記銘力やら復習やらの話
人が新しく物を覚えるということ。
「記銘」って言います。
要は、最初に書いた通り覚えるということ。
記銘したことを覚えておく、保存しておくことを「保持」、
保持したものを思い出すことを「想起」と言う。
気になるのは人の記憶力の問題。
看護学生に技術演習の指導をしていると、「前に演習で習って練習したよね?忘れちゃったの?」なんてことがよくある。
例えば、1か月前の技術演習で体位変換で仰臥位から側臥位(仰向けから横向き)にする方法を指導したとする。そこでは、右手と左手は患者さんの体のどの位置に置いて、どういう風に動かすと患者さんの負担が少なくて済むかということなどを学ぶのだけど。。。
その1か月後に患者さんの清拭(蒸しタオルで体を拭くこと)を演習授業でやることに。寝たきりの患者さんの設定のため、自力で座ることができず、看護師が患者さんを側臥位にしないと背中を拭くことができないという状況。
といったときに、1か月前に習った体位変換の仕方を忘れている学生が多い。そして私が上記の通り「前に演習で習って練習したよね?忘れちゃったの?」なんて思ってしまう、、、たまに口にするけど。
かくいう私も記憶力、物覚えは悪いほう。
しかも看護師をしていたというのに、人の名前と顔を一致させるのが苦手で…。外来勤務だと特に、多くて週1回、長いと3か月に1回くらいしか会わない患者さんもいる中で、なかなか覚えられず。言い訳にがましいですね、ごめんなさい。
さらに現在は、学生の顔と名前がなかなか一致しない、、、授業で担当して深く関わっていたりすると覚えられるのだけど、そうでないとなかなか。うぅ、来週から実習が始まるので学生の名前と顔を一生懸命覚えなくては、、、
しかし、授業内容となると、なかなか覚えられない、では済まされない。学内での期末試験もあるし、看護師になるには国家試験に合格しなければならないという大きな関門が。
そこで大切なのが復習のタイミング。
カナダのウォータールー大学の研究結果によると、こんな忘却曲線が呈示されました。
詳しくは上記リンクからウォータールー大学のサイトを見ていただくとして。
茶色のラインを見ると。。。
新しいことを覚えた時、その記憶内容が0から100%まで上昇する。
そして時間の経過と共に記憶した内容はグラフの下降のように忘れていく。24時間経つとその半分以上を忘れてしまうということに。
次に黄色のグラフを見ると。
新しいことを覚えた1日後に10分間の復習をすると、記憶したものを100%近くまで保持できるとされている。
また同様に1週間後には5分間の復習、1か月後には5分未満の復習で、新しく記銘したことを保持し続けられるということに。
なので、私は学生に技術演習で指導した際にはできるだけ、「24時間以内に思い出して復習しておくといいよ」と伝えています。復習の方法としては脳内のイメージトレーニングだけでも、全くしないよりは記銘・保持の効果を大きく得られるのではないかな、と思います。(根拠となる論文などはないのですが)
これで学生の役に立つのなら!
という思いと、同じことを何度も教えるという労力をかけたくないという私自身が楽をしたい思いとの両方が詰まった上記の指導になっているという状況。
が、、、効果はあるのかは果たして、、、といったところだけど、地道に続けてみようと思うこの頃。実習成果に期待したいなぁ。
ではまた。
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