滞在記~|大内紀彦

          【イベント記事試し読み】高島鈴×鯨庭×関口竜平「『反差別』の実践/表現を考える」

          『われらはすでに共にある:反トランス差別ブックレット』刊行を記念して、2023年12月23日にオンラインイベント「『反差別』の実践/表現を考える」が開催されました。司会は本書の企画・編集を務めたライターの高島鈴さん、ゲストに漫画家の鯨庭さん、本屋lighthouseの関口竜平さんをお招きして、それぞれの立場からの「反差別」の実践/表現についてお話しいただきました。 本イベントの文字起こしデータを、本屋lighthouseさんのウェブストアで販売します(すでにイベントチケット

          【イベント記事試し読み】高島鈴×鯨庭×関口竜平「『反差別』の実践/表現を考える」