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栃木県が今年の魅力度ランキング最下位だというので、本当に魅力度が低いのか、栃木県民が確かめてみた。


民間調査会社のブランド総合研究所が毎年実施している、「都道府県魅力度ランキング」なるものの2020年版が発表されました。


今年の話題はもっぱら「7年連続最下位だった茨城県がついに最下位脱出!」おめでとう茨城県。
じゃあ成り代わった最下位どこ?と見てみれば‥

『栃木県』


って・・・


そう。
我がふるさと栃木県。愛しの栃木県!

まあねー、薄々そんな気はしてたよね~。
妙に納得の反面、本当に魅力ないの!?こんないいとこなのに?そんな気持ちも湧いてきたり。
なので。栃木県の魅力度は本当に低いのか、県民自ら確認してみたいと思います。

■栃木県ってどこ?

問題です。栃木県はどこにあるでしょーか!?
そう、迷う(←よね)。知名度相当低い(←知ってる)。
ということで、まずは栃木県の位置から。

日本全体白地図


ここが栃木県。
東北地方じゃないです。関東地方の一員。南東北と思ってた方、残念!

小学校の頃、ジャガイモの形が栃木県と先生が教えてくれました。もしくは握りこぶし。よく間違われるお隣の群馬県は、鳥が羽ばたいた形。海に面しているのが茨城県。
関東地方1都6県のうち、群馬・栃木・茨城の3県が北関東構成員。
この3県は長きにわたり、北関東No.1の座をかけて壮絶な闘いを繰り広げています。だから、今回茨城に負けたのは痛恨の極み…。
でも真のライバルは埼玉県。

栃木県の県庁所在地は宇都宮市。東北新幹線停車駅で都心へのアクセス良好だけど、北海道新幹線は停車しないので要注意。
推しは日光東照宮に代表される世界遺産・日光の社寺と、イチゴと餃子。あとレモン牛乳とU字工事。
公式ゆるキャラは、ちょっとやんちゃな頑張り屋・とちまるくん。とちまるくんの体重はかんぴょう2個分 …って、かんぴょうって1個どれくらい?
とちまるくん体操は地元幼稚園保育園の定番ソング。踊れる父兄も多数。私もノリノリで踊れる。

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以上が栃木県の基本データ。もっと知りたいという方、上のとちまるくんバナーから栃木県HPで是非どうぞ。
でも基本データだけじゃ真の魅力は分からないので、超独断と偏見でぐるっと県内を今一度見渡してみました。なので、日光とかいろは坂とか那須高原とかあしかがフラワーパークとかのド定番スポットじゃないとこに目を向けてみます。


■華麗なる果物の世界

栃木の名品イチゴ・とちおとめは毎年、福岡産「あまおう」と熾烈なイチゴ頂上決戦を繰り広げていますが、イチゴだけじゃない華麗なる果物の産地が栃木県。梨・リンゴ・葡萄も生産が盛んでとても美味。
梨は「幸水」「豊水」「あきづき」「新高」、それに栃木オリジナルブランドの巨大梨「にっこり」と栽培品種が多く、7月から11月頃まで楽しめます。
リンゴは矢板市が名産地。樹上完熟が特徴で超甘い。
葡萄は栃木市に大平ぶどう団地なる一大生産地があります。芳賀郡にもおいしいぶどう園がたくさん。ちなみに私はスーパーで葡萄を滅多に買いません。味が全然違うんだもん。

葡萄つながりで、こんなワイナリーが足利市に。ワイン好きだとご存じの人、多いかな。

ここは訪れると一目で分かる、里山山麓の結構な急勾配地。1950年代に特殊学級の学生達と先生が約2年間の並々ならぬ努力の末に開墾。実際この場に立つと、開墾の苦労がいかほどかと思いが巡ります。
以降、特殊学級生が葡萄の栽培を始め、1980年からは、知的障がい者入所施設園生の社会的自立を目的にスタートしたワイナリーがココファーム。
2000年の九州沖縄サミット、2008年の北海道洞爺湖サミット、2016年広島での主要7カ国(G7)外相会合の場で振舞われたワイン、というとピンとくる人多いかも。ワインの味は言うに及ばず、絶品。

■海なし県だけどフグの産地

栃木県は内陸県なので海に面していません。でも、トラフグの産地です。

栃木は温泉天国であちらこちらで温泉が湧いているのですが、場所により泉質が海産魚類の養殖に向いているってさ!え、まじ!?という世紀の発見から日本で初めてトラフグの養殖を始めたのが栃木県。

このトラフグ養殖、実は切実な地方の現状ゆえに生まれました。
県内多くの町は過疎化が深刻で、学校の統廃合もかなり進んでいます。若年層の人口流出が止まらない結果です。
保育園から高校までの私の母校は、小学校以外は既に全て統廃合されて残っていません。唯一残っている小学校も今では複式学級なので、数年後には統合され廃校となるでしょう。
だから町おこしは、まさしく町の存亡に関わる生命線。そこで考え出されたのが、「自然資源の温泉×廃校跡地の活用=トラフグの養殖」

廃校となった学校の教室内には、天井にもつきそうな程の大水槽がおかれ、そこが養殖場となってます。数年前、縁あって直接見せて頂いたことがありますが、とても気持ちよさそうに泳いでました、トラフグたち。
ほかに、スイミングスクール跡地のプールもトラフグの養殖に使われています。養殖地・那珂川町内の各飲食店では、様々なトラフグ料理を満喫できます。味は言うに及ばず絶品。餃子なんて目じゃないね。
あ、ごめん宇都宮。敵は納豆と下仁田ネギだった。餃子好きよ。


■実は世界的建築家のすごい作品が結構あったりする

最近では新国立競技場の設計をされたことでも有名な、世界的建築家・隈研吾氏。栃木県内には隈氏設計の建物が3つもあるのですよ、実は。

①那珂川町馬頭広重美術館

②JR宝積寺駅

③石の美術館

コメントなんて野暮はいらない。見れば全てが分かる。とにかく素敵…。

ちなみに広重美術館は、歌川広重の膨大な肉筆画を中心とした美術館で、日本でもかなり貴重。


■建築だけじゃない、多様なART環境

広重美術館だけでなく、他にもいろいろなARTに触れることができる栃木県。

★藤城清治美術館

見たことある!という方、相当多いはず。日本を代表する影絵作家・藤城清治先生の美術館が那須町にあります。藤城先生の作品は、物語の中の更に夢の世界のような、幻想的という単調な言葉だけでは足りない美しさ・優しさと、いつまでも心に残る印象の強さがありますね。

★いわむらかずお絵本の丘美術館

こちらも、特にお子さんがいる方は一度は目にしたことがあるかと。『14ひきのあさごはん』など、ねずみの大家族が自然とともに生きる14ひきシリーズなどが有名な絵本作家・いわむらかずお先生の美術館が那珂川町に。

この美術館のコンセプトには、絵画や絵本に触れあうだけでなく、里山の自然でいろいろ体験するということも大きな柱としてあります。美術館は昔ながらの里山の中にあるので、周辺で生息する動植物に触れあったり、蛍の観察をしたり。併設農園でタケノコ堀りや田植え稲刈り等を体験することもできます。

★濱田庄司記念益子参考館

陶芸・民芸で有名な人間国宝・濱田庄司。
濱田庄司氏といえば益子焼!
益子町には濱田氏の作品などを展示する益子陶芸美術館と、濱田氏自らコレクションした数多の工芸作品等を展示する濱田庄司記念益子参考館があります。
なぜ「参考館」なの?かというと。
『濱田氏がそれらの品々から享受した喜びと思慮を、広く工芸家および一般の愛好者と共にしたい、また自身が制作の際に参考としたものを、一般の人たちにも「参考」としてほしい(HPより)』という目的で設立したからだそうです。何処までも深い…。


■実は戦隊ものの聖地だったりもする

スーパー戦隊とか仮面ライダーとかでよくありますよね、爆破シーン。
断崖絶壁のふもとで悪者と戦って、大爆破!っていうあれ。大好物♪
これらの名シーンは、栃木市の岩船山中腹採石場跡でよく撮影されてます。

この他、ヒーロー決戦の名所はこちら

★大谷資料館

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大谷資料館は、沢山のPVやドラマ、映画の撮影地でもあります。
HPを見たら、『当館の敷地が広範囲のためカーナビに住所で入力されますと山の中で迷子になります』って 笑 
かつての大谷石採掘場跡地なので、確かに迷子になるほど広大。

★若山農場

あ、ここは映画・キングダムの戦闘シーンの撮影地だった 笑

爆破シーンって、シチュエーションによって規模やタイミングだけじゃなく、炎の上がり方を計算して火薬の設営をしたり、煙の色とかも全部変えてるんですよね。職人技なのは間違いないし、もはや芸術(と個人的には思っている)。岩船山は場所自体が映えるので、コスプレの撮影場所でも人気。


■北海道に負けない映えスポット

都道府県魅力度ランキングの1位といえば北海道。もやは絶対王者感さえ漂う貫禄。でも、北海道に行かなくても、栃木で北海道のような大自然の絶景を楽しむこともできます。それがこちら。

ちょっと前に、女性タレントさんが運営に乗り出されたことで話題になりました。競走馬のセカンドライフの地として馬たちがゆったりと過ごす場所でもあり、ホーストレッキングなどが楽しめる場所が大田原市にあります。
このあたりの景色は本当に素晴らしい。映えなんて簡単な言葉では到底言い表せない景色。携帯も時計も必要ない。佇むだけで本当の心の豊かさを感じられる場所です。


自然豊かで雪深い地だからこその美しさ。日光市湯西川温泉のかまくら祭り。見どころは、河川敷に作られた約1000個のミニかまくらに明かりをともす夜の景色。日本夜景遺産「歴史文化夜景遺産」に認定されています。

湯西川温泉は別名「平家の里」として、平家落人伝説が語り継がれている地です。
なんでも、源氏と平家の最終決戦となった壇ノ浦の合戦に敗れた平家の落人たちが、湯西川の渓谷沿いに湧き出る温泉で傷を癒やし、この地に隠れ住んだとか。その当時の名残として囲炉裏料理が名物。泉質はさらりとした単純泉で効能万能。


高根沢町の道の駅、元気あっぷ村。今年全面リニューアルしまして、水辺でトレーラーベースのグランピングも満喫できるのです!グランピングでの食事は地元食材でのアメリカンスタイルBBQ。道の駅本館は別にありますが、そちらもかなりおしゃれ。新鮮な地場野菜、勿論売ってます。露天風呂付本格温泉もあります。レストランも複数あります。特製ジェラート店もあります。グランピング以外に、宿泊できるコテージもあります。もはや道の駅じゃない気がする。


■プロスポーツチームが多くてバラエティ豊か

知ってます?栃木県って、プロスポーツチームが結構多いんです。

★目指せJ1! 栃木SC(サッカー)

栃木SCのマーケティング戦略部長・えとみほさんは、noteの世界でも活躍されています。


★Bリーグ初代王者 宇都宮ブレックス(バスケット)

バスケ界のレジェンド、田伏勇太選手の所属チーム。


★BCリーグ所属 栃木ゴールデンブレーブス

メジャーリーグでも活躍した川﨑宗則選手、西岡剛選手が所属。

★日本唯一のプロアイスホッケーチーム 栃木日光アイスバックス(アイスホッケー)

アイスバックスの前身、伝説の古河電工アイスホッケー部設立時からだと95年という歴史あるチーム。あのセルジオ越後氏がシニアディレクター。


★自転車ロードレースのプロチーム 宇都宮ブリッツェン

宇都宮市は世界のトップチームが集うジャパンカップサイクルロードレースの開催地になっています。そして今や、宇都宮市民にもロードサイクル愛好家が数多。


■半端ないパワースポット

日光東照宮が江戸城の守り神とすべく、江戸城にとっての鬼門封じとして建立されたのは有名な話。そして日本屈指のパワースポットなのも有名。でも、日光東照宮だけじゃないんです!

★大谷寺

撮影の聖地・大谷資料館のお隣にあるお寺。810(弘仁元)年、空海開祖と伝わる古刹で、 天然石窟の壁面をそのまま彫ったご本尊・千手観音(大谷観音)をはじめ、10体の石仏が国の特別史跡・重要文化財になってます。本気で、空気違います、ここ。

★雲巌寺

吉永小百合さん出演のJRのCMで有名になった大田原市にある臨済宗妙心寺派の寺院。松尾芭蕉が奥の細道で一番長く滞在したのがこの地。何度か再建を経ていますが、最初の建立は平安時代後期とか。日本禅宗4大道場の一つという、由緒ある寺院。周辺最大のパワースポットとして名高い。

★古峰神社

別名・天狗の社。いたるところに天狗がおられます。天狗パワー半端ない。そして御朱印がとにかく凄い。その数、約30種類。ARTな天狗の絵を手書きで描いてくれるので大人気。御祭神は日本武尊。


★JR烏山線

ただの鉄道じゃん?って思ってるそこの方。ただじゃないのですよ。
JR烏山線は単線。非電化路線。一両のディーゼル電車がそれはそれはのんびり走ってました。時に隣で走る車の方が早いくらい。今ではJR東日本初の蓄電池駆動電車「ACCUM」が運行している、電車好きの方必見スポット。のんびりディーゼル電車もまだ現役。
烏山線には8つの駅があるのですが、その中に「宝積寺」と「大金」という名の駅がありまして。
そう、『大金という宝を積む』
超縁起がいいということで、烏山線は起点の宝積駅を除いた7つの駅で七福神をそれぞれモチーフにもしています。
私、かつて、この区間の乗車券を名刺代わりにしてました笑 結構喜ばれたなぁ。
パワースポットかって?縁起がいいのは間違いない。


って、いろいろ書いていたら5000文字を軽く超えてきた。でもまだ全然書き足りない。あえてここに書いてない定番有名観光スポットはやっぱり素晴らしいし。名産品も美味しい食べ物も美酒も面白い町おこしもARTも映えスポットも撮影のメッカもパワースポットも、他にもたくさんあるし。那須動物王国にはなかなか珍しいホッキョクオオカミとかマヌルネコとか、希少動物のスナネコは赤ちゃんまでもいるし。なかがわ水遊園は超珍しい淡水魚専門水族館で、チューブ型トンネル水槽には巨大ピラルクーとかピラニアとかナマズとかが優雅に泳いでるし。大田原のふれあいの丘は4回も全国一の星空に認定されてるほどの場所だし。宇都宮の花火大会は、かの有名な世界一の花火師マルゴー社が手掛けていて、それはそれは度肝を抜く美しさだし。山ガールやトレッカーにお勧めの登山・ハイクコースは沢山あるし。お洒落なカフェは山のようにあるし。巨大アウトレットは2つもあるし。渡瀬橋で見る夕日はとても綺麗だし……


こう改めて見てみると、やっぱりいいとこじゃない、栃木県。
魅力も沢山、個性も沢山。書いててなんだか超楽しくなってきた。

今回の調査結果は、コロナ禍により観光客が激減したことも一因と分析する人もいましたね。でも、それは全国どこも同じであり。
思うに、栃木の県民性って良くも悪くも「内向的」とか「安定志向」。目立つのとか変化とかをまーー好まないんですよね。だからアピールも正直かなーり下手…。
知名度が低く、毎年魅力度ランキング40位以下常連というのも、県民ですら納得な訳なのです。

でも、ここに書いたのなんてごくごく一部な、魅力溢れる栃木県。アピール上手になって、その魅力を余すことなく世の人々に広くぐいぐいと伝えてほしい!
って、県民の私も頑張ります。はい。
今が最下位ならば後は上るだけ、だよね。さのまるくん!
あ、違った。とちまるくん 笑


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