創元社「あいだで考える」シリーズがキテる!
超一流の書き手たちが、中高生にも読めるようなわかりやすい文章で、哲学や思想などを語る。しかも、大人が読んでも非常におもしろい──そんな夢のようなシリーズの刊行が始まった。
創元社の新たなレーベル、「あいだで考える」だ。
私は既刊のもの(2023 7/6現在)を今のところ2冊読んだが、2冊とも、まさに、看板に偽り無し。「10代以上すべての人のための人文書のシリーズ」と言えるだろう。
まず、頭木弘樹『自分疲れ』。
心と体のままならないありようを直視しながら、そんな自分自身とどう共に生きていくのかを模索する。「心」でもなく「体」でもなく、「心体」の「あいだ」を生きる──こうしたメッセージは、現代思想にも通じる非常に大切な考え方だと思う。
あるいは、戸谷洋志『SNSの哲学』。
新進気鋭の哲学研究者が、10代にも読めるやわらかな文体で、しかも、決して妥協せずに本質的な記述を用いながら、SNSの持つ危険性と可能性──とりわけ、公共圏の構築について思索する。
そして先日、奈倉有里『ことばの白地図を歩く』も発売となった。
こちらはまだ未読だが、既読の2冊のクオリティに鑑みるに、文字通り、期待しかない。著者はロシア文学の研究者であり翻訳者で、そんな著者が、異文化や読書ということについて綴っているらしい。
これから刊行されるすべてのタイトルも、全部読むつもりだ。
創元社「あいだで考える」シリーズ。
間違いなく、この社会を支える知的な基盤となる。
皆さんも、ぜひ。