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自分で自分を「ゲームチェンジャーで~すw」とか名乗る奴が現れたら、人は笑わずにいられるのだろうか?

浅草キッドという映画について。まだ中身を見ていないかたは閲覧にご注意ください。ヘッダ画像お借りしています。

この

浅草キッド

という題名は、単に挿入歌である北野自身の歌唱が話全体の雰囲気を演出してるから題名も~みたいな感じではなく(そういう感じでもあるのでしょうが)、北野と深見を指して浅草(にいた)キッド(たち)と表現しているのではないかと思った。

深見はずっと浅草という舞台に立っていた。すると北野が浅草に来た。深見の前に現れた。北野もまた浅草に立つ人となった。

北野はとんでもないスターになって落ちぶれた深見と再開した。2人きりで酒場で話したかっただろうが、近所の人々は2人の話を見世物みたいに見たかったのかわらわらと集まってしまい、北野と深見は、奇しくも深見が嫌悪していた「漫才」をしているコンビのように常人離れした話術であることないこと会話の応酬を広げ合い、客なのに他の客である聴衆を笑わせることに一生懸命になってしまう。

ここを映画のベストシーンとして挙げる人も多そうに感じる。深見と北野が最期に一緒に居られた場であるため。

浅草キッド(歌)

先に少し浅草キッドという歌について触れました.

この北野自身が作詞曲・歌っている歌は重要そうなシーンで適宜流れる。重要と言っても……あまり書くとばれもばればれになってしまうので自粛いたします。

歌の中には北野(劇中・おそらく過去の自身も)が頻繁に訪れた居酒屋の名前が出てきたり、ビートきよしのことを描写していたりとまさに映画の本筋に噛み合っている。

つまり北野の著作として、浅草キッドという歌、本、自分が監督したわけではないけどこの映画、と同名の異メディア媒体が3つあることになる。

北野ファンの間で「浅草キッド」という単語を出した場合、一体どの媒体について話しているのかを明らかにした上で、でなければ会話にならない。

King & Queen

歌といえば浅草キッド(映画)内では「浅草」というエンターテインメントの最前線を象徴するかのように北野の先輩である千春が歌ったり踊ったりする時にかかる歌がある。

後でこの年齢もよくわからない千春はほとんど同級生みたいな仲睦まじい関係となりますが、一応先輩ですね。フランス座はあくまでストリッパーがメインの芸能でもある。

千春が圧倒的な歌唱や踊りをする時に流れる歌がこのKing & Queenで、ホーンセクションを使ったジャズ、ファンク、アップテンポな踊るための歌です。もしかしたら歌じゃないかも知れない(BGMかもしれない)。ひとまず暫定的に歌とします。

King & Queenは衝撃的なシーンでかかる。つまり言い換えれば北野が受けた衝撃を視聴者も体験してみろ、と思わせるための舞台装置といえるかもしれない。

でぼくは昔なにかしらの演芸場でかかっていた有名な歌なのだろうと思ったら、映画のために造られた歌のようでした。劇伴作曲家はなんでも造れなければならないのだなぁと思わされた。

主に歌についてのお話になってしまいました。また次回。深見と北野の関係について、柳楽優弥について、ビートきよしの配役を土屋にしたことについて、他。お読みくださりありがとうございました。



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