私も猫に看取られながら旅立ちたい
前々から気になっていた映画で、じっくり鑑賞する時間が取れたので、アマプラでポテチ片手にスタンバイ。
トム・ハンクスは大好きな俳優で、見始めてすぐ、今回の映画も間違いないと確信。
トム・ハンクスの演技が秀逸な作品でした。
何度も自殺を試みるオットーですが、その都度部屋をきれいに掃除し、自分が死んだ後の事を考えて、首つり自殺の時は、床に新聞紙を敷き詰めたり、ライフル銃での自殺の時は、血が飛び散っても部屋が汚れないように、ビニールシートで囲ったり。
シュールでどこかクスっと笑える場面が展開する。
主人公のオットーは、几帳面でルール違反が許せない性格で、頑固で偏屈。
愛する妻を事故で亡くした深い悲しみと孤独。住み慣れた自宅や友人たちを奪われることへの怒りがない交ぜになり、フラストレーションが溜まっていく。
オットーじゃなくても、人間長く生きていれば、理不尽に感じることも、言い尽くせない悲しみや割り切れない感情を、大なり小なり持っていて、それらを持て余しながら暮らしていると思う。
そうした言葉にならない自身の負の感情からの防御反応で、老人を短気で不愛想にさせるのではないか?
そんな時に、オットーは陽気で愛想の良い隣人に救われた。
私もさほど遠くない将来、オットーと似たような老女になっているかもしれない。
それでも出来ればオットーのように、猫に看取られながら安らかな最期を迎えたいと願う。