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”コストゼロ”自分でできる若返り法

「若く見える」よりも

できることなら、死ぬ直前まで若くいたい。いや少なくとも、「若く見られたい」と思います。

この「若く見られたい」という願望は女性も男性も持っています。

その証拠に、若く見えるための化粧品や服などが世にあふれています。

そういったものは大抵効果があります。実際、めでたく若く見えるようになる人もいらっしゃると思います。

「若いですね!」
「○○歳!?全然見えないです~」

なんて言われるようになる。それは素敵なことですし、人生の幸福度も高めてくれることでしょう。

しかしながら、いくら外見が若く見えたとしても、本人の実感として体力・気力が衰えていて人生にハリがない・・・というのでは、せっかくの若い見た目を生かす機会も少なくなってしまいます。

また、顔の見た目は若くても、ハラがたるんでいて、ガニ股でバタバタノシノシと歩くなど、動きがジジババくさいと、
「あ~この人は本当は若くないな~」

と思われてしまいます。

足腰よわ
歳をとっても自分の足で歩けるというのは、とっても幸せなことでしょう

顔やファッションは若づくりしているけど、実際は明らかに年寄り。
あなたはそのような人になりたいでしょうか?

もちろん、そういう人でも心がカッコイイ人もいますし、全然アリだと思います。

でも、できれば「見た目」だけが若いよりも、「本当に若い」方がいいですよね。

外から見ても「この人は若々しいな~」と思われていて、そのうえ主観的にも「若いときと何も変わらないな♬」とルンルン気分でいたい。そうじゃないでしょうか?

なぜ「老ける」のか

私は小さいころ、こんなことを思ってました。
「どうして大人は、太っている人が多いんだろう?それに、疲れている様子で・・・いや、実際に疲れていて、不機嫌そうな人が多いのはなんでだろう?」
「でも、大人の中にもスラっとしてる人もいるし、心も若々しくて上機嫌な人もいる。この違いはなんだろう?」

大人に限らず同級生にも、太っている子や動きがぎこちない子はいました。でも、明らかに大人の方が、その比率が高いことに疑問を感じていました。

なんで大人になるとそうなるの?と思っていろいろと勉強していると、だいたいこんなことを知ります。
「大人になると代謝が悪くなってくる」
なるほど「代謝」が重要なんですね。

代謝って何か、考えたことはありますか?
そう思って、身体について学びはじめました。

すると幸いなことに、体が老化するメカニズムがわかってきたのです。

老化を筋肉から見る

老化のメカニズムはいろいろあるのですが、この記事ではわかりやすく「筋肉」という観点に絞って見ていきましょう。

多くの筋肉は、骨と骨をまたいでくっついています。筋肉が収縮することで骨が動き、身体を動かすことができるのです。
そのため多くの方は、筋肉にできることは「収縮すること」だと思っているのではないでしょうか?

しかしそれは筋肉の働きの一面に過ぎません。

筋肉ができることは二種類あります。
一つは「収縮」すること。
もうひとつは「弛緩」することです。

言い換えれば、「締まる」と「たるむ」です。

筋肉は、この「収縮」と「弛緩」、「締まる」「たるむ」によって、血液や体液の循環を促すポンプとして機能します。
これが代謝において重要なのです。

ポンプ

自転車に空気を入れるポンプや、自宅用のちびっ子が遊ぶビニールポンプを使ったことがある方はわかると思いますが、ポンプは「ふわーっ」とたるませてから「ぎゅっ」と締めると、空気がたくさん入ってきます。
しかし、あんまりたるませないで「ぎゅっ」とやっても、空気は少ししか入ってきません。
実は、筋肉のポンプ作用もこれと同じです。

筋肉が「ふわーっ」とたるんで、「ぎゅっ」と締まると、血液・体液をしっかりと送り出してくれるのです。
逆に、筋肉があまりたるまないで締まってばかりいると、血液・体液の循環が滞ってしまいます。

つまり筋肉は、「収縮」「締まる」と、「弛緩」「たるむ」ことの「」があってこそ、しっかりと働いている、と言えるのです。
このことが、老化とどう関係しているのでしょうか?

ストレスと筋肉の関係

これが関係大ありなのです。

私たち現代人は、一日の多くの時間、何らかの「ストレス」にさらされています。
プレッシャーのかかる仕事や人間関係などは、わかりやすく「ストレスがかかってるな~」という感じがしますよね。

そのようなことは気づきやすいのですが、人間は、自分では気づかないような「ちょっとしたこと」でもストレスを受けます。
例えば、道路を走っている車の音もストレスになりますし、真っ暗な部屋に電気がつくのを見るだけでも、人間にとっては微弱なストレスになります。
もちろん、パソコンや携帯電話の電磁波もストレスになっています。
ですので、現代人は四六時中、微弱なストレスにさらされていることになります。

問題は、この「ストレス」が、筋肉の働きをにぶらせる、ということなのです。
人間は、ストレスがかかるとそのストレスに対して、筋肉に力を入れて対応しようとします。
あなたも、緊張する場面を迎えたとき、肩にぎゅーっと力が入っていた、ということに気がついたことがあるかもしれません。

そして、先ほど現代人は四六時中ストレスにさらされていると言いました。そのため私たちの筋肉は、四六時中ストレスに対処して、微妙に収縮した状態になってしまっているのです。

筋肉が四六時中「収縮」していると、筋肉と脳はその状態を普通の状態だと覚えてしまい、十分に「弛緩」ができなくなります。

そうなるとどうなるでしょうか。
「収縮」と「弛緩」によってできていた「ポンプ機能」が弱まってしまいます。

ポンプ機能が弱まると、血液・体液の循環が悪くなります。そして老廃物の除去が遅くなります。
そうなってくると、細胞レベルで元気がなくなってくるわけです。

これが、「代謝が悪い」ということの正体です。
現代人の生活であれば、この状態から逃れるすべはありません。
ここまで説明してきたことは、今まさにあなたの身体に起こっていることです。

代謝が落ち、細胞に老廃物がたまってくると、だんだんお肌のハリも失われ、カサカサしたり、たるんできてしまいます
肌は筋肉と違って、自分の意志で締めることはできませんから、代謝を改善しない限りはたるんだらたるみっぱなしです。

また、代謝が落ちるとエネルギーの消費量も下がってきますから、同じ量を食べても太りやすくなってしまいます。
私が子どもの頃に思っていた「なんで大人は太っている人が多いんだろう」という疑問に対する答えは、「代謝が落ちているから」でした。

代謝の悪循環

代謝が悪くなると、体を動かすのがおっくうになってきます。
体を動かすのがおっくうになる→運動するのがめんどくさくなる→筋肉が固まり代謝が悪くなる→体を動かすのがもっとおっくうになる・・・
という悪循環に入ってしまいます。

こうなると、筋肉の「収縮」と「弛緩」の能力はどんどん衰えていきます。収縮と弛緩の幅のある筋肉が健康的な筋肉で、そんな筋肉を持つ身体は代謝もいいのですが、そうでなくなった筋肉は収縮と弛緩の幅が狭くなってしまいます。
その状態を、「固まる」と表現しましょう。

筋肉が固まるとどうなるでしょうか。
例えば、現代人は運動不足とともに体の使い方が下手なため、股関節の外側の筋肉が固まりやすくなっています。
股関節の外側の筋肉が固まると、ガニ股になってきます。
股関節の外側の筋肉が固まると、筋肉が短くなってしまいます。そうすると脚が外側に引っ張られ、ガニ股になってくるのです。

女性は男性に比べてガニ股の方は少ないですが、歳を取るにつれて股関節の外側の筋肉が短くなっていることは、男性と変わりはありません。
ですが女性の場合は、「膝を開かないように」という気持ちがあるため、筋力で脚を内側に引っ張って、ガニ股じゃないように見せているだけ、ということが多いです。
女性でそのようにしてガニ股を回避している方は、逆にX脚になりやすいです。

と同時に、「動きが老けてくる」ということも起こります。
若いころ・子どもの頃はスーっ、サーッ、ふわふわ~、シャキシャキと動けたのに、歳を取ると、ガチガチ、バタバタ、セカセカ、ヨタヨタした動きになってきます。
胸の周りの筋肉も収縮しやすいですから、ストレスで筋肉が固まってくることに何も対策をしていない方は、胸が落ちて(肩が落ちて背中が丸まって)、何とも老けた印象になっていってしまいます。
こうなると、いくら化粧品やファッションで見た目を取り繕っていても、全身から醸し出す雰囲気や動作で
「あ~あの人は歳だな~」
と思われてしまいます。

この状態は、周りからも「年寄り」と見られる上に、主観的にも身体が動きづらく、心の元気もなくなってくるため、あまりよい状態とは言えません。

もちろん、「老いる」ということをことさら恐れたり忌避する必要はないのですが、できることなら若くいたいと思うのが人情というものでしょう。

では、どうすれば若くいられるのでしょうか。
そのために、まずは「若い」ということの定義からはじめなければなりません。

私は、「若い」ということを筋肉の観点から定義すると
収縮と弛緩の幅が広い
ことだと考えています。
幸いなことに、そのような筋肉は後天的に取り戻すことができます。
そのような筋肉を取り戻せば、全身の雰囲気が柔らかく、動きのバランスが取れていて颯爽としてきます。

そのためには、筋肉が「収縮」しっぱなしではいけません。筋肉に「弛緩」することを思い出してもらわなければなりません。

「運動したくなる身体」をつくる

小学生の頃、あるいは十代の頃でもいいですが、その頃には、特別に「やるぞっ!」と気合を入れなくても、自然と身体が動いたのではないでしょうか?

私の父は、よく食卓で作業をしていました。
食卓なので、ボールペンやハサミなどの事務用品は置いてありませんでした。事務用品はほんの少しだけ離れた棚の一番下に入っていました。
作業の途中で何かが必要になると、父は小さかった私を呼んで言いました。
「ちょっとハサミとって」
私はハサミを取ってあげながら、こう思いました。
「自分で取ってよ」

父は明らかに身体の固まっている人でした。今思えば、父は細々したことで身体を動かすのがめんどくさい、と感じていたに違いありません。
逆に言えば、「若い」とは、細々した日常のことに対して、気合を入れなくても身体が動く、ということでもあるのです。

この状態の人は「運動嫌い」にもなりやすく、運動がキライだとますます筋肉は固まってしまいます。

筋肉が固まってしまうことで大きな問題なのは、「体を動かしても気持ちよくない」という考えを引き起こしてしまうことだと思います。

スポーツは素晴らしい文化です。野球をやった事が無い人でもバッティングセンターで楽しんでいる姿はよく見られますし、ジョギングなども本来とても気持ちがいいものです。

しかし身体を動かしても気持ちがよくないのであれば、スポーツをやる気になれないのも無理はないことです。

特に「運動が嫌い」あるいは「スポーツが嫌い」と言う人は、体育の授業なんかで、正しい身体の使い方や筋肉の仕組みを教わらずに、ただ先生の号令でガシガシ体操をしたり、地域のスポーツクラブでバリバリやっているような子と一緒にサッカーやドッジボールをやらされ、あまりの力の差に惨めな思いをしてしまう、ひどい場合は罵声を浴びたりする。それで嫌いになってしまっているのではないでしょうか?

そういった方がスポーツや運動が嫌いになる気持ちはよくわかります。嫌いになるのも当然のことです。

しかし、日本の精神主義の悪しき面や体育という授業の問題点はさておき、運動やスポーツが嫌いになってしまって、もう身体を動かす喜びもない、というのでは、肉体と精神の健康を保つうえでリスクがあることも事実です。

ここはひとつ、「運動」や「スポーツ」と、「体育の思い出」を切り離してみてはいかがでしょうか。悪いのは、あなたを運動嫌いにするきっかけをつくった人です。
運動やスポーツに罪はありません。
運動と言っても、買い物でいつもなら電動自転車で行っていたところを歩いて行ってみるとか、2階までエレベーターで上がっていたのを階段を使ってみるとか、そのくらいのことでいいのです。

ちょっと、運動に対する心構えがゆるんできませんか?
もしあなたが精神面で少し楽になることができたら、次のステップを提案します。

ここではじめて実際に身体を動かしていきます。
とはいっても、いきなり激しい運動はしません。
なんなら、激しくない運動さえしません。

運動嫌いのあなたが最初にすべきことは、
動くだけで気持ちいい身体を取り戻す
ことです。

そして、そのために行うことは、
さすり
なのです。

肩が凝ったときに、凝った部分を揉んだり叩いたりして、血行を改善しようと試みたことはありますか?
それと同じ要領で、自分の体を「さする」だけで、あなたの筋肉の収縮と弛緩の幅を広くすることができます。

え?たったそれだけ?。それだけです。

揉んでも効果がない、と思っている方も多いと思いますが、実はほとんどの人は揉み方がよくないのです。
どういう風によくないかというと、揉み方が強くて雑なため、筋肉が弛緩してくれないのです。
でも、「さすり」は筋肉にとってちょうどいい刺激です(主観的には物足りないと感じるかもしれませんが、筋肉を構成する細胞たちにとってはちょうどいいのです)。
さすることによって筋肉が弛緩し、毛細血管も活発になります。

では、実際にさすってみましょう。
肩が凝っているという方が多いと思うので、肩をさすってみましょう。

まず、全身の力をだらーっと抜きます。
そのうえで、右肩に優しく左の手のひらを置きます。
そして、肩が気持ちよくなるように、首から肩にのあたりを気持ちよくさすってみてください。
その部分がふわふわになるように、実際に「ふわふわ」と声に出しながらさすってもかまいません。

30秒くらい優しくさすります。そうすると、さすったところがだんだんあたたかくなってきて、ふわ~っと気持ちよくゆるんできたような感覚がしてくるのではないでしょうか??
さすった方の肩と、まださすっていない方の肩の感覚を比べてみてください。
さすった方の肩の方がふわっと気持ちよくなっていて、逆の肩もさすりたくなったら、あなたはその分だけ元気が出たということです。
ぜひ、もう片方もさすってください。

分からなかったという方も、「自分の身体の感覚を感じる能力」には個人差があるため、3日、1週間、1ヶ月、3ヶ月とやっていればだんだんと感覚が鋭敏になってきます。
若返りたいという方はぜひ続けてみてください。

続けていれば、徐々に肩周りの筋肉が「弛緩」できるようになってきます。
さすってゆるめたことで脳がその状態を認識すると、固まったときに「ゆるめて!」という指令を出すように変わってくるからです。
これは、他人にマッサージをしてもらうなどの受動的な方法では起こりません。

「弛緩」が進んでくると、筋肉のポンプ機能がよく働く状態になります。
その状態を「ゆるんでいる」と表現しておきましょう。
ですから、代謝がよくなってきます。
代謝がよくなると、お肌の調子も良くなってきます。肩から首にかけての筋肉がゆるんでくると、顔から頭部の血行がよくなりますので、肌につやが出てきます。

ぜひ、さすってください。何しろお金はかかりませんし、時間も1~2分程度ですみます。
努力感もないのですから、ほぼゼロコストだと言っていいと思います。

そして、さすることがお気に入りになってきたら、胸、腹、腰、股関節など、自分の好きなところはどこでもさすってみてください。
きっと気持ちいいですし、それによって筋肉の細胞たちが、弛緩と収縮を「もっとしたい」とあなたに訴えかけてきます。
そうなってくると、「一駅くらい歩いてみるか」と自然に運動したくなってくると思います。
私はその状態を「運動が好き」と表現したいと思います。

さて、ここまで老化について筋肉の観点から見てきました。
ぜひ、さすりで身体の感覚を高め、少しでも運動が好きになっていただけたらなと思います。
さするだけでも代謝は改善します。それに加えて、少しでも体を動かす機会が増えれば、さらに代謝は改善します。

このような簡単な方法で、健康長寿を実現していこうではありませんか!


おまけ

この文章は、科学者である高岡英夫さんの運動科学をベースとしています。
もしあなたがより本格的に若さをお求めなのだとしたら、高岡英夫先生の著書を読んでみることをおすすめします。

以下、体操や意識のトレーニングの講座を開催している「運動科学総合研究所」のリンクと、
下は超簡単に身体を快適な状態にすることができる「ゆる体操」(私も15年以上やっています)のサイトのリンクです。ご参考にどうぞ。


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ひふみ国師(身、心、神)
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