こたつ

まだ大学二年です。 ポストケインジアン、主にカレツキアン 専攻は会計学

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最近の記事

Stock-Flow Consistent ApproachとSFC Modelの隔たり、学派の融合はおこりえるか?[ポストケインジアン経済学]

本稿の目的は、Stock-Flow Consistent Modelが演繹する結論に観察される多様な解釈が、様々な学派を統合するための統一的形式体系としてStock-Flow Consistent Approachをコンセンサスに据えることの重要性を考察することである。 ストックフロー一貫アプローチ(SFCA)は、Relaventにフローとストックの関係性を一貫して書くための手法を教えてくれる。SFCAが規定するのは、その絶対的な一貫性のみであり、その一貫性を保持できるなら、

    • 同一性と社会科学に関する一考:セックス・性別・ジェンダー、価値・貨幣・商品の等価性など…

      何かが等しいということ、何かが等価であるということ、これらの同一性に関する話題は私の好きな分野では論争が尽きないように感じている。仮に経済学であれば、ストックフロー一貫アプローチを用いて、各主体の勘定のマクロ的一貫性、フローの最終的な同一性といったものを検算し、その基礎の上に動学モデルを構築するが、この時に示される最終的な貯蓄と投資の同一性や、会計的一貫性は一体どのような概念なのだろうか。もしくは、経済的な取引はたいてい等価な(何か)と(何か)の交換をしているが、この時、何を

      • 【富と所得の分配理論】ピケティーを批判するラヴォア、パシネッティー定理の動学モデル化。などなど…

        今書いている別の記事が、思ったよりもボリュームが大きくなってしまっており、しかも並行して英語でも書いていますので、時間がめちゃくちゃかかってしまっています。そのため、少し箸休めてきな感覚で簡単にできる記事を書いてみました。本記事は、ピケティーの有名な「r>g」を批判するラヴォアから始まり、富と所得の分配に関してパシネッティー定理を通して考察していきます。 ピケティーの主張はなぜ疑わしいか?ピケティーの「21世紀の資本論」で主張された有名な「r>g」に関して、ラヴォアが202

        • 解析的ストックフロー一貫成長モデル:富、生産、分配、成長への統合的なアプローチ

          日本におけるストックフロー一貫アプローチ(SFCA)の注目度は依然高くない状態が続いており、SFCAに触れている本においても、多くは非常に抽象的な紹介にとどまっており、日本語でSFCAの中身に触れている論文は非常に僅かです。(大野隆&西洋, 2011. etc…) またSFCAを紹介している日本語論文でも、そのすべては数値解析的な手法で行われており、解析的に解けるアプローチで書かれた日本語文献は、ほぼ存在していません。ですので解析的に解ける政府部門込みのSFCモデルを紹介しま

        Stock-Flow Consistent ApproachとSFC Modelの隔たり、学派の融合はおこりえるか?[ポストケインジアン経済学]

        • 同一性と社会科学に関する一考:セックス・性別・ジェンダー、価値・貨幣・商品の等価性など…

        • 【富と所得の分配理論】ピケティーを批判するラヴォア、パシネッティー定理の動学モデル化。などなど…

        • 解析的ストックフロー一貫成長モデル:富、生産、分配、成長への統合的なアプローチ

          SFCベースカレツキアンモデルの修正と拡張

          おおよそ二万字に及んだ前回の「ストックフロー一貫カレツキアンモデル」ですが、記事の後半たる「 長期均衡・負債比率の内生化」が理論的に不十分でした。 ですので今回は、その訂正+拡張+長期均衡に関する新たな発見を書いてゆこうと思います。 「訂正箇所の説明→モデルの考察と拡張→今後の課題」という流れになっています。モデルの説明はもうやったのでここではしません。よろしければ前回の記事をご覧ください。 SFCベースカレツキアンモデルの基本的説明 実物カレツキアンモデルの基本的説

          SFCベースカレツキアンモデルの修正と拡張

          MMTの源流へと:ストックフロー一貫カレツキアンモデル (カレツキからミンスキーの世界を覗く)

          この記事制作にあたって、インターネット上で助言してくださった会計士の方に加えて、次の皆様には非常にお世話になりました。”リッキー”さん、”にゅん”さん、”望月夜”さんに感謝申し上げます。誠にありがとうございました。 今回は限定的にSFCモデルへと拡張されたカレツキアンモデルの紹介です。実物カレツキアンモデルから拡張してゆくので、前回の記事を見ていない人、カレツキアンが分からない人は、先に前回の記事を見る事をお勧めします。 →前回の記事「実物カレツキアンモデル」 ベースに

          MMTの源流へと:ストックフロー一貫カレツキアンモデル (カレツキからミンスキーの世界を覗く)

          ポストケインジアンの動学モデル:古典、マルクス、ケインズの融合

          面倒だから最近サムネ毎回MMTの表紙にしてる。こたつです。 なんか勉強するほどに、いかに自分が無知で馬鹿なのかを思い知らされる。 はぁ~ さて、今日も今日とて独り言記事です。 今回メインで紹介してゆくのは、俗に「カレツキアンモデル」と呼ばれるものになります。 カレツキアンカレツキアンはPK一派の一つで、ほとんどの他勢力と親和的な態度を取る派閥でもあります。 彼らの理論は、古典的でマルクス的でケインズ的です。 どういった意味で古典的か?と言いますと、経済を労働者と

          ポストケインジアンの動学モデル:古典、マルクス、ケインズの融合

          ポストケインジアンの基礎的な静学モデル(簡単)

          この記事は僕がPKを勉強しながら書いた、いわば走り書きノートみたいなもので、自分の理解を深めるためだけにやったので、おかしなところがあります。 特に”雇用率と稼働率”の章は話半分に見てください。自分でも見返してて何言ってるかわかりません(笑) あとAD=AS辺りもひどいかな(笑) まあ他は大丈夫と思います。 二種労働・不完全操業・雇用&マクロ生産関数二種類の労働者 このノートで使う静学モデルは若干複雑なものとなっております。(まあ四則演算できれば理解できる) まず

          ポストケインジアンの基礎的な静学モデル(簡単)

          パシネッティ定理の証明:経済を長期的に支配するのは誰?

          パシネッティー定理の証明とその拡張、MMTとの関連性を考察してゆきます。 パシネッティー定理もとい独立定理は、ケインズサーカスの一人でありポストケインジアンの基礎を作った経済学者、ルイジ・パシネッティーによって作られた、当時の主流派に代わる所得分配の理論です。 パシネッティー定理は「もし長期的に完全雇用が達成されたなら、それはどのような経済学的帰結をもたらすのか?」という疑問に答えることが出来るモデルです。 この理論は二コラ・カレドアが元々考案していた分配の理論を拡張し

          パシネッティ定理の証明:経済を長期的に支配するのは誰?

          国の借金が有限値に収束するモデル

          タイトルには国の借金って書いたけど、語弊があるよね…政府債務ってことです。 この記事は! 「SFCモデル的な視点から経済を見た時、政府が機能的財政を完璧に行えれば政府債務が必ず一定の値に収束する」 という事を非常に単純化されたモデルをもって数学的に証明します。 ここではそれなりにわかっている前提でお話をしていきます。わからない人は頑張ってね 公理完全雇用が達成されている閉鎖体系の世界を与えます。 このような世界では民間の支出は生産高と独立します。 よってGDPは

          国の借金が有限値に収束するモデル

          MMTの政策提言「JGP」を数理モデルで検証したい(低レベルな定性的比較静学分析)

          さてさて、MMTから経済学にハマってしまって、もうすぐで一年になります。 こんなに長いこと時間もお金もかけてやってる趣味なんて人生で初めてかも……(趣味が経済学勉強することってキモイけどね) てーことで!今回はですね。 今の自分のレベルでJGPの経済的効果を数理モデルを使いながら検証しますいやぁ我ながら大それたことしてるな… 今のところ自分はまだカレツキアンの成長モデルまではやってないので、企業の成長や利潤と実質賃金といった所得分配に関してはまだ論じれないです。 価

          MMTの政策提言「JGP」を数理モデルで検証したい(低レベルな定性的比較静学分析)

          ポストケインジアンのミクロ経済学理論「ファイナンスフロンティア&拡張フロンティア」part2

          この記事は前回の続きです。はい、前回と同じく正確さは保証できませんのでご了承ください。あくまで僕の理解範囲ですので… 前回は投げやりな感じに式を展開して終わりましたけど、今回もそうなりそう(笑) 今回は前回やった基本的な式をより現実的+マクロモデルに組み込めるような形に変形させていきます。(教科書にそう書いてるからそうなんだろう) 前回の時点で、外部資金割合をあらわす「x」Retention ratioをあらわす「s」Propotion of investment in

          ポストケインジアンのミクロ経済学理論「ファイナンスフロンティア&拡張フロンティア」part2

          ポストケインジアンのミクロ経済学理論「ファイナンスフロンティア&拡張フロンティア」

          さて、ラヴォアのPK派教科書を買ってしまってから数か月たってしまいました。 MMT派の教科書に集中していたため、あまりPKをやる時間がなかったんです( ノД`)シクシク… まあ、こんな話は置いておいて。 PK派の理論、特に「ミクロ経済」はあまり知られていないように感じる。ネット界隈ではPKを祭り上げてる人たちもいるらしいが、実際に彼らが勉強しているようには見えない。(ド偏見)(人の事言えないけどね) Twitterで「ファイナンスフロンティア」で検索かけても、大学の教授が

          ポストケインジアンのミクロ経済学理論「ファイナンスフロンティア&拡張フロンティア」

          「macroeconomics」を私的にまとめるノート。第一回「解釈論」

          コチラの記事を見に来る人は「相当」な「経済バカ」と思います。 内容としては「アカデミックなMMT」を本家の教科書である「Macroeconomics」を通して、僕が勉強して、それを研究ノート的に僕が興味を抱いてることと結びつけて書いていくブログです。 注意事項:僕は「Macroeconomics」の内容を一切和訳しません。僕が私的に自分が興味ある事と結び付けてノートとしてここに保存する事が主な目的ですので、ちゃんと勉強したい人は実際に買って勉強することをお勧めします。

          「macroeconomics」を私的にまとめるノート。第一回「解釈論」