アナログ好き
アナログなものやシンプルな物がすごく好きという話。
例えば時計や本など、デジタルのバージョンがあるものはたいていデジタルじゃない方を好む。時計と本以外ぱっと思いつかなかったけどたぶんそれなりに一貫してるはず。ちなみに私が今言ってるデジタルとアナログは専門の人が使う「区切られた、非連続的な数量(デジタル)」や「グラデーションになった数量(アナログ)」という意味ではなく、世間一般で浸透しているイメージの方を指す。伝わりますよね?
なんとなく味があるし、目の前に形として存在してる方が美しいと思う。意味が分からないかもしれないけど、画面の中で完結することがさらに増えてきた現代で、物理的に針の位置で時刻を確認することがガラパゴス的な感じが際立ってすごくいい。アコースティックの楽器とかオルゴールも好きだ。楽器そのものが奏でてるから材質や調律を変えるごとに音色も変わってくる。もし将来写真に凝ることがあれば間違いなく一眼レフを使うだろう。
あとはそれに加えてシンプルであればあるほど良い。機能がごっちゃりついたものはあまり好きではない。実は今持っている財布がすごく気に入ってる。気に入ってるどころか市販品なのに私の好みを100%反映させていて本当にすごい。
どんな財布かというと三つ折で留め具はスナップボタンが1つ。でもカードが数枚とお札と小銭も入るし、それらがすべて区分けされている。構造を説明するのが難しいけど1つのボタンでチャックもないのに小銭が転がり落ちることがない。
この財布の好きなところは機能が過不足なく、またその機能を保持するためのコストが最小限であるところだ。
まず機能について、大前提不足があるのはよくない。あと、過剰なのもイマイチ。例えばお札とレシートを分けられるとか、カードを1枚ずつ入れられるポケットがあるとか。それは過剰だし(財布に対して言い過ぎだけど)ありがた迷惑に感じる。
で、機能を保持するためのコストというのは、スナップボタンがそれにあたる。機能に過不足がなくてもポケットごとにボタンがあったり小銭入れにチャックが付いていたら美しくない。私の中ではそういった類いのコストは少なければ少ないほど良いとされる。
そんなわけでたまたま見つけた財布が私の求めるものをすべて兼ね備えていた。
逆に、めちゃくちゃ便利で世の中でかなり迎合されているけど私が気に食わないのが、たくさんポケットのついたカバン。
女性用ならたくさん収納出来るハンドバッグとか。飲み物や折りたたみ傘、メイクポーチやらスマホ用のポケットまで用意されている。男性用だと、通勤リュックにパソコンやタブレット、ガジェット、筆記用具専用のポケットがそれぞれ搭載されている。
分かる。すごく便利だし全部のポケットに私物を収納したらすごく気持ちがいいだろう。でもそれはカバン側に使い方や行動を制限されているともいえる。持ってかなくてもいいけどポケットあるからせっかくだし持っていこう、てなりそう。そんなのは嫌だ。かばんなんて財布とカギが迷子にならないための小ポケットさえあればいいのだ。可能性はこっちで握っておきたい。
似た話でいうと、機能と物体が一対一対応しているものにもロマンを感じる。下敷きとか靴べらとか。それのためだけに生産されていて、なんとも愛らしい。小学生のころから使っている下敷きが今も会社のロッカーに置いてあるのだけど、すごく愛着がある。うまく言語化出来ないけどこれら単機能の物体の良さを感じ取ってもらえたら嬉しい。
ちなみに多機能ですばらしいものも世の中にあるから、最後にそれを紹介しておく。
それはROLANDのこの電子ドラム。もちろん本物の音色には届かないし生ドラムの方が楽器としてはいいんだけど、1人で遊ぶことが多いOLの強力な味方になりうる。
このROLANDの電子ドラムは通常の電ドラと同じく、叩く場所に合わせて異なる音色を出せるのに加え、Bluetoothに繋げるとスマホの音源と自分の演奏を同時に出力してくれる。スタジオで音楽を流しながら叩かなくても、バンドメンバーを集めずとも、家で音楽に合わせて演奏することが出来るのだ。音源モジュールも、メタルからハードコア、アコースティックなど色んな音に変えることも出来る。
演奏体験で言うと、メッシュパッドが限りなくスネアを叩いてる感覚に似ているし、バスドラのキックペダルがだいぶ本物に近い。ハイハットのオープン・クローズは若干付いてこれてない感はあるけどそれでも普通にしゅごい。やり始めたら3時間は溶ける。
前述のアナログとは対極の存在だけど、こういうのはこういうのでいいよな。
おわり!