ADHDの娘と取り組んだ対策(小学校低学年まで編)
現在中学1年生のうちの娘は、
5歳の時にADHDかも?と
クリニックに連れて行ったのを皮切りに
6年かけて、ようやく診断がつきました。
経緯はこちら
確定診断がついたのは小学6年生の時でしたが、
この子はADHDの可能性があるという
親目線からの判断のもと、
家庭でできる範囲での対策を考えていました。
女の子のADHDに多いそうですが、
多動性は「よく喋る」(というかノンストップ?)と
いう形で現れる事が多く、うちの娘も
活発ではありますが、
ものすごく良く喋るのが目立ちました。
さらに気になったのが、衝動性や注意力不足。
こちらの方が日常生活に支障を来しがちだったので
衝動性、注意力不足を本人がコントロールできるように
なればと思って、取り組んだ事があります。
年齢に応じて対応も変わると思いますので、
我が家で5歳から小学校低学年頃までに取り組んだ
対策のうち、有効だったように思われることを
いくつか書いていこうと思います。
失敗も数知れず、そして本当にこれが有効だったかは
証明できませんが、ご了承ください。
ビー玉 in ウォールポケット
小学校に入ってからの数年間、
我が家の壁に貼られていたのはコレ。
ちなみにこれは2代目です。
100円ショップで買った、ウォールポケットです。
元々は毎日のお薬の飲み忘れがないよう、
透明のポケットにその日の薬を入れて
飲み忘れが一目でわかるようにするための商品です。
我が家はここに、ビー玉を入れるシステムを考えました。
その時々に応じた目標を
「全部達成できたら3つ」
「半分以上達成できたら2つ」
「半分以下なら1つ」
「1つもできなかったら0」
というルールを決めて、
ビー玉の数が20個を達成したら
文房具屋さんで好きなものを1つ買っていい
ということにしました。
このご褒美を与えるシステムには
賛否両論あると思います。
うちは娘が好きだった文房具屋さんでの買い物
というご褒美にしましたが、
ちょっと遠くのお気に入りの公園に連れていくとか、
ママと一緒に好きなお菓子を作るとか、
別の形でのご褒美もアリだと思います。
とにかく子供がそのためなら頑張ろうと思えるご褒美に
する事が肝心だと考えました。
目標は子供と一緒に考えます。
項目は8個くらいまでを目安にしました。
多すぎても少なすぎてもいけないなというのが
やってみた感想です。
達成させるのが第一目的ですので、
あまり難易度は上げませんでした。
例えば
「帰ってきたら言われる前に手洗いうがいをする」
「宿題を夕飯の前に仕上げる」
「寝る前にテーブルの上の自分のものを片付ける」
「言われる前に洗濯物をカゴに入れる」
などなど。
子供の日頃の様子を見ていて
どうしても注意が多くなる項目を中心に書きました。
「言われる前に」というのを所々に書いたのは
自分からやるべきことを
頭の中に入れておいてほしいという
気持ちがあったからです。
要するに、生活する中での優先順位をつけて
それをできるようになって欲しいという狙いでした。
もちろん、「おやすみー」という娘が
折り紙をテーブルに出しっぱなしにしていたら
「あら?テーブルの上に何がある?」などと
リマインドをしつつ、サポートはしました。
そして寝る前に「今日はビー玉何個かな?」と
目標を再確認させることで
「あ、忘れてた!」という項目に気づかせたりもしました。
でも、あぁまた出しっぱなしにして!(怒)とか
何度言ったら分かるの!?みたいな言い方を
極力減らす方が、娘の自尊心を傷つけないと考え
ビー玉に頼りきりでした。
だんだんと書かれている目標が当たり前に
できるようになった時や、
成長に応じて他の項目が必要だなと感じた時は
目標を見直して
「これはもうできるから、消して、
別の目標を入れようね」と
目標の中身を入れ替えました。
これで娘の注意力の欠如や衝動性が
劇的に抑えられたとは言えませんが、
少なくとも、何かを習慣づけるという点では
非常に役に立ったと思っています。
後にカウンセリングを受けた時に、
カウンセラーの先生にこの取り組みを話したところ
「非常にいいことだ」と言っていただきました。
目に見えて達成度が分かるようにすることや
叱らないで本人の苦手なところを改善する方法は
きっと娘の役に立っているとのこと。
100円で買ったウォールポケットですが、
元取りまくりだと自負しております(笑)。
貼り紙をペタペタ
ウォールポケットにビー玉を入れるシステムを
行うにあたり、ウォールポケットのすぐ隣に
娘本人が書いた目標の紙を貼って、
その場で確認できるようにしていました。
それ以外にも、我が家の数カ所に
紙が貼られていました。
例えば、玄関には「ハンカチ・ティッシュ」
という貼り紙。
忘れ物の多い娘は、朝学校に行くときに
私によく「ハンカチ持った?ティッシュは?」と
聞かれて「あ、忘れてた」という事が
ありました。
私も、仕事前にバタバタ用意をしている中で
毎回娘に忘れ物の確認をする余裕がないこともあります。
ですから、紙をあちこちに貼ったのです。
せっかくティッシュを持っていっても、
ポケットに入れっぱなしで洗濯してしまうという
トホホな出来事が何度も続きました
(黒い服などに洗ったティッシュのカスがつくと
それはそれは悲しくなりますよね・・・。
半泣きで粘着シートのコロコロをかけたこと
数知れず)。
だから、洗濯カゴのそばに
「ポケットの中身確認!」と貼ったり。
ただ、あまり数が多いと
すごく縛られている感じがあるので、
一度に貼るのは家の中2、3箇所までにしました。
遊び感覚で事故を防ぐ
幼稚園から、小学校低学年頃の娘との外出に
1番気をつけていたのは事故の防止。
と同時に、人ごみの中を歩く時など、
あちこち気が散ってよそ見しがちだったので
人にぶつかるぶつかる。
人なら「ごめんなさい」と謝るのみですが、
柱にぶつかったり、壁にぶつかったりすると
本当に怪我します。
小さな怪我はちょこちょこありました。
これが大事故にならないように、
とても気を遣ったのです。
よく、歩道にブロックなどが敷いてありますよね。
これを利用しました。
このブロックの線に沿って
まっすぐ歩けるかな?というような
ゲーム感覚で足元を見て歩かせました。
「ママとどっちが長くまっすぐ歩けるか
競争だよ!」などと言いながら
ブロックの線の上を歩かせるのです。
娘が頑張って歩いていれば
「わぁ〜上手!すごい!!」と
テンション上げまくりで褒めました。
疲れましたが、いつの間にか
どこかに行ってしまう子供を追いかけるより
100倍マシです。
疑問形で気づかせる
これは、自分に余裕がないとできないことでしたが、
「○○やるって言ったでしょ!!」と
怒鳴りそうになるところをグッとこらえて
「あれ?今それやっていいんだっけ?」とか
「次は何するんでしたか?」と質問して
本人に優先順位の再確認をさせることを
心がけました。
ビー玉 in ウォールポケットの時にも書きましたが、
目標に書かれた項目を忘れている時にも、
それ以外の時にも役立ちました。
例えば
夕飯を食べ終わって、そのままぼーっとテレビを
見ている娘に、
「ご飯食べ終わったら何するんだっけ?」と
疑問形で話しかけます。
「ごちそうさまでした!」と言う娘に
「はい!じゃあそのあと何しよう?」と聞くと
ようやく食器をシンクに運び始める、
といった具合です。
惜しむらくは、私がコンスタントにできなかったこと。
忙しい時、イライラしている時など、
私の態度に一貫性がなかったなぁと思います。
娘の食器を私が黙って運んでしまったり、
「食べ終わったら、シンクに持っていってよ!」と
声を荒げてしまったり。
理想と現実は大きなギャップがあります・・・。
ギューっと握って心を鎮める
うちの娘の良いところであり、
時にマイナスにもなってしまうのは
弁が立つこと。
以前、ああ言えば上祐、って人がいましたが、
うちの娘もああ言えばこう言うタイプ。
まぁ、うまいこと返してくるんですわ。
お互いがイライラしている時なんかまさにそれ。
そんな時に夫が一言。
「僕はイライラするとセロテープを数センチ切って
それを指先でくるくる丸めながら相手の
話を聞くんだ。気持ちを落ち着かせてくれるよ」。
なるほど。指先を動かしているだけなら
それほど目立たないし、良いかもしれないと
採用決定。
娘は小さい頃から、
毛糸で作った手のひらサイズのポンポンが好きでした。
こういうポンポンをたくさん作って、
「フラッフィー(英語でフワフワという意味)」と
呼んでいました。
娘はお出かけの時に、このフラッフィーを
いつも持ち歩き、寝るときも握りしめていました
(もちろん小さいのですぐ失くす。だから
私のカバンの中や車の中にもフラッフィーは常備)。
それを思い出し、娘に聞きました。
「イライラした時、何かをギューっと握ったりすると
マシになる?」と。
あぁ、それは良いかもしれないと娘が言うので、
当時娘がハマっていたスクイーズのなかで
小さなものをギューっと握るように使いました。
ギューっと握りながら、自分の気持ちをコントロールする
という方法を時々取り入れながら、
自分にはこうやって爆発しそうな気持ちを
抑える方法があるんだという安心感を
持たせられればと思ったのです。
うまくいくときもありましたし、
そんな簡単にいかないわ!ってこともありました。
でも、とにかく諦めないで方法を見つけることが
娘にも家族にも良いことだと思っていました。
今もその考えは変わりません。
あ、それから。
雑貨屋さんで見つけたメキシコのおもちゃで
膨らませる前の風船の中に小麦粉を入れて
そこにビーズ様の目鼻を付けたものが
あったんです。
ギュッと握ると形が変わって面白いんです。
これをとても気に入った娘は、
スクイーズの代わりにこの小麦粉風船を握って
いたこともありました。
しかーし!!
風船が破れて粉まみれ!
という大惨事が起こりました。
泣けた・・・。
タイムアウト
イライラのコントロール法はもう1つありました。
これは、私自身も使うのですが
「タイムアウト」という方法です。
家族で何か衝突しそうになった時、
「タイムアウトとるわ」と宣言した人は
自分の部屋に入るなどして、誰とも接触しないのです。
気持ちが落ち着くまでに10分で済むこともあれば
1時間以上かかることもありますが、
本人が納得するまでタイムアウトの時間を作る。
そうすることでヒートアップしないで、
その後落ち着いて話し合いができるようになります。
これも、うまくいかないこともあります。
お互いがイライラしすぎて、タイムアウトを忘れて
しまうこともあれば、
タイムアウトを取りたいと私が言っても
娘が嫌がってもっと感情的になってしまったり、
タイムアウト中に話しかけてきたり・・・。
でも、我が家では非常に大切な習慣です。
言葉でイライラをぶつけると、必要以上に
きつい表現を取ってしまうこともありますが、
タイムアウトの後は言葉を選ぶ余裕を取り戻せます。
娘も、よくタイムアウト中に反省の手紙を書いて
私にそっと渡してくれたりしました。
カウンセラーの先生には「6秒ルールもいいよ」と
言われました。
イラっとした時に、すぐにそれを表に出さないで
心の中でゆっくり6秒カウントする方法です。
6秒の間に気持ちが鎮まると勧められました。
これもうまくいくこともありましたが、
なかなか定着せず、6秒ルールを忘れてしまいがち。
だからタイムアウトの方が我が家には向いていました。
そして娘がタイムアウトを取っている間に
私も同時に気持ちを鎮めて、
どんな言い方をすれば伝わるかを冷静に考えたり、
謝り方を考えたりすることもできることも
非常に役に立っています。
とまぁ、我が家の日常にイライラがいっぱいあることを
暴露したような投稿になりましたが、
ADHDの子供ならではの衝突、イライラは
独特なものがあると思っています。
大切なのは、お互いダメージを与えすぎないこと、
自尊心を傷つけないこと、
本人の全否定にならないようにすることなどかなと
考えながら、まだまだ試行錯誤の子育ては続きます。