予知夢を授かったのはいいものの
体調を崩してしまい、出かける予定もキャンセルして家で英気を養っている。けっこう寝たのにまだ眠い。だけどあまりにねむねむしていては夜型の生活になって困ることになるので頑張って起きているために頑張っている。
体力的に消耗しているからか、夢は見なかった。
昨日の朝起きた時に脳裏に残っていたのは、冷蔵庫の生ハムを食べようとしたら変な匂いがしたので「腐ってるよ、これ」と誰かに言う夢だった。
そして夕食になって私は突然ナポリタンを食べたくなり、賞味期限が多少切れたウインナーを使ってしまう。結果、どうなったか。ご想像の通りだ。
予知夢を見ていることがあると気付いたのはここ数年のことだ。最初は夢占いで当たってるかもという程度だったのだが、この頃そうでもなくなってきた。
もちろん単に深層心理をぶつ切りにして無理矢理つなげたような夢に出会うことの方が圧倒的に多いが、当たっている夢を見ることもある。
といっても自然災害の日を当てるとかそんな大それたことではない。それは自分に対して起きるかもしれないことがたまにわかったりするということだ。そんな能力だったらもっと良かったけど残念ながら。
本当にたまーにだが、こういうことがある。夢の内容をちゃんと覚えていれば防げていたかもしれない事故。意識して行動していればその通りになることもなかったのかもしれない。
だけど普段は普通の夢を見ているので、いつ当たるのかは確率が低すぎていちいちその通りにもしていられないのだ。
誰かと喧嘩する夢を見たとしてもその日はその人に会うこともなく、その後夢占いのサイトを見て「こっちの深層心理的な意味の方が当たっていたのかもしれない」と思うこともあるのだから。
もっとこの夢たちとうまく付き合うことができたら、人生イージーモードで生きられるのにと思う。
夢の中で「これは予知夢です。気を付けて下さい」ともっとちゃんと教えてもらえたらと思うけど到底無理な話だ。意識的にやれるようになったらちょっと能力者っぽいのに。残念。
ぼんやりとソファに腰かけながらそんなことを思う。
眠気がひどい。寝ようかな。もう寝てもいいよね。
おやすみなさい。
「ポカリ補充しておくわよ」
そんな声を聞いた気がして飛び起きると、買い物から帰ってきた母が近くに立っていた。ポカリ!それは!私が今一番嬉しいプレゼント!!
お礼を言い、とりあえずペットボトルを開けてさっそくがぶがぶと飲む。
「これからは賞味期限ちゃんとチェックしなさいよ」
小言に黙って頷き、天井を眺めて思った。母の言うことの方が予知夢の可能性のある夢よりもはるかに正確なのだろう、と。
まあ、そもそも私が食い意地張っているのもよくないんだけどね。
これから食べ物が傷みやすい季節なので、みなさんもお気をつけ下さい。
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