それだけの恋、幸せの裏側(詩)
「どうしたらいいかわかんないくらい嬉しい」
って君が言うからそっと肩を抱いて
「何してもいいよ、好きなようにして欲しい」
ってできる限りの余裕醸し出して
そんな瞬間をまた夢に見たよ
もう何度目だって自分に呆れるけど
君も同じように感じてくれる?
ティーカップの柄をその手になじませて
今日も台所 立ってくれる
その後ろ姿を横目で確認して
きっと同じように感じてるかな
背伸びをしてから出かける用意をする
思えばここにくるまではお互い傷つけあって疑って
誤解したり嫉妬させたり忙しいものだったね
そのうちいつものパターン覚えて対応できるようになって
理解しあってまた近づいて気が付けばこうなってる
ふたりの腕を絡ませて歩き始めて
あれからどれだけ時が経ったのかな
今だって君はそばにいてくれるけど
当たり前じゃない 奇跡だったんだ
本当の自分を知ってほしくても
けど知られたくなくて自分の殻にこもる
君も同じような弱さ抱えて
怖がりながらも進んできたんだね
友達に見せてる陽気な姿
それと同じくらい綺麗な表情を
見せて笑ってくれたね ふたりきりでも
何とかこうして過ごしてやってきたよ
だけども急に見たことない豪雨が覆いかぶさって
見えていたはずの君の横顔見えなくなってしまった
その眼は誰を映してるの
今だけ、それだけでもいい 笑って
それだけの僕の願いを簡単に払いのけられ
ふたりの時を忘れても君は幸せ?
それならそうだね、この手離してもいい
なんてさ強がってできはしない現実
もう一度だけでも見てくれはしないか
最後と君を呼び出して
ふたりのはじまりの場所行って
本当の気持ち話して
すっきりしようとして
気付くと君は泣いていて
ずっと隠していたと言って
ごめんねと顔を覆って
泣いたのは違う理由で
悲しみはそうだね、誰にでもあるね
だけど少しでも背負わせてほしい
悲しみもふたりを結びつける引力
なんてちょっとかっこつけすぎたな
ふたりの腕を絡ませて歩き始めて
あれからどれだけ時が経ったのかな
今だって君はそばにいてくれるけど
当たり前じゃない 奇跡だったんだ
なかなか言えない秘密がある彼女と、向き合いたい彼氏のショートストーリーのような詩。私はこういう展開の詩を書くことが多いんだけど、その中でも明るくわかりやすい作品な方かもしれない。