社員旅行で行った台湾で上裸になった話
ブラック企業で働いていた頃、社員旅行で台湾に行った。台湾初めてだった21歳の私。
メンバーは社長や部長や社長のご両親(昔社長してて相談役と会長になってた)オールドチームと行った。1番歳が近い人で10個上くらい。
若い事務の先輩は行かなかったが、私はただ海外に行きたいという理由で参加した。
台湾に着くと夜だったので全員でご飯を食べに行った。屋台で適当に食べるとトイレのバラの芳香剤のような味がしてみんな一気に残念な顔になって私はみんなの顔がおかしくてデジカメで写真を撮りまくっていた。
国を出れば上司も何も関係ない。残念な表情をしてる人は面白いから欠かさずカメラに収める。
屋台にはタピオカ屋も多くて看板にカエルが描かれているのが印象的だった。
ホテルの部屋は三人部屋で経理のちょっこ怖い人と営業の40代の上司と同じ部屋になった。
珍しい組合わせの女3人。
私だけ簡易な折りたたみベッドだったが別に気にならない。変な寝方をして寝ている間にバタンとベットが畳まれないか心配なのとベットから落ちないか心配なのと朝に弱い私がちゃんと起きれるかが心配だった。上司にムッとするのは避けたい。
寝心地なんてどうだって良い。
気を張って寝たおかげで早朝に目が覚めた。
ベットから落ちてない。良かったと思いそうになったけど上半身が裸だった。
寝ている間に誰かに脱がされてる?!だって今までそんな事なかったし部屋が暑い訳でもない。自分で脱いだなんて事する訳無いし記憶が無い。悪い薬飲まされた?…台湾怖い。
布団の中でぐちゃぐちゃになったカップ付きキャミとTシャツをささっと着て二度寝した。
2日目は台湾観光をみんなでした。
ガイドさん付きでバスで色々行くが台湾の事が全然わからず感動するタイミングが無い。
「あーココ!見たことある!」と思えたのは日本に帰ってきてからテレビで見てから。
【台湾 観光】で調べると出てくるような所はほとんど回った。
今調べてもあーあの煙の所は寺だったのか。とか国立故宮博物院ってとこに行ったんだな。漢字多くて読めないな。とか101ビルってとこ行ったわ。とか所々覚えているが「行ったわ」という軽い記憶しかない。
ガイドさんが行く先々でお土産屋さんやご飯を食べる所に案内するが「ここは何もいらないから降りない」とか「ここじゃなく隣の店で食べる」とか会長と社長が騒いでいる。
案内される所に全然行かない。うちの会社の人しかいないから自由でも何でも良いけどガイドさんが振り回されて困っているが会長は気にしない。「ガイドさんが契約しているお店でお金を使わせてマージン貰うから焦ってるけど私は私の行きたい所に行く!」ときっぱり言った。
ガイドさんは日本語がわかるし会長は声がでかい。そういう仕組みなんだ。
私たちは全員で案内されてないお店で食べてガイドさん一人で案内するはずだった店で食べている。商売人相手に商売するのは大変。
唯一良かった観光地は[九份]で千と千尋の神隠しの舞台の一つと言われている所。
緑の壁に提灯が沢山。
周りには金平糖屋さんや石けん屋さんや印鑑を作ってもらうお店があったのを覚えている。みんな印鑑を作るというので私も作ったがよくわからないまま注文したので四角い印鑑で漢字も枝が生えているような謎解きみたいなクセのある文字になってしまった。10年たった今も使った事がない。
台湾の料理は私はほとんど食べれなかった。
見た目は普通なのに味が芳香剤っぽいとか、味が全くしないとか、美味しそうなアイスも下のコーンが不味いとか予想を超える不味さだった。ホテルのバイキングでは率先してマカロニやハムを先に食べて「これはダメ!これは味がないので食べてOKです!」と上司達に教えていた。
だが小籠包をお店で食べた時は悶えるほど美味しかった。それまであんまり食べてなかった小籠包だったがレンゲに乗せて刻み生姜を乗せて食べると死ぬほど熱くて口の中が食べるたびに死ぬけど、口の一つや二つダメにしても良いくらい美味しかった。あれ以来小籠包が大好き。
「台湾はマンゴーかき氷が有名で若いから食べなよ!」と連れて行かれた。
台湾は建物の中がとにかく寒い。冷房をガンガンにつけてて「冷房つけれるくらい儲かっているお店ですよ」という意味と教えてもらった。
その見栄の無駄遣いのせいで極寒のかき氷。
マンゴーは美味いがかき氷がでかくて寒い。
マンゴーとかき氷が良い組み合わせとも思えない。お腹も弱いのにこんなに氷を食べたらお腹が爆発するのでいっぱい残した。
夜の自由行動に時に営業の上司と足のマッサージに行った。人生初のマッサージ。よくわかんないけど暗い部屋で足をグニグニされる。
マッサージをしてくれている人が私の足首をグニっとした時に驚いた様子だった。
足首が柔らかく「えぇーーーマジ?」みたいな反応をしている。言葉がわかんないのでヘラヘラしていると店員全員を呼んで
「見て!この足首!!ほらグデングデン!!」と自慢げに回している。
私の足なのにそっちの手柄になってる。
「おおぉーーーすげーーーーー」みたいな反応で悪い気はしない。私はヘラヘラと「柔らかいんだよねーへへへ」と伝わらない日本語で自慢した。
次の日一人で屋台を歩いてみた。海外で一人で歩いてる私!大人!と思い自撮りして日本語で大声で歌いながら歩いた。
歌ってると思われても知り合いはいないから油断して大丈夫。そこでウエストがゴムのケミカルウォッシュのデニム風のズボンを買った。
思い出の場所で何かを買うのが好き。
日本で焼肉をする時も新宿に行く時も履いていたが「ダサい」と不評だった。
帰りの空港に向かうバスでお弁当が出されたがこのお弁当は美味しくないだろうなと見た目でピンと来たのでバナナだけ食べた。
飛行機を待っている間みんなで自販で飲み物を買った。50代の上司が黒い缶を持ちながら「ブラックコーヒーだと思って買ったら甘かった」と眉間にシワを寄せている。
私はすかさず写真を撮る。こんな表情普段なかなか見れない。
私がコーラを買って飲んでいると30代の後輩に「なんかそれデカくない?」と言われた。
私は背が低いからこういうイジられ方を普段からよくされいた。「デカくないから!」と言い返したがこのやりとりを3回くらいした。
ラベルを見ると650mlとしっかり書かれてる。
でけぇ〜。500っぽい顔しているのでけぇ。
私はコーラを写真に収める。
また台湾にいって小籠包を食べたい。