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夏休みのお手伝い『はちうえはぼくにまかせて』

『はちうえはぼくにまかせて』
作:ジーン・ジオン
絵:マーガレット・ブロイ・グレアム
訳:森 比佐志
出版社:ペンギン社

<あらすじ>
夏休み、お父さんの仕事が忙しくて どこへも旅行に行けない少年トミーは、近所の人たちの鉢植えを預かって世話をするアルバイトを思いつきます。
預かった鉢植えの植物たちは トミーの上手なお世話のおかげで、ぐんぐん成長し、家の中はまるでジャングルのよう。ある日、植物が育ちすぎて家を壊してしまう夢を見たトミーは、図書館から本を借り、剪定の仕方を学びます。
夏休みが終わる頃、より活き活きと素敵になった鉢植えを手にした人びとの笑顔がご近所にあふれました。そして夏休みが終わる頃、お父さんからトミーにあるうれしいことが伝えられます。トミーのやることにしかめ面だったお父さんの表情が、夏休みの最後にはどう変化しているのか・・・にも注目です。

ペンギン社より

次男が小学校1年生の夏。
夏休み前に学校で育てた朝顔の植木鉢を持ち帰りました。
小学生のお子さんがいる家庭では、おなじみの光景だと思います。
昔は理科、1989年からは学習指導要領の改定で生活科が新設されたことを受け、現在は生活科の授業に取り入れられています。

夏休みの間、持ち帰った朝顔を育てて、毎日観察することが次男の夏休みの宿題になっていました。
そんな折、この絵本を本屋で見つけ、次男に読んで聞かせると、次男も効率のいいアルバイトを思いつきました。
絵本の主人公のトミーは、バカンスで旅行に出かける近所の鉢植えを預かってお金をもらうことを思いつきましたが、次男は私の毎朝夕の庭の水やりを引き受けることでお小遣いをもうけようと考えました。

その日から朝夕の庭の水撒きは次男の仕事となり、私は監督役です。
次男の水遣りを見ていると、早く遊びたい次男はザーッと軽く水を撒いただけで終了。その水の撒き方も草花の根元に撒くのではなく、花が濡れるように撒いています。
それでは夏の日差しが強く照りつける庭の草花はすぐに枯れてしまいます。
そのことを注意して、あとは次男に任せました。


絵本の主人公のトミーは、植物の育て方を図書館の本で調べ、園芸店で道具を買ってきて本格的なお世話を始めました。
伸びすぎた枝を剪定して、小さな植木鉢に挿し木をして増やしています。
そして預かった時より元気になった鉢植えを持ち主に戻し代金をもらい、挿し木にした小さな植木鉢を近所の子どもたちにプレゼントしました。
トミーに植木を預けた人は、また同じようにトミーに植木を預けるでしょうし、育て方のコツを聞きたがるかもしれません。
そして子どもたちにプレゼントした小さな植木も、将来は大きく育って次のお得意さんになってくれるはずです。
これは立派なビジネスです。
自分で考えたことを実行する行動力と、問題点を研究し改善していく探求心を兼ね備えています。
そしてニーズに合わせて効率のいいサービスを考え、発展させる発想力。
トミーは将来、起業家として大成功するかもしれませんね。


ところで次男ですが、飽きっぽく面倒くさがりな性格が災いして、無残にも朝顔は枯れてしまいました。
お小遣い稼ぎも、朝顔の観察日記の宿題もできず、不機嫌な次男でしたが、自分の努力が足りなかった結果なので仕方ありません。
朝顔の観察日記は諦めて、蟻の観察日記に変更となりました(笑)



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