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イシューからはじめられない!【「イシューからはじめよ」安宅和人】

意味あるアウトプットを一定期間内に生み出す必要のある人にとって、本当に考えなければならいことはなにか。                         「はじめに」抜粋

著者の安宅さんはマッキンゼー・アンド・カンパニーに勤務された経歴をもつ。また、イェール大学にて学位も取得している。ビジネスパーソンであり研究者だ。

安宅さんは、本書において「知的生産」における生産性向上の方法について、解説されている。

しかし、「知的生産」とはなんだろうか。そもそも、わたしには「知的生産」の意味がわからなかった。

「知的生産」について調べてみよう。

1.知的生産とは

「知的生産というのは、頭をはたらかせて、なにかあたらしいことがら──情報──を、ひとにわかるかたちで提出することなのだ」
                       梅棹 忠夫「知的生産の技術」

梅棹氏によると、「知的生産」とは新しい情報を生み出すこと、その情報を伝えることだということになる。その場合、「知的生産」自体が商品になる。
たとえば、web上の情報を持ってきて、独自の情報を付け足して販売すれば、それが知的生産物となる。

「知的生産」の他に「物的生産」というものも存在するらしい。

2.物的生産とは

元となる原材料に加工を施し、それ自体に価値がある「製品」を生み出す行為。

原材料に付加価値を足し必要経費をひいたもの、それが製品価格となる。
たとえば、木の切り株を買ってきて(取ってきて)それを彫って、シャケをとっている木彫りの熊を作った場合、木に付加価値を足して、木彫りの熊という製品を生み出したことになる。

日頃「物的生産」にばかり関わってきたため、こちらの方がイメージがしやすい。「知的生産」が商品になり、利益を生み出すという構造がイメージできずにいた。しかし、書籍や本、研究などは、それ自体が利益を生み出す立派な商品であると言える。

3.では生産性とはなんだろうか

生産性=労働の成果÷労働量

つまり、同じ品質の製品を1時間に2個作るAさんと、1個作るBさんがいれば、Aさんの方が生産性が高いというわけだ。これが機械であれば、機械の能力をあげれば、生産性は上がる。

労働生産性には、2種類あるらしい。
1.物的労働生産性
2.付加価値労働生産性

・物的労働生産性=生産量÷労働量
・付加価値労働生産性=付加価値額÷労働量

さきほどの例でいうと、AさんBさんが作った製品が60円だっとすると、
Aさん 
・物的労働生産性=2個÷1時間=2個
・付加価値労働生産性=60円÷1時間=60円 
となる。

今までの産業は、生産性を上げるため、または品質の画一化をはかるため、精度のよい機械に労働をさせてきた。それが、第2次産業革命までの歩みである。

近年の産業ごとの生産性のは以下のように推移している。

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サービスや小売など、機械により効率化しずらい分野も、タッチパネルなどのITの導入により、生産性が上がってきているのが見受けられる。ただし、飲食店の労働生産性のみが下降傾向なのが顕著だ。お客が来なくても、24時間開店していなくてはならなかったり、コンピュターに置き換えられない分野が未だ存在していたり、利益額に対しての投資額が大きいと言う理由で、なかなかIT導入にシフトできていないという現実だろう。

4.知的生産性とはなにか

「知的生産」とは、あらたな情報を提供することだ。その情報を提供することにより、人々の生活がよりよくなったり、物的生産がより効率的におこなうことができたり、また、消費を促したりすることで、人や企業に付加価値を与えることのできる生産活動だ。
質のよい「知的生産物」は莫大な効果を「物的生産」「物的消費」に与えることができる。

**「知的生産性」を上げることにより、その効果を加速させることができる。

「物的生産性」はその付加価値の値において限界があるが、「知的生産性」においてのそれには、天井がない。最小限の労働によって、莫大な付加価値額を生み出せる可能性がある。**

物的生産を生業とするわたしにとって、この「知的生産性」と「物的生産性」の可能性の解離が大きな問題として存在する。「知的生産性」の成長率と「物的生産性」の成長率があまりにも解離しており、その差を現実に埋めることは不可能であると思うからである。

「物的生産性」と「知的生産性」をいかに併用して付加価値を生み出していくか。

これが、わたしの当面の課題であり、イシューだ。
さもなくば、生産性とそれが生み出す付加価値は、確実に右肩下がりの曲線を描くであろうと想像できるからである。

5.イシューとはなにか

issueの定義
A)2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
B)根本に関わる、もしくは白黒はっきりしていない問
AとBふたつの条件をみたすものがイシューである

はたして、わたしはイシューにたどり着けたのであろうか。たどり着けたとして、まだこの本の序章だ。
この後に、よいイシューの3条件というものがある。わたしはそこを潜り抜けることができるのかどうか。

犬の道は長い。

参考にさせていただいたwebページ
https://cyblog.jp/2888
https://bowgl.com/labor-productivity/
https://www.jpc-net.jp/research/list/comparison.html



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